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講演会「ひきこもりが教えてくれていること~様々な形の人生~」を聴いて

2026/7/20

先日、不登校の子どもやひきこもりの青年の支援を30年以上続けておられる西村秀明さんの講演会に参加してきました。

西村さんが一貫して大切にされているのは、「当事者に学ぶ」という姿勢です。

一人として同じ人生はなく、同じ支援の形もありません。数多くの事例を通して、「答えは支援者が持っているのではなく、当事者の数だけある」ということを改めて考えさせられる講演でした。

 

傷つき体験と「二次被害」という構造

西村さんは、ひきこもりを「その場その場に適応しようとする行動」であり、そこには必ず意味があると捉えています。

これまで関わってきた多くの事例では、いじめや嫌がらせ、職場での疲弊など、心を傷つけられた体験が背景にあるケースが少なくないと話されていました。

さらに深刻なのは、傷ついているにもかかわらず、「お前がしっかりしないからだ」と責められるなど、いわゆる「二次被害」によってさらに傷が深くなってしまうことです。否定的な言葉を浴び続けることで、自分自身を否定的に捉えるようになってしまうケースも少なくないそうです。

 

「そっとしておく」の裏にあったもの

印象的だったのは、長くひきこもっていた青年が、友人から届いた一枚のハガキをきっかけに外へ踏み出し、その後就職、結婚を経て、結婚式で両親へ伝えた言葉です。

「ひきこもっている間、そっとしておいてくれてありがとう。」

西村さんは、この「そっとしておく」という言葉の裏には、母親が毎日「今日は何を作ったら喜んでくれるだろう」と考えながら食事を作り続けた、言葉によらない関わりがあったことを紹介されました。

何もしていないように見えても、本人を思い続け、寄り添い続ける。そのノンバーバル(非言語)の思いが、きちんと息子さんに伝わっていたのだといいます。

 

夢を熟成させる時間としての「タイミング」

学校でのいじめをきっかけに不登校となり、約3年間自室で過ごしていた青年が、ある日突然「東京に行きたいからお金を貸してほしい」と父親に話した事例も紹介されました。

父親は理由を細かく問いただすことなく、まず本人を信じて送り出したそうです。西村さんは、この「信じて任せる」という姿勢を高く評価されていました。青年はその後、東京でシナリオライターとして活躍するようになります。

西村さんは、ひきこもっていた時間は「何もしていなかった時間」ではなく、自分の夢や将来を静かに熟成させていた時間でもあったのではないか、と話されていました。

 

「甘えさせる」と「甘やかす」の違い

今回、私が最も印象に残ったのが、このテーマです。

ひきこもりの子どもに食事を運ぶことを「甘やかしだ」と批判する声がありますが、西村さんは、それは命をつなぐ大切な関わりであり、一概に甘やかしとは言えないと話されました。

紹介されたのは、幼い頃に十分に甘えることができなかった青年が、成人後に母親との関係を少しずつ取り戻していった事例です。青年は母親に幼い子どものような関わりを求め、母親は戸惑いながらも、西村さんの助言を受け、その思いを受け止め続けたそうです。

その積み重ねの中で、青年は少しずつ安心感を取り戻し、自分らしさを取り戻していったといいます。

西村さんは、これを「甘えさせる」ことだと説明されました。

本人が必要としている甘えを受け止めることが「甘えさせる」こと。一方で、本人が求めてもいないことまで親が先回りして世話を焼いてしまうことが「甘やかす」こと。その違いを、具体的な事例を通して分かりやすく教えていただきました。

 

「星の会」「アンダンテ星の会」という場所の魅力

今回の講演会を主催された「星の会」は、不登校・ひきこもりを考える親の会、そのなかでひきこもりを考える親の会が「アンダンテ星の会」です。この会の特徴は、聴くだけの参加もOKで、失敗談の宝庫。自身が納得できる、安心できる答えを見つけてほしいと「星の会」代表の加嶋文哉さん。その明るい語り口のおかげで、場の空気が重くなりすぎず、気軽に参加できるのもこの会の魅力でしす

30年以上にわたって活動を続け、公的機関とも連携しながら、「どこに相談すればよいか分からない」というご家族の相談先にもなっています。

悩みを抱えた本人やご家族にとって、「一人で抱え込まなくてもいい」と思える場所が地域にあることは、とても心強いことだと感じました。

今回の講演を通して改めて感じたのは、ひきこもりや不登校には一人ひとり異なる背景があり、「こうすれば解決する」という一つの正解はないということです。

だからこそ、当事者の声に耳を傾け、その人の歩みに寄り添いながら、一緒に答えを探していく姿勢が何より大切なのだと思います。

もし同じような悩みを抱えている方やご家族がおられたら、一人で抱え込まず、こうした安心して話せる場所につながるという選択肢があることも、ぜひ知っていただければと思います。

 

「星の会」のホームページはこちら。

※ホームページには保護者や参加者の声がたくさん紹介されています。もしお時間があれば、「子どもの手記」を読んでみてください。当事者の言葉だからこそ気づかされることがたくさんありました。

#不登校 #ひきこもり #星の会 #アンダンテ星の会

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著者

直野 さとこ

直野 さとこ

選挙 大分市議会議員選挙 (2025/02/16) [当選] 2,837 票
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肩書 大分市議会議員(会派:地域政党おおいた。)
党派・会派 地域政党おおいた。
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