2026/5/20
みなさんこんにちは!
唐津市議会議員の井手清和です。
昨日、令和8年5月19日(火)、「唐津の風研究会」の研修会および意見交換会が開催されました。
今回の会合には、佐賀県、唐津市、JAからつ、まつら森林組合、そして唐津市議会から多くの関係者が一堂に会し、大変熱気のある有意義な意見交換を行うことができました。平日の夕方から夜にかけて、これだけ各分野のリーダーや実務トップが集まり、膝を突き合わせて地域の未来を語り合える機会は非常に貴重です。

今回は、研修会で共有された佐賀県の農林水産業・産業労働行政の最前線の施策内容と、その後の意見交換会で交わされた熱い議論の様子について、ブログにて詳しくご報告いたします。
第1部の研修会は、唐津市呉服町の古川事務所裏会議室にて開催されました。
今回の研修の大きな柱は、佐賀県が打ち出す「令和7年度2月補正予算案」および「令和8年度当初予算案」における主要施策の理解です。県、市、JA、森林組合、議会がそれぞれの立場から、いかにして唐津の、そして佐賀の産業を盛り上げていくか、具体的な資料をもとに熱心な勉強会が行われました。
現在、現場の農林漁業者は、燃油や飼料、資機材の高騰に加え、近年の急激な気候変動(酷暑・豪雨など)というダブルパンチに直面しています。これに対し、佐賀県は「重点支援地方交付金」134億円のうち116億円(61事業)を措置し、生活者・事業者に寄り添うきめ細かな支援を網羅的に展開しています。
特に農林水産業向けには、総額36億円の予算が投入されています。単に「今を耐え忍ぶ」ための止血的な支援にとどまらず、「未来を拓く」ための将来への投資・設備投資を強力に後押しする内容となっています。
園芸農家への支援(14.9億円): ハウスの加温や漁船使用に伴う燃油購入への支援に加え、県として過去最高の補助率(3/5)で園芸用ハウスの整備や省力化機械の導入を支援。さらに、過酷化する夏の高温から作物を守るため、遮光ネット等の導入を支援する「高温対策資機材導入支援(補助率2/3)」が新設されました。
畜産農家への支援: 価格高止まりが続く配合飼料に対し、国の補填制度が発動しない隙間を埋める「県独自支援(3.1億円)」を継続。また、酷暑や伝染病(防疫対策)に対応するための細霧装置や高圧温水洗浄機等の導入支援(2.7億円・補助率2/3)も新設されています。
林業事業者等への支援(2.2億円): 県として過去最高の補助率で、プロセッサ(丸太加工)などの高性能林業機械や木材加工機械の導入を支援し、生産拡大と生産性向上を加速させます。
物価高騰や生産者減少が進む中、地域の共同利用施設の老朽化は深刻な課題です。再整備が困難になる前に、県が独自に補助率を上乗せ(最大8.3%上乗せし、県負担を40%に拡大、地元負担を33.4%から5%に引き下げ)して施設再編を強力にバックアップする施策(34.8億円)が説明されました。
唐津・佐賀エリアの農業競争力を維持するためにも、こうした施設の集約化・AI選果機の導入といったスマート化・高機能化は必要不可欠です。
令和元年度から展開されている、園芸農業の産出額を888億円(平成29年:629億円 ⇒ 令和10年:888億円)に引き上げる「さが園芸888運動」。令和8年度はさらにブラッシュアップされ、27.6億円の予算が組まれています。
特筆すべきは、「農地集約タスクフォース」の設置と、農地の出し手に対する協力金(5万円/10アール)の交付です。これにより農地をスケールアップ(大区画化)し、新たな担い手を確保する好循環を生み出します。
また、農業を志す企業と担い手不在の農地をマッチングする「企業参入のサポート」として、初期費用を上限1,000万円まで支援する【農業版】企業参入奨励金の新設や、次世代新品種(いちご等)の開発加速など、攻めの農業への転換が示されました。
たまねぎ産地拡大プロジェクト: スマート農機の導入、広域選果貯蔵施設の整備、ほ場の大区画化。
さがいちご「さいこう」プロジェクト: 苗の冷蔵処理による気候変動適応、中古ハウスのマッチング・リノベーション支援による低コストな「稼ぐ」生産モデルの推進。
農林水産業だけでなく、地域経済全体を支える産業労働分野でも積極的な予算措置が講じられています。
企業誘致・中小企業振興(304.5億円): 誘致活動や投資促進。
ものづくり産業育成(18.4億円): 生産性向上や魅力発信。アイリスオーヤマ(株)の鳥栖工場輸出拠点化や伊万里市内での大規模投資などが進んでいます。
DX・GXや成長産業振興(10.1億円): 地域企業のデジタル変革、コスメ・半導体産業の振興。
産業人材の育成・確保(10.9億円): 技術・技能の習得、県内就職・UJIターン転職の促進、伝統産業支援。
研修会で頭をフル回転させた後は、場所を「しあわせの駅」に移し、意見交換会が開催されました。
行政の政策立案者、現場の営農・森林管理のトップ、そして我々議会側が完全にフラットな立場で、第1部で提示されたデータや施策をもとに、「では、この唐津においてどう具体化し、現場の課題を解決していくか」について、非常に活発で本音の飛び交う議論が展開されました。

お酒を酌み交わしながらの席ではありましたが、交わされた意見はどれも一歩も引かない真剣なものばかりでした。特に以下のようなテーマで熱い議論が交わされました。
県の予算案にあった「遮光ネット」や「畜産の暑熱対策(細霧装置)」について、JAや現場からは「ここ数年の暑さはこれまでの常識が通用しない。対策のスピード感をさらに上げてほしい」という切実な声が上がりました。これに対し、県の幹部からも「予算を現場にいかに早く、使いやすい形で届けるかが勝負」という力強い言葉をいただきました。
「さが園芸888運動」における10アール当たり5万円の協力金や、農業版の企業誘致(奨励金最大1,000万円)については、非常に夢のある施策として評価される一方、「唐津の中山間地域など、条件の不利な土地でどう集約を進めるか」「地元の若手農家が過度な負担を負わずに規模拡大できる仕組みづくりが必要」といった、より現場に即した課題提起がなされました。
まつら森林組合からは、高性能林業機械の導入による省力化と、持続可能な山林維持の大切さが語られ、JAの畜産部からは、佐賀牛のブランド維持と防疫対策の徹底について、行政と議会のさらなる理解と支援が求められました。また、産業労働部との議論の中では、これら一次産業の産品を、いかに「県産品流通・輸出拡大(1.8億円)」の枠組みに乗せ、国内外へ外貨を稼ぎに行くかという戦略的な話にも発展しました。
今回の「唐津の風研究会」を通じて痛感したのは、「県・市・JA・森林組合・議会がバラバラに動いていては、この激動の時代は生き残れない」ということです。
県が素晴らしい予算を組み、市が受け皿を作り、JAや森林組合が現場を動かし、我々市議会がそれをチェックしつつ後押しする。この縦と横のネットワークが有機的につながって初めて、134億円の交付金も、216億円の農林水産予算も、417億円の産業労働予算も、本当の意味で唐津の市民、農林漁業者、中小企業の皆様の「血肉」になります。
いろいろな立場からの、時には厳しい、しかし前向きな意見をたくさん聞くことができ、本当に有意義で胸が熱くなる一日にでした。
ここで得た知見とネットワークを活かし、私も唐津市議会議員として、現場の声をしっかり行政に届け、政策の具体化に向けて全力を尽くしてまいります!
当日ご出席いただいた皆様、遅くまで大変お疲れ様でした。そして、貴重な資料とご説明を準備していただいた佐賀県・唐津市の職員の皆様に、心より感謝申し上げます。
唐津の風を、もっと力強い前進の風へ。ともに頑張りましょう!
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>井手 きよかず (イデ キヨカズ)>【唐津の風研究会】農林水産業と地域の未来を紡ぐ有意義な夜