2026/6/5
【葛飾区】【就職氷河期と住まい(2/4)】就職氷河期世代が直面する「静かな危機」
親を看取ったあとに住まいを失いかける就職氷河期世代の背景には、「静かな危機」があります。これは一部の人だけの話ではなく、氷河期世代全体にじわじわ広がっている問題です。
就職氷河期世代は、バブル崩壊後の厳しい就職環境の中で社会に出ました。正社員になれず非正規雇用が長く続いた方も多く、収入やキャリアが安定しないまま中年期を迎えています。その結果、十分な貯蓄ができず、年金も少なくなりがちで、将来への不安を抱えながら暮らしている方が少なくありません。努力しても積み上がりにくい構造の中に置かれてきた世代です。
そこに、親の介護が重なります。介護のために仕事を減らしたり辞めたりすれば、ただでさえ不安定な生活基盤はさらに弱くなります。そして親と同居している場合、住まいが親名義であることも多く、親を看取ったあとに相続や契約の問題で、突然住まいを失いかけるリスクが現実のものになります。前回ご紹介したケースは、決して特別な出来事ではなく、誰にでも起こり得る構造的な問題です。
なぜこうした事態が起きるのでしょうか。実は、採用抑制による就職機会の不足、非正規雇用への偏り、再チャレンジの難しさといった、世代全体に共通する構造が背景にあります。その上に、介護や住まいの問題が重なり、暮らし全体が崩れやすくなっているのです。
ここで「もっと早く動いていれば」「もっと頑張れたはずだ」と本人だけを責める視点では、この静かな危機を見誤ります。私は、この問題を「本人の頑張り次第」にしてはいけないと考えています。これは、就職氷河期世代と親の介護・住まいをめぐる社会保障の設計の問題です。
私は、就職氷河期世代が親を看取ったあとに住まいまで失うような社会を、静かな危機として放置してはいけないと考えています。身近に同じ世代の方がいれば、ぜひこの現実を共有してください。そして、この構造的な課題について一緒に考えていただけたらと思います。
詳しい背景や制度の課題については、noteでも整理しています。ぜひあわせてご覧ください。
https://note.com/akirakatsushika/n/nf6d984775f25
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