2023/12/5
白岡市議会議員 細井藤夫です。
令和5年第5回定例会(12月定例会)での一般質問は、3問を取り上げます。
このブログは、その第1問、いわゆる「ゼロゼロ融資」について、社会問題として、経営者側と、労働者側、双方の対策について伺う質問の、当日準備した「読み原稿」(実際には、アドリブで差異が生じます)を転載するものです。
【以下、原稿です】
新型コロナウイルス感染症対策貸付の市内経済への影響は
日本政策金融公庫や商工組合中央金庫の「実質無利子・無担保での融資「新型コロナウイルス感染症特別貸付」(いわゆる「ゼロゼロ融資」)は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、一時的に売り上げが低迷しているものの、回復の見込みがあるとされた中小企業・個人経営者を対象に2020年より実施された貸付であります。
どちらの融資も、当時、財務諸表等の提出審査などを経て、一定の基準に従った行われたものと承知しています。
また、当時、並行して行われた日本政策金融公庫の「セーフティネット貸付」も、「ゼロゼロ融資」同様に一時的に業績不振であるものの、今後の成長が見込まれる企業等を対象に行われた有利子貸付であると承知しています。
これらの「新型コロナ貸付」は、会計検査院によれば貸付件数118万件総額約19兆円という非常に大規模なもので、これにより、一時的に企業倒産件数に減少がみられ、一定の融資効果があったと思います。
しかし、東京商工リサーチの調査では2022年度、3年ぶりに倒産発生率が悪化に転じる事態となっているとの分析がなされています。
また、2022年度末時点での貸付残高は14兆3085億円、約98万件の融資が貸付中となっており、返済が一向に進まない現状がみられているところです。
そのうち、回収不能もしくは回収不能として処理が行われているものは1943億円、回収が困難な「リスク管理債権」(不良債権)が8785億円、計1兆728億円、総額の約6%の返済が滞っている現状と分析されています。
通常、融資等を受けて返済が困難となる場合、借入者の金銭管理上の問題が指摘されることになります。
しかし、「新型コロナ貸付」に関しては、
〇 2020年春以降、現在まで断続的に9回ほど新型コロナウイルス感染症の拡大がみられるなど、依然として新型コロナウイルス感染症流行の影響から脱していないこと
〇 2022年2月以降のウクライナ情勢、2023年9月以降の中東情勢などによる、国際的な情勢不安から、小麦粉をはじめとする食糧、石油・天然ガスなどの資源エネルギーなど、あらゆるものが物価高騰し、原材料高騰で経営悪化を招いていること
〇 「新型コロナ貸付」の融資可否ベースとなる経営指標に用いられた、2020年春の段階での埼玉県の最低労働賃金が2019年10月改定の926円であったのに対し、2023年10月改定の最低労働賃金が1028円となり、従業員ひとりあたり、1時間102円、フルタイム労働者で月に1万6千円以上の増加となり、経営コストの増大を招いていること
など、単に借入者の責任だけを問えない、当時予測できなかった社会要因があると考えます。
また、日本国内の法人企業数が約180万といわれているなかでの、貸付件数118万件は、この貸付が一部経営者の個人的問題にとどまらず、社会的問題になることを表していると危機感を覚えるものです。
実際、これは他県のデータになりますが、本年8月の帝国データバンクの調査で、長野県内の企業の62.9%が「融資を受けた」と回答しており、現在借りている企業のうち、17.1%が「返済の不安がある」と回答しています。
さらに、ゼロゼロ融資特有の問題として、融資実施後の財務チェックの甘さが会計検査院の報告で指摘されており、政府系公庫が債務者に対して経営状態を把握し、適切なアドバイスや融資条件の変更提案を行い切れていない実情が明らかになっています。
これらの事実から、ゼロゼロ融資が単に貸した借りただけでない、社会問題として、保護を検討すべきものだと考えるところです。
政府は、2023年1月以降、「ゼロゼロ融資」の借入者に対し、低金利で借換ができる制度を案内しており、中小企業庁によれば、6月下旬までに1.3兆円の借換保証が行われたといいます。
本市においても、「セーフティネット保証4号(新型コロナウイルス感染症)」による借換を案内しているところであります。
しかし、もとが「ゼロゼロ融資」の場合、借換先の融資での利息分が新たな経営リスクとなることが懸念され、長期的な倒産リスクなど、市内経済への影響が懸念されるものです。
そこで、経営者の保護対策、特に借換に関して伺います。
(1) 「ゼロゼロ融資」の返済が困難となった経営者に対し、「セーフティネット保証4号」等への借換を紹介し、借換が実現できるようサポートすることが、倒産・廃業件数を減少させると考えますが、対応をどうするか、伺います。
市内でも、多くの経営者が労働者を雇用しています。
また、白岡市民には、他自治体にある企業・事業所へ勤務する方も多くおられます。
労働者は、勤め先が倒産・廃業すれば、その段階で失業し、収入を絶たれることになります。
長期的な不況のなか、特に、中高年、シニアの求人は少なく、この世代への失業対策が重要であるとの指摘もあるところです。
「新型コロナ貸付」をはじめ、さまざまな理由で廃業する企業は、今後も増加するとの推測があり、労働者の雇用・生活をいかに守るかが、社会的な問題となると考えます。
(2) 勤め先が倒産・廃業をした際に、労働者の再就職までの生活保障が問題になります。
昨今の不況下、再就職先がなかなか見つからない市民に対し、求職支援等の対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。
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