2026/8/3

先日、コンパルホールで開催された「22・54街区利活用市民シンポジウム『22・54からはじまり、ひろがるまちなかを考える』」に参加しました。
このシンポジウムは、JR大分駅東側にある大規模公有地「22・54街区」の利活用について、市民とともに未来のまちづくりを考えることを目的に開催されたものです。基調講演では、福岡市をはじめ全国各地で都市デザインや再開発に携わってきた九州大学大学院の黒瀬武史教授が、「都心部のまちづくりと公民連携」をテーマに講演され、その後足立市長、大分市魅力発信アンバサダーでもある演出家・映画監督の平川雄一朗氏、大分市商店街連合会会長・小林裕二氏、大分青年会議所副理事長・清藤卓治氏を交えたパネルディスカッションが行われました。
そもそも「22・54街区」とは?
22・54街区はJR大分駅の東側にある約1.8ヘクタールの市有地で、現在はバスやタクシーの乗り場、駐車場などとして暫定利用されています。この場所は駅前に残された数少ない大規模公有地であり、「大分のまちなかをこれからどう育てていくのか」を考えるうえで、極めて重要な場所と位置付けられています。
この土地については平成30年に「中心市街地公有地利活用基本構想」が策定され、その後コロナ禍や建設費高騰など社会情勢の変化を踏まえながら検討が続けられてきました。昨年度には全国の民間事業者を対象にアイデア募集が行われ、45団体が説明会に参加、19団体が応募し、最終的に12団体から提案が寄せられています。
提案を見ていて興味深かったのは、「商業施設を建てる」という発想だけではなく、 ・街全体へ人の流れを広げる仕組み ・22街区と54街区をデッキでつなぐ案 ・遊び・体験・居住を組み合わせた複合機能 ・公共施設の再配置 など、「まちなか全体」を意識した提案が数多く見られたことです。
▶ 民間アイデア募集の提案概要はこちら https://www.city.oita.oita.jp/o169/documents/teiangaiyousyo_kouhyo.pdf
さらに今年7月には、若い世代の意見を反映するため、大学生や子育て世代、U・Iターン者など23名が参加する若者ワークショップも開催されました。 「休日にゆっくり過ごせる場所がほしい」 「イベントが日常的に開かれる広場がほしい」 「歩いて楽しいまちなかにしてほしい」 など、建物そのものではなく、「どんな時間を過ごせる街にしたいか」という意見が多く、<1日過ごせるタワー “ALL DAY TOWER”>というキーワードが挙がっていたことが印象に残りました。
▶ 若者ワークショップニュースはこちら https://www.city.oita.oita.jp/o169/22gaiku54gaiku/documents/workshopnews.pdf
黒瀬教授の講演から学んだこと
今回の基調講演を担当された黒瀬教授は、福岡市のアクロス福岡(旧福岡県庁跡地)や大名ガーデンシティ(旧大名小学校跡地)など、全国各地の大規模な都市デザインや跡地活用に携わってこられた方です。
講演の中で印象的だったのは、大規模な跡地を活用するときに大切なのは「その敷地(施設)だけが成功するかどうか」ではなく、「周辺の街までどう人の流れを広げられるか」だという視点でした。実際の事例を踏まえたお話だったこともあり、22・54街区を考えるうえでもっとも重要な視点だと感じました。
こうした大規模公有地の跡地の話は、「どんな施設ができるのか」に関心が集まりやすいものです。しかし今回の提案内容や講演を聞いて、施設そのものはあくまで手段の一つに過ぎず、本当に大切なのは街全体をどうデザインするかなのだと改めて気付かされました。
「建物」より「ビジョン」が大切
黒瀬教授が最後に繰り返し話されていたのは、市が明確なビジョンを持つことの重要性でした。民間企業には収益事業として成功させていく視点があり、市民には日々の暮らしやすさという視点があります。
この二つは対立するものではなく、本来重なり合うはずのものです。その重なりをどうデザインするかに、行政の役割があるのだと思います。
今回の講演を聞いて改めて感じたのは、まちづくりとは「建物を建てること」ではなく、「人と人、人と街をつなぐこと」なのだということです。
22・54街区の開発は、数十年に一度あるかないかの大きなチャンスです。
大分市では、今年度中に22・54街区の利活用の方向性を取りまとめる予定です。どのような施設を整備するのかという議論ももちろん大切ですが、それ以上に、「この場所からどんなまちをつくりたいのか」「10年後、20年後の大分の中心市街地をどんな場所にしたいのか」という視点で議論を深めることが大切です。
22・54街区の整備は、一度決まれば数十年にわたって大分のまちの姿を形づくる大きなプロジェクトになります。だからこそ、行政だけでも、事業者だけでもなく、市民一人ひとりが関心を持ち、「自分ならどんなまちになったら歩いてみたいか」「子どもや若い世代にどんな大分を残したいか」を考えるきっかけになればと思います。
私自身も、一市議会議員として、そして大分市に暮らす一人の市民として、この議論の行方を追いかけつつ、市民の声をどう反映できるかを注視していきたいと思います。
#大分市 #大分市議会 #まちづくり #22・54街区 #公民連携
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