2026/7/14

先日の一般質問では、「若年女性に選ばれる地域づくりと雇用環境」について取り上げました。今回はその内容を、活動報告としてまとめておきたいと思います。
大分市では20代前半の女性の転出が目立っています。足立市長も今年3月の議会で、大分県は固定的な性別役割分担意識が全国的にも高い水準にあることに強い危機感を示され、男女共同参画の実現と男性の意識改革の必要性に触れられました。また日銀大分支店のレポートでも、男女の人口バランスが崩れることで婚姻率そのものが下がっていくことが指摘されています。女性が出ていけば、結婚したい人同士のマッチングも難しくなり、未婚化・少子化につながる。これはもう、女性活躍という一分野の話ではなく、まちの持続可能性そのものに関わる問題だと考えています。
まちづくりの専門家・木下斉さんの分析を借りると、女性が地方を離れる根本原因は大きく3つ。
①賃金水準の低さとキャリア形成機会の不足
②出産・育児後のキャリアの断絶
③「結婚は?」「子どもは?」といった価値観による息苦しさ
です。
私が特に強調したかったのは、「魅力的な仕事がない」のではなく、「仕事の魅力が伝わっていない」ケースが多いのではないか、という点です。求人票の「事務職」「補助業務」という古い肩書の裏に、実は商品企画やブランディング、広報PR、海外営業といった、やりがいのある仕事が眠っていることは珍しくありません。実際、答弁のあとに紹介した東三河のある企業の事例では、「営業事務」の求人には応募がゼロだったのに、業務を見直して「ブランドマネージャー候補」として募集し直したところ、1日で8人の応募が集まったそうです。仕事の中身は変わらなくても、見せ方ひとつでこれだけ変わる。大分市内の企業にも、同じ可能性がまだまだ眠っていると思います。
もう一つの柱が、「地元を出ていった女性の声を政策に反映する仕組み」です。転出を選んだ当事者の視点こそ、流出を防ぐ一番の手がかりになる、というのは木下さんもニッセイ基礎研究所の天野馨南子さんも共通して指摘しているところです。長野県上伊那広域連合では2018年から、首都圏に出た若年女性への聞き取り調査を毎年続けており、その回答には自治体運営のヒントが数多く含まれているといいます。
市の答弁では、市内企業の賃金格差や女性管理職比率などの個別調査は行っていないものの、厚労省の「賃金構造基本統計調査」や「女性の活躍推進企業データベース」を通じた情報提供、大分県企業ガイドブックなどでの魅力発信に取り組んでいるとのことでした。業務内容の再編は「企業自らが取り組むべきもの」としつつも、好事例があれば市内企業との意見交換の場で共有していく、という前向きな姿勢も示されました。
女性の声を政策に反映する仕組みについては、大分市民意識調査や若者アンケートを通じて一定の声は拾っているとのことでしたが、「転出した女性」に的を絞った継続的な聞き取りの仕組みは、まだこれからという印象を受けました。
答弁を聞いて改めて感じたのは、行政としての「情報提供」はすでにかなり充実している一方で、その情報がどれだけ当事者に届き、行動につながっているかは別問題だ、ということです。求人の見せ方を変えるひと工夫、そして市外に出た女性たちに継続的に耳を傾ける仕組み。この2つは、大きな予算をかけなくても、やり方次第で今すぐ動かせる部分だと思っています。
中小企業の経営層の意識改革については、女性労働者の方々から「まだまだ進んでいない」という声もよく耳にします。出前講座のような地道な取り組みを、あきらめずに続けていただくことを期待したいですし、私自身も現場の声を拾いながら、次の提案につなげていきたいと思います。
そして、私が特にこだわりたいのが、進学や就職、転職で市外へ出た若年女性たちの声です。今、大分市を離れて暮らしている人たちの中にこそ、「なぜ出ていったのか」「何があれば残っていたのか」「何があれば戻りたいと思えるのか」という、まちにとって一番リアルなヒントが眠っていると思っています。市内に残った人へのアンケートだけでは、どうしても見えてこない視点です。だからこそ、転出者を対象にした継続的な意見聴取の仕組みを、単発の調査ではなく、毎年続けていく形でぜひ実現してほしいですし、私自身もその実現に向けて働きかけを続けていきたいと考えています。
「大分市で働きたい、キャリアを築きたい」と若い女性たちが思えるまちになるかどうかは、行政だけでなく、地域の企業や私たち一人ひとりの意識にもかかっている――そんなことを、今回の質問を通じて改めて感じました。
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>直野 さとこ (ナオノ サトコ)>【一般質問】若年女性に選ばれるまちへ ―― 「仕事の魅力」と「去った人の声」をどう活かすか