2026/2/26
宮城県議会議員の柚木貴光です。
宮城県議会2月定例会が開会中です。不登校についても議論しており、県民の方からも所見を求められるので、考えをここに記します。
■不登校35万人超、宮城県は全国最多水準
文部科学省の調査によると、全国の不登校児童生徒数は35万人を超え、過去最多を更新し続けています。宮城県は、人口比で見た不登校率が全国最多水準にあります。
専門家は「原因は多岐にわたる」と言います。
確かにその通りです。しかし、原因を個別に列挙するだけでは、構造は見えてきません。
私は、問いそのものを変える必要があると考えています。
「なぜ子どもは学校に行かないのか」 ではなく
「なぜ学校は子どもに選ばれにくくなっているのか」
この問いに変えた瞬間、議論が前に進みます。
■①学校の機能代替——独占の崩壊
かつて学校は、子どもが必要とする社会的機能をほぼ独占していました。
・勉強する場所:学校だけが知識を提供できた
・友達と出会う場所:同世代と交流できる唯一の空間だった
・進路につながる窓口:学校を通じてしか社会と繋がれなかった
しかし今、その独占が崩れました。
YouTubeやオンライン教材で質の高い学習が自宅でできる。SNSやゲームで時間・距離を超えて友人関係が築ける。通信制高校や様々な学習機会が広がり、進路の選択肢も多様化している。
これは子ども自身の問題ではありません。
学校を取り巻く環境が根本から変わった、構造変化の問題です。現場で懸命に取り組む先生方の努力や、支援者の方々の力が足りないということでは決してありません。
■ ②社会規範の変容——社会契約の失効
もう一つの構造変化が、社会規範の変容です。
終身雇用・年功序列の崩壊により、「我慢すれば報われる」という社会契約は失効しつつあります。大人社会において「合わない環境からは離れる」という選択が珍しくなくなった今、子どもだけに「我慢して通い続けろ」というメッセージは届きにくくなっています。
これは子どもたちの意志の弱さではなく、社会の変化に正直に反応している姿です。大人社会がその前提を手放した以上、子どもが学校へ通い続ける意味を見出しにくくなるのは、ある意味で自然な帰結と言えます。
■ ③政策提言——学校にしかできないことに投資する
では、どうすれば学校は子どもに選ばれる場所になるのか。
答えは「家では絶対に得られない体験」を提供することです。
知識の伝達は、家庭でもできます。しかし、以下のような体験のコーディネートは学校が得意とするところです。
・企業との共創:本物のビジネス課題に挑む体験
・地域と連携したリアルな社会参加:地域の課題解決に当事者として関わる体験
・自然体験・フィールドワーク:教室の外でしか得られない学び
これらを学校がコーディネートする機能を強化することが、教育イノベーション投資の核です。
今苦しんでいる子ども・保護者への支援は急務です。同時に、学校そのものが魅力ある場になるための中長期投資も不可欠です。この両輪を、宮城県議会で提起します。
■ 最後に——これは誰のせいでもない
この瞬間も、学校に行けず苦しんでいる子どもがいます。
原因を自分に求めて追い詰められている保護者がいます。
懸命に子どもたちと向き合っている先生方がいます。
これは誰のせいでもなく、構造の問題です。
構造を変えることが、政治の責任です。
■ 関連リンク 宮城県の不登校・児童生徒支援についての質疑: https://www.pref.miyagi.jp/site/gikyou-kkr/mkk-hutoukou.html
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