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「部活動の地域移行」ではなく「地域連携」へ。子どもたちのために何を残すべきか

2026/6/11

先日、大分大学教育学部でスポーツ社会学・社会教育学を専門とする谷口勇一先生の勉強会に参加し、「部活動の地域展開・地域連携」について学ぶ機会をいただきました。

これまで私は、「部活動の地域移行」という言葉から、教員の働き方改革を背景にした制度改革として捉えていました。教員の負担軽減、指導者不足、外部委託に伴う費用負担、保護者の送迎問題など、どうしても目に見える課題に意識が向きがちでした。

しかし谷口先生のお話を聞き、その見方が大きく変わりました。

先生は一貫して、「部活動は学校から離れるべきではない」と主張されていました。

国の方針としても当初は「地域移行」という言葉が前面に出ていましたが、現在は学校から切り離すのではなく、学校を土台に地域の力を取り込む「地域展開」へと重点が移りつつあることを知りました。しかし現場では依然として「学校から部活動を切り離すこと」と受け止められているケースが少なくありません。

部活動は単なるスポーツや文化活動ではなく、学校教育の一部です。

授業では見せない生徒の表情や成長に触れられる場であり、仲間との関わりや達成感を通して自己肯定感を育む機会でもあります。実際にイギリスの調査でも、日本の部活動を参考に学校スポーツ活動の活性化に取り組んだところ非行率が低下し、大分県の調査では部活動をしている生徒ほど生活満足度やQOL(生活の質)が高いという結果が示されているそうです。

 

印象的だったのは、部活動改革の課題は単に「教員の負担をどう減らすか」ではないということです。

教員の長時間労働は改善しなければなりません。しかし、その解決策を学校から部活動を切り離すことだけに求めるのではなく、教職そのものの魅力や誇りをどう高めていくかという視点も欠かせません。

部活動指導を希望する教員が土日の活動を含め、適切な手当や評価を受けながら関われる仕組みを整えること、そして地域の専門指導者やボランティアと協力しながら子どもたちを支える体制をつくること。そうした制度設計こそが求められているのではないでしょうか。

そのためには、行政が一方的に方向性を決めるのではなく、教員、保護者、地域のスポーツ関係者が「自分たちの地域の部活動をどうしていくのか」を真剣に話し合う場を持つことが重要だと感じました。

 

部活動を学校から切り離して地域へ丸投げするのではなく、地域からスポーツ人材を学校へ呼び込み、教員とともに子どもたちを支える。

実際に、平日は教員、休日は外部コーチという形で指導者が分かれ、生徒が戸惑うケースも報告されているそうです。だからこそ、学校と地域が対立するのではなく、協力して子どもたちを支える体制が重要なのだと思います。

 

教員は異動があります。一方で地域の指導者はその地域に根付き続けます。地域内で指導者を育成しながら、希望する教員は兼業・兼職制度を活用して休日の活動にも関わる。その経験や気づきを再び学校教育へ還元する。

そんな循環も可能ではないでしょうか。

 

また、地域連携には大きな魅力もあります。

学校だけでは確保が難しい専門的な知識や技術を持った指導者が子どもたちに関われることです。競技力向上だけでなく、多様な大人との出会いを通じて子どもたちの世界が広がる可能性があります。

 

部活動改革は、単なる働き方改革の話ではありません。

スポーツ庁は競技力向上やトップアスリート育成を重視する一方、文部科学省はスポーツに親しむ文化や生涯スポーツの裾野を広げることを重視しています。目的が異なるからこそ、自治体は国や県の動向を追うだけでなく、それぞれの地域事情に応じたモデルを考える必要があります。

 

大切なのは、保護者の都合、教員の都合、行政の都合ではなく、「子どもにとって何が最善か」という視点です。

部活動を学校からなくすか残すかという二者択一ではなく、地域全体で子どもたちの部活動をどう支えていくか。

 

今回の勉強会は、「地域移行」という言葉のイメージにとらわれていた自分の視野を大きく広げてくれるものでした。

子どもたちがスポーツに親しみ、仲間と成長し、自分らしく輝ける環境を守るために。

部活動改革を、地域全体で子どもを育てる仕組みを考える機会として捉えていきたいと思います。

 

#部活動の地域展開

#地域連携

#スポーツ社会学

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著者

直野 さとこ

直野 さとこ

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肩書 大分市議会議員(会派:地域政党おおいた。)
党派・会派 地域政党おおいた。
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