2026/3/16
令和8年度予算特別委員会にて質問いたしました。42分間お時間をいただき、「現役世代から豊かにする」というわが会派の理念に基づきいくつかのテーマについてお話しましたが、主なテーマを抜粋してまとめました。

<テーマ①就職氷河期世代支援>
就職氷河期世代は、「自己責任では説明できない世代」です。バブル崩壊後の急激な雇用環境の悪化という、個人では乗り越えがたい経済状況の中で社会に出ざるを得なかった世代であり、この世代は現役世代の4分の1を占める大きな層です。
正規雇用率は国や都の支援の成果、また人手不足も重なり改善傾向にありますが、この世代が50代を迎えることで家族の介護や老後不安などが複合的に重なり合う新たな局面に入り、決して過去の問題ではありません。
Q東京都は、就職氷河期世代が抱える生活・雇用・キャリア形成上の課題をどのように認識しているのか見解をお伺いいたします。
A(産業労働局長答弁)
○ 就職氷河期に卒業し、希望する就職ができず不安定な就労の続く方の年齢が上昇している中、安定した生活基盤が築けるよう支援することは重要です。このため都は、就職氷河期世代の方が安心して長く働き続けられるよう、企業に対し労働環境の整備を促すとともに、正規雇用に向けた就職のサポートや、生活面など仕事以外の多岐にわたる相談への対応、合同面接会の開催など、多面的な支援を行っています。
ありがとうございます。就職氷河期世代の生活基盤が重要だという認識を共有できました。就職氷河期世代の課題は新たな段階に入っています。雇用環境は改善しても所得水準は依然として厳しい状況です。上の世代の同年齢時と比較して月7万円程度低い水準にあるとの調査もあり、キャリア形成の初期段階での機会損失がその背景にあると考えます。また、就職氷河期世代が50代を迎え、この問題は介護の課題とも重なります。せっかく雇用環境が改善しても、介護を担うことになって働き続けられなければ意味がありません。
そのため、単なる就労支援に留まらず、所得向上やキャリア形成の支援、介護しながら働き続けられる支援などを、会派として予算要望させていただきました。そこで質問いたします。Q都は令和8年度予算において就職氷河期世代の就労支援や所得水準向上にどのように取り組みますか。
A(産業労働局長答弁)
都は、就職氷河期世代の方を正規雇用し、育成計画の策定や研修を行うなど労働環境の改善を図る企業に対し助成金を支給しております。来年度は、支援する企業の規模を300件から400件に拡大するとともに、助成対象となる従業員数を増やします。また、賃上げを行った場合の加算を最大60万円に拡充します。さらに、介護と仕事の両立支援制度を整備した場合に10万円を加算する仕組みを新たに設ける
従来の就労支援に加えて、来年度は所得向上や介護休業支援にも拡充したと理解しました。そうした観点では、令和8年度予算において都が介護離職対策に27億円を計上したことは、就職氷河期世代を支える取組みであると評価いたします。ビジネスケアラーとなっても安心して働き続けられる環境整備に取組むことが重要です。改正育児介護休業法により介護離職防止のための個別の周知・意向確認等が義務化するなど、法整備が進んでおりますが、一方で民間企業の調査によると勤務先の育児介護への対応が不十分だと感じる従業員が全体の約半数というデータもあります。Q介護と仕事の両立に向けた環境整備に取組む企業に対して、都が後押ししていくべきと考えますが、令和8年度の取組を伺います。
A(産業労働局長答弁)
都は、介護休業中の社員の同僚への手当支給など、介護を抱える社員を職場全体で支える取組等を行う企業へ奨励金を支給してきました。来年度この奨励金について、介護休業制度を利用しやすい気運を醸成するため、管理職が率先して取得した上で、その経験を社内に共有した場合等の加算を新設し、最大145万円を支給します。加えて、介護等に直面する従業員がテレワークを行えるよう、事業者が規定を整備した場合や、時間単位でのテレワーク等の制度を導入した場合に、最大30万円の新たな奨励金を支給します。
介護休業の取得には周囲の理解を得て、取得ししやすい雰囲気を醸成していくことも非常に重要です。同僚への業務代替手当支給や管理職の休業取得を引き続き後押ししていただきたいと思います。さらに、都民の介護を支える介護事業等においてこそ、介護離職対策を進めるべきです。民間でも導入が進み始めている業務代替手当を国の支援に大きく上乗せして、介護や障害福祉サービス事業所向けに導入したことは非常に先進的です。Q業務を代替する職員への業務代替手当支給を支援するに至った都の考えや、国の支援制度との関係を踏まえた都の補助金支給額について、伺います。
【福祉局長答弁】
都は来年度から、介護職員等の離職を防止するため、育児や介護と仕事の両立支援に取り組む介護・障害事業所の支援を開始する。具体的には、職員が介護休業等を取得する際の代替職員の雇用や、業務を代わりに担う職員への手当支給等の取組に対し、国助成金に上乗せして都独自に最大200万円を支援する。このうち、介護休業を取得する職員の業務代替手当を支給する場合には、国は、五万円または十万円の定額であるところ、都は、これに加えて、代替期間等に応じて、最大約150万円を支給する。
国の助成金が定額であるのに対し、都は休業期間に応じて助成し、また代替職員雇用だけでなく、業務代替手当も対象とする非常に使いやすい制度となっていると理解しました。介護を個人の責任とせず、社会全体で取組むべき問題としていくためにも、介護を担う本人だけではなく、業務を代替する従業員にも手当を支給し、休業を取得しやすい雰囲気を醸成することは、非常に意義があります。今後は、民間企業でこうした取組が広がるよう、都が先行事例を示していくよう要望します。介護・障害福祉分野でこうした取組が進むことで、他業界へもこういった動きが波及することを期待して次の質問に移ります。
ここまでの質疑で、都が介護休業や柔軟な働き方を通じて、介護と仕事を両立できる環境整備を支援しようということが伝わってきました。
一方で仕事を休みやすいことが、必ずしも介護を楽にすることにつながるとは限りません。介護休業の目的は自分で介護をすることではなく、介護をしながら仕事を続けられるような体制づくりをすることです。いつ終わるのか分からないのが介護です。「介護は家族である自分にしかできない」との思い込みのもと、負担の大きいケアプランを受け入れ介護離離職につながるケースもあると聞きます。そのため、いざという時に休める仕組みに加えて、適切に介護をアウトソーシングして、仕事を休まずに介護ができる環境を整備することも必要です。Q働きながら介護に取組む忙しいミドル世代層の、介護に関するリテラシーを高めると共に、地域包括支援センターなど適切な窓口につなげるために、東京都はどのように取り組みますか。
A(福祉局長答弁)
都は働きながら介護に直面した方が必要な支援につながりやすくなるよう、来年度新たに介護情報ポータルを構築する。本ポータルでは、介護保険制度の仕組みや相談先など多様な情報を一元的提供する。さらに、AIチャットポットにより、利用者が知りたい情報を対話形式で取得できるようにするほか、スマートフォン等から地域包括支援センターへの相談予約を受け付ける仕組みを整備していく。
この情報ポータルは介護離職におけるミドル世代の課題を解決できる取組であると考える一方で、忙しい世代に活用してもらうための周知が必要です。例えば東京アプリを活用し、住民情報と照らし合わせ、ワーキングケアラーにプッシュ型で情報提供するなどの取組を進めることを要望し次の質問に移ります。
このテーマの最後に、隗よりはじめよで、都庁における就職氷河期世代対策について伺います。国は昨年「新たな就職氷河期世代等支援プログラムの基本的な枠組み」を定め、その中で「公務員・教員としての採用拡大」に取り組むことを地方自治体に要請をしています。
Q.こうした社会的な要請を受けて、改めて、都として就職氷河期世代の職員採用に積極的に取り組む意義と来年度の取組内容について伺います。
A.(総務局長答弁)
多様で幅広い年代の方々が、意欲や能力を生かして活躍できる組織づくりは重要です。都は、これまでも、就職氷河期世代を対象とした常勤職員の採用試験を実施するとともに、幅広い年代の方々が受験できる、経験者採用選考を実施します。来年度も、これらの採用試験等を通じて、就職氷河期世代の方々が都政の幅広いフィールドで活躍できるよう、取り組んでいきます。
更なる応募機会の拡大、採用情報等の周知などを含め、就職氷河期世代の積極的な採用に向けて一層の取り組みを要望して、次のテーマに移ります。
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フクイ ユウタ/39歳/男
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