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古河市住民投票条例シンポジウム② 「つくる楽しさ」を取り戻す!誰がトップでも、暮らしは私たちのもの。

2026/6/5

皆さん、おはようございます。ブログの更新を楽しみにお待ちいただいていた皆様、少しお待たせしてしまい申し訳ありません! 今回は前回、ご紹介できなかったゲストスピーカーの山崎亮先生のお話から、「市民参加型のまちづくりが、どのようにして地域を変え、着地を見せたのか」という事をお伝えできたらと考えています。この講演で聴いたお話しが心温まり、優しさに満ちているのでどうしても皆さんにおすそ分けしたくて、この文章を書いています。「新しい施設を建てるべきか、否か」 「駅をどうしていくのが、みんなにとって一番いいんだろう」。 今の古河市には、みんなで一緒に真剣に考えていきたい、大切な問いがあります。しかし、山崎先生のお話は、白黒をつける多数決の前に、私たちがまずはすべき「何よりも大切なこと」を教えてくれました。

「 一票という冷たい数字に頼る前に、もっともっと、しつこいくらいに、みんなで楽しく、お互いの人生を聴き合うような時間をとれたらいいですね 」

多数決の数字だけでは、私たちが日々暮らす中での小さなお悩みや、これまでの人生で大切に培ってきた想いをすくい取ることはできません。 本当に大切なのは、政治的な決定で誰かが勝ち、誰かが負けることではなく、そこに至るおしゃべりの中で、「なるほど、あなたはそういう人生を生きてきたから、そう考えるんだね。教えてくれてありがとう」と、お互いを認め合える仲間を一人でも増やしていくことです。まちづくりとは、ただ立派なコンクリートの建物を建てることではありません。「何か困ったことがあったときに、すぐにお互いの顔が浮かんで、手を差し伸べ合える仲間」をまちの中に増やしていくこと。一人ひとりが寂しさの中で孤独にならずに済む、温かいお隣さん同士のような関係性を、もう一度ゆっくりと編み直していくことなのだと、私の胸に深く、強く腑に落ちたのです。

日本で最も薄い計画書と、住民たちの「二十四の物語」

山崎先生は、これまでに全国各地で出会ってきた、住民の皆さんの素晴らしい実践を教えてくれました。その中の一つ、島根県にある人口わずか二千三百人の小さな離島・海士町(あまちょう)のお話が、とにかく胸に突き刺さりました。 役所が作る「分厚くて退屈な計画書」は、どこの自治体もだいたい同じです。だから山崎先生たちは、あえて「厚さわずか三ミリメートル」の、日本一薄い総合計画書を作りました。その代わりに作ったのが、住民たちが「自分たちのやりたいこと」を持ち寄って作った、まるでお月様や太陽が描かれた「絵本のような別冊」です。 そこには、「自分一人の力で、今日からできること」から、「みんなで手を取り合って進めること」まで、誰もが自分のペースで参加できる役割が描かれていました。漁師たちが始めた炭焼き、一人暮らしのお年寄りを外へ誘い出すお誘い屋さん、地元の湧き水を自分たちで調べてサミットを成功させた環境チーム。彼らは誰かに頼まれたからではなく、「自分が楽しくて、誰かの笑顔が見たいから」と、自発的に活動していました「私たちのまちは、私たちの手で面白くできる」海士町の住民たちの姿は、私たち古河市民にそう強く語りかけているようでした。

「つくる楽しさ」という、生きる喜びをもう一度

大阪の「泉佐野丘陵緑地」という広大な公園づくりのお話も、非常に素晴らしいものでした。 完璧に整備された美しい公園をプロに作ってもらうのではなく、住民の皆さんが自ら森に入り、ノコギリを持ち、階段をつくり、ピザ窯を組んでいく。そんな「パークレンジャー」たちの物語です。最初は奥さんに勝手に応募され、「俺はこんなところに来たくなかったんだ」と眉間にしわを寄せて腕を組んでいた定年退職後のお父さんたちがいました。けれど、泥だらけになりながら、仲間と一緒に「秘密基地」を作る少年のように目を輝かせていくのです。

「作っている最中が、人間は一番面白い。それを全部他人に奪われて、ただのお客さんになってしまうのは、もったいないですよね」という山崎先生の言葉に、私はハッとしました。プロのデザイナーから「素人の意見なんて聞いて、本当にいいデザインになるの?」と聞かれるそうです。 でも、山崎先生は言います。「僕が見ているのは、見た目の美しさや、グッドデザイン賞のような“賞”で評価されることではないんです。一番重要なのは、そこに起きている『人の変化』、つまり皆さんが幸せになっていくことなんです」毎日テレビばかり見ていたお父さんたちが、いつの間にかこんがり日焼けして、筋肉質になって、森の中で大笑いしている。草花の名前を愛おしそうに呼び、鳥の声に耳を澄ませるようになっている。 便利で完成されたものをただ受け取るだけの「お客様」から、自分たちの手を動かし、助け合いながら何かを作り上げる「主役」になっていく。その泥臭くて温かいプロセスのなかにこそ、本当の生きがいと、お互いの人生を変える出会いが待っているのです。

住民投票の本当の価値とは? 

今、私たちの古河市でも、住民投票をやっていこうという動きが生まれています。 山崎先生は、この動きを単なる「白黒をつける仕組み」や「勝敗の結果」だけで終わらせないでね、と私たちにそっと語りかけてくれました。投票の結果が、自分の思い通りになるか、ならないか。本当に大切なのは、そこではありません。 大切なのは、その「みんなで話し合う過程」のなかで、自分の社会の見え方がちょっとずつ変わっていくこと。 今まで出会うはずのなかった人と出会い、お互いの価値観を「そうだね」とすり合わせていくこと。 「もし私に何かあったとき、そっと手を握って、助けてくれるような友達を、古河市の中にあと二人増やすこと」

この盛り上がりのなかで、お互いを支え合える温かい絆がどんどん増えていくこと。それこそが、何ものにも代えがたい「私たちの本物の財産」であり、私たちの人生を少しずつ豊かに、幸せにしていく一番の近道なのだと、山崎先生の温かく、泥臭い言葉が教えてくれました。「私たちのまちは、私たちの手で、もっと温かく、面白くできる」。 これまでの温かい物語を聴きながら、私はそう確信しました。しかし、ここで一つの疑問が頭をよぎります。 「そうは言っても、今の古河市の、冷たい政治の壁を、私たちはどうやって乗り越え、変えていけばいいのだろう?」 その具体的なヒントと、私たち市民が自立してまちを面白くしていく方法について、次回、ご一緒に考えてみたいと思います。

登壇している山崎亮先生

廃校寸前(20年間定員割れ)の危機から島留学で劇的なV字回復を遂げた隠岐島前高校。市民と教育委員会が何度も机を囲んで知恵を出し合い、全国から生徒が集まる奇跡の学校。

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著者

峰 やすゆき

峰 やすゆき

選挙 古河市議会議員補欠選挙 (2024/11/24) 5,783 票
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