2026/6/26
黒字 中島 赤字 答弁
①市の財政について
日銀は16日、政策金利を1.0%程度に引き上げました。31年ぶりの高い水準ですが、今後も利上げを継続していく方針であるというように報道があります通り、近年、我が国を取り巻く経済環境は大きく変化しており、とりわけ物価高騰、中でも建設資材価格の著しい上昇は、地方自治体の財政運営において無視できない深刻な課題となっています。本市が将来にわたって持続可能な行政サービスを提供し、市民の安全・安心を守り続けるためには、強固で健全な財政基盤の確立が不可欠であり、中でも特定の財政需要や将来の不測の事態に備えるための「基金」は、まさに市財政の砦とも言える極めて重要な役割を担っていると考えます。
しかし、昨今の急激なインフレは、蓄えられた基金の実質的な価値を目減りさせ、将来の事業計画に大きな影響を及ぼす懸念をはらんでいます。また、災害や急激な景気変動に対応する「財政調整基金」をはじめ、各基金が現在どのような状況にあり、地方自治法に基づき、いかに確実かつ効率的に運用されているのか、さらには基金条例に基づく繰替運用の実績も含めた管理実態を把握することは非常に重要だと考えます。
そこで今回の一般質問では、本市における各基金の現在高や目的、運用の成果について確認にするとともに、物価上昇による庁舎建設基金などの将来的な目減りリスクへの認識を伺います。
また、本市の財政の砦である財政調整基金の残高が、今後の不透明な社会情勢において本当に適正な水準であるのか、市の見解と今後の財政運営に対する基本的な考え方を伺います。
(1)令和8年3月31日時点での、市の基金別の現金等現在高について伺います。
①財政調整基金の現金等現在高について伺います。
令和8年3月31日時点での財政調整基金の現金等現在高につきましては、一般会計等への繰替運用額が32億3,000万円、繰替運用額を除く現在高は1,853万2,000円でございます。
②庁舎建設基金の現金等現在高について伺います。
令和8年3月31日時点での庁舎建設基金の現金等現在高につきましては、4億1,697万円でございます。
③公共施設整備基金の現金等現在高について伺います。
8年3月31日時点での公共施設整備基金の現金等現在高につきましては、一般会計等への繰替運用額が20億3,000万円、繰替運用額を除く現在高は4,025万3,000円でございます。
④緑化推進基金の現金等現在高について伺います。
令和8年3月31日時点での緑化推進基金の現金等現在高につきましては、9億8,770万5,000円でございます。
⑤長寿社会福祉基金の現金等現在高について伺います。
令和8年3月31日時点での長寿社会福祉基金の現金等現在高につきましては、1億1,499万6,000円でございます。
(2)にうつります各基金の目的について伺います。
①財政調整基金の目的について伺います。
財政調整基金につきましては、年度間の財源の調整を図り、市の財政の効率的執行と健全な運営に資することを目的としております。
再質問いたします。
財政調整基金は、非常に広範に活用することができる基金であると存じますが、どのようなもの、どのようなことに活用されてきたのか伺います。
財政調整基金につきましては、いただいた寄附金を一時的に積み立てており、その分は後年度において寄附の目的に沿った事業の財源として活用しております。
また、基金の運用から生じる利子分の積立や、これまでの剰余金などを積み立てた分につきましては、財政調整基金は特定目的基金ではございませんので、特定の事業の財源として活用することはございませんが、全体の財源に不足が見込まれる際には、適切な金額を取り崩すことで、年度間の財源調整を図っております。
特定の事業の財源として活用するものではなく、財源不足が見込まれる際には取崩し、年度間の財源調整に使っているということで分かりました。
次の質問に移ります。
②庁舎建設基金の目的について伺います。
庁舎建設基金につきましては、市庁舎の建設資金に充てることを目的としております。
再質問いたします。
庁舎建設基金の毎年度の積立額とその積立額にした経緯について確認させてください。
庁舎建設基金への毎年度の積立額につきましては、基金の運用から生じる利子分のほか、毎年度8千万円を積み立てているところでございます。
将来的な庁舎の建替えを見据えて、建設にかかる費用を80億円、その財源として4分の3の60億円を地方債、残りの4分の1の20億円を一般財源と仮定し、一般財源の20億円を確保するために、令和3年度より、毎年度8千万円を25年にわたり積み立てることとしたものでございます。
再々質問いたします。
庁舎建設基金への毎年度の積立額について当初、将来的な庁舎の建替えを見据えて、建設にかかる費用を80億円で見積もっていたとのことですが、物価上昇が著しく、それが長期にわたることが想定される社会情勢の中で、現在見積もりをし直せば、建設費は80億円よりも高くなると思います。
そうなるとそもそもの計算の式が変わり、毎年の積立額も増額しなければならないと思います。
せめて、毎年度物価上昇分を庁舎建設基金への積立額に上乗せしていく必要があると思いますが、市の見解を伺います。
庁舎の建替えにつきましては、将来的に長期総合計画に位置付けたうえで検討する政策でありますので、その時点で改めて財源を含めた建設費等の詳細を精査し、一般財源として準備する目安についても算出するものと考えております。
現時点におきましては、現状の積立額を維持し、基金残高の確保に努めることが肝要であると認識しております。
次の質問に移ります。
③公共施設整備基金の目的について伺います。
公共施設整備基金につきましては、市の公共施設の整備資金に充てることを目的としております。
再質問いたします。
公共施設整備基金は、主にどのようなことに活用されてきたのか伺います。
公共施設整備基金につきましては、毎年度公共施設の駐車場使用料の収益分を積み立てており、その分は駐車場の整備などに係る経費の財源として活用しております。
また、基金の運用から生じる利子分の積立や、これまでの剰余金などを積み立てた分につきましては、学校施設の増築や改修、多摩ニュータウンの学校買取費など、様々な公共施設の整備のための財源として活用しております。
次の質問に移ります。
④緑化推進基金の目的について伺います。
緑化推進基金につきましては、緑化の推進を図る事業の財源とすることを目的としております。
再質問いたします。
緑化推進基金は、主にどのようなことに活用されてきたのか伺います。
緑化推進金につきましては、緑化の推進のために、緑地の法面改修や樹林地の購入などの経費の財源として活用を図っております。
次の質問に移ります。
⑤長寿社会福祉基金の目的について伺う。
長寿社会福祉基金につきましては、長寿社会に備えて在宅福祉の向上、健康づくり、ボランティア活動の活発化等を図ることを目的としております。
再質問いたします。
長寿社会福祉基金は、主にどのようなことに活用されてきたのか伺います。
長寿社会福祉基金につきましては、現在は基金の運用から生じる利子分の積立を行っているのみであり、事業への活用を目的とした取崩しは行っておりません。
(3)に移ります。
各基金条例の第5条において、「市長は、財政上必要があると認めるときは、確実な繰り戻しの方法、期間及び利率を定めて、基金に属する現金を歳計現金に繰り替えて運用することができる。」とありますが、財政上必要があると認めるときとはどのようなときであるのか伺います。
財政上必要があると認めるときにつきましては、年度内の一時的な資金不足を補うために、外部からの借入れに頼らず、内部資金である基金を活用して円滑な資金繰りを図る必要が生じるときでございます。
年度内の一時的な資金不足を補うために、外部からの借入れに頼らず、とのことでありますが、もし借入れに頼らなければならなくなった場合の利子率について確認させてください。また、各基金条例第5条に記載されている、確実な繰戻しの方法とは何か、期間及び利率の決め方などについて実際の運用を踏まえて具体的に教えてください。
外部からの借入れに頼らなければならなくなった場合の利子率につきましては、借入れを行う際に、金融機関と借入れ時点での利子率を確認し、借り入れることになりますので、現時点では利子率は確定しておりません。
また、確実な繰戻しの方法とは、期間満了日に現金で一括して
繰り戻すものでございます。
なお、期間及び利率の決め方でございますが、期間については、資金が不足するときを始期として、他の財源の収入により繰戻しが可能と見込まれる日を終期としており、利率については、運用決定日の普通預金利率を基準としております。
具体的な金額や期間などが分からないので、利子率を確定することができないということで分かりました。いずれにしても外部からの調達は利子がかかりますので、そのようなことがないような運営をお願いしたいと思います。
また、確実な繰戻しの方法や期間について、利率についても運用決定日の普通預金金利率であるということが分かりました。
同条例第5条で定めた繰替運用についての考え方も確認することができましたので次の質問に移ります。
(4)各基金の令和8年2月28日時点の現金等保管状況を伺います。
各基金の令和8年2月28日時点の現金等保管状況につきましては、
財政調整基金 90万9,000円、
公共施設整備基金 741万2,000円、
緑化推進基金 563万8,000円、
長寿社会福祉基金 67万4,000円を普通預金で保管しております。
庁舎建設基金につきましては、23万3,000円を普通預金で保管し、1億円を国債で運用しております。
令和8年3月31日時点での財政調整基金の現金等現在高については、一般会計等への繰替運用額が32億3,000万円、繰替運用額を除く現在高は1,853万2,000円でしたが、2月28日時点では90万9,000円。
令和8年3月31日時点での庁舎建設基金の現金等現在高については、4億1,697万円でしたが、2月28日時点では23万3,000円を普通預金で保管し、1億円を国債で運用している。
令和8年3月31日時点での公共施設整備基金の現金等現在高については、一般会計等への繰替運用額が20億3,000万円、繰替運用額を除く現在高は4,025万3,000円でしたが、2月28日時点では741万2,000円。
令和8年3月31日時点での緑化推進基金の現金等現在高については、9億8,770万5,000円でしたが、2月28日時点では563万8,000円。
令和8年3月31日時点での長寿社会福祉基金の現金等現在高については、1億1,499万6,000円でしたが、2月28日時点では67万4,000円。
ということが分かりました。
見かけ上は、各基金にそれなりの金額が積立てられていますが、必要なときは、これらの基金のほとんどを繰替運用しているということが分かりました。
ここでは、保管方法について再質問いたします。
現金等の保管方法として普通預金、通知預金、定期預金、国債等、手許現金があると思いますが、それぞれどのような考えに基づいて選択されるのか伺います。
現金等の保管方法の選択につきましては、一般会計や特別会計の歳計現金については、毎日の収支を管理しているため、手許現金以外は普通預金で保管しております。
基金につきましては、普通預金は、歳計現金に不足が生じた際に基金を繰替運用して活用することが見込まれる場合に必要な額を保管しております。
通知預金は、定期預金より自由に引き出しが可能で、普通預金より利率が高いとされていたため、基金を短期間運用する場合に選択するものと考えていましたが、現在は普通預金の利率と差異がないことから、本市においては定期預金を選択し運用しております。
定期預金は、数か月から1年程度の期間において、繰替運用などに活用する予定のない基金を、短期間運用する場合に選択しております。
国債等は、5年、10年以上の長期間において、繰替運用などに活用する予定のない基金があった場合に、債券運用を検討し選択しております。
最後に、手許現金につきましては、歳計現金において、一定の金額を、窓口収納業務や市民用コピー機などのつり銭用に、現金で保管しているものでございます。
次の質問に移ります。
(5)地方自治法第241条2項に基づいて、確実かつ効率的に運用がされていると思いますが、運用についての市の考えを伺います。
運用についての市の考えにつきましては、安全性、流動性、効率性を確保することを原則とし、稲城市公金管理委員会において、「稲城市資金管理マニュアル」を策定し、その範囲内で運用することとしております。
再質問いたします。
稲城市公金管理委員会はどのような方々で構成され、どのようなことが話し合われ、どのようなことが決められる会であるのか伺います。また、稲城市資金管理マニュアルでは、こうした資金管理の目的や基本方針などは定められているのか、定められている場合には教えていただきたいと思います。さらに、稲城市資金管理マニュアルでは、安全性、流動性、効率性について、それぞれどのように考えていて、それぞれはどのようなバランスの基で、運用について考えられているのか伺います。そして最後に、国債以外の投資について可能であるのか伺います。
稲城市公金管理委員会につきましては、会計管理者、企画部長、財政課長、財政課財政係長をもって組織されており、安全な金融機関及び金融商品の選択、稲城市資金管理マニュアルの見直し、金融機関の経営状況の調査分析、資金管理計画及び資金管理実績の検証などを行っております。
稲城市資金管理マニュアルの目的や基本方針につきましては、目的を「稲城市会計管理者が管理する資金は、安全性及び流動性を確保した上で効率的な資金管理を行うこと」とし、資金管理の原則を「資金管理にあたっては、優先度の高い順に安全性、流動性、効率性を確保することを原則とする」としております。
また、稲城市資金管理マニュアルにおける安全性、流動性、効率性についての考えにつきましては、安全性では、元本の確保を最優先し、安全な金融商品により保管、運用し、金融機関の経営の健全性に十分留意する。流動性では、支払い等に支障をきたさないよう必要となる資金を確保するとともに、想定外の資金ニーズに備え資金の流動性を常に確保する。効率性では、安全性及び流動性を確保した上で運用収益を図り、効率的な資金調達に努める。としており、それぞれのバランスにつきましては、資金管理の原則に基づき、優先度の高い順に安全性、流動性、効率性を確保することを原則としております。
最後に、国債以外の投資、運用について可能であるかという点につきましては、地方債、政府保証債、発行体が債務履行の確実性が非常に高いと判断される長期格付を取得している民間債も対象としております。
再々質問いたします。
稲城市公金管理委員会は、どれぐらいの頻度で開催され、資金管理などについて話し合われているのか伺います。
また、稲城市資金管理マニュアルの改訂などはこれまで行われたことがあるのか、行われた場合はどのような改定が行われたのか伺います。
加えて、稲城市資金管理マニュアルにおける安全性の考え方について、インフレが続くことが予測される現在において、絶対額を減らさないという安全性の考えは、実質的価値の低下を招いてしまうのではないかと思います。一切の傷を負わないことではなく、経済や社会の波に合わせて資産の形を変え、長期にわたって実質的価値を守ることがインフレ時代の安全性の肝になるのではないかと考えます。安全性の考え方について、実質的価値を守るという観点は含まれているのか市の見解を伺います。
稲城市公金管理委員会の開催頻度につきましては、毎年1回、前年度の決算額が確定した後に開催しております。
稲城市資金管理マニュアルの改訂につきましては、収入役を会計管理者に改める文言修正の改正を行っております。その他に関しましては、これまで、管理、運用に特段の支障が生じていないことから、大きな改正はございません。
稲城市資金管理マニュアルにおける安全性の考え方に、実質的価値を守るという観点が含まれているかということにつきましては、安全性には含まれていないものと考えますが、安全性と流動性を確保した上で運用収益を図り、効果的な資金調達に努めるという効率性の部分に含まれるものと考えております。
次の質問に移ります。
(6)令和8年度予算における各基金の運用成果の見込み額について伺います。
令和8年度予算における各基金の運用成果の見込み額につきましては、
予算積算において、普通預金は利率0.3%、定期預金は利率0.684%で預入期間を最大6か月、国債は現在保有している国債の1年間の利子の金額で計算しており、内訳につきましては、
財政調整基金は、普通預金利子 498万7,827円、
庁舎建設基金は、普通預金利子 47万2,769円、
定期預金利子 108万2,955円、国債利子 120万円、
公共施設整備基金は、普通預金利子 216万3,075円、
定期預金利子 495万8,030円、
緑化推進基金は、普通預金利子 147万5,880円、
定期預金利子 338万2,615円、
長寿社会福祉基金は、普通預金利子 17万1,710円、
定期預金利子 39万2,771円 でございます。
庁舎建設基金について、先ほど1億円を運用しているとのことでありました。国債利子120万円について、何年債を購入されているのか伺います。
併せて、その期間を選択した理由について伺います。
加えて、長寿社会福祉基金の 令和8年3月31日時点現金等現在高は1億1,499万6,000円あるにもかかわらず、国債等ではなく利率のより低い普通預金、定期預金で運用しているのかについて伺います。
庁舎建設基金の国債は、期間20年の既発債を、残存期間10年で購入しております。
期間10年を選択した理由につきましては、短期よりも長期の国債の方が利率が良い状況ではありますが、一方で、満期までの間に急に現金が必要になった場合や金利の状況が大きく変化した場合なども考慮し、10年の国債運用としたものでございます。
長寿社会福祉基金を国債等ではなく普通預金、定期預金で運用している理由につきましては、先にお答えしましたとおり、歳計現金に不足が生じた際に繰替運用に活用することが見込まれるため、普通預金、または定期預金での運用としているものでございます。
庁舎建設基金については、一部を国債で運用することで、普通預金や定期預金よりも高い利率を確保し、期間についてもリスクがしっかりと考慮されていることが確認できました。
一方で、長寿社会福祉基金については、在宅福祉の向上や健康づくり、ボランティア活動の活発化といった本来の目的ではなく、繰替運用への活用に主眼が置かれているため、普通預金や定期預金での運用にとどまっているのが現状だということが分かりました。
この長寿社会福祉基金を巡っては、令和2年の総務委員会において、当時の清水財政課長が、「平成3年の設置当時は高金利を背景に利息収入での事業実施を前提としていたが、長引く低金利で十分な活用ができていない。今後は高齢化の進展に伴う経費に元本を充当して活用していくことを検討している」旨の答弁をされています。
しかし、この答弁から5年以上が経過した現在も、元本を充当した事業は行われていません。私の質問に対する答弁でも、現在は運用から生じる利子の積立を行っているのみで、事業への活用を目的とした取り崩しは行っていないとのことでした。
つまり、創設当初に比べて金利が低下し、利息収入で事業を賄う「果実運用型」として機能しなくなり、活用方法を模索しているうちに最近の金利上昇局面を迎えた。けれど、現在は基金を運用する財政的余裕がなくなり、結果として繰替運用の資金源にするほかなくなっている、というのが実態だと思います。
このように、本来の目的で活用されておらず、実質的な役割が「財政調整基金」と同じになっている現状を踏まえれば、一度この長寿社会福祉基金は廃止して財政調整基金に統合した方が、財産管理が効率化されるだけでなく、より柔軟な予算執行が可能になると考えます。
このような本来の目的を果たせていない基金の整理・統合が必要であると意見を申し添え、次の質問に移ります。
(7)物価上昇が続く昨今、とりわけ建設資材価格の上昇が著しい中で、建設に充てるための庁舎建設基金の将来的な目減り額は非常に大きなものになると考えているが、市の考えを伺う。
庁舎建設基金の目減りの考え方につきましては、インフレ時代が続く局面では、基金額の実質的な価値が下がるものでございます。
基金総額に余剰があるのであれば、庁舎建設基金をインフレ率を上回る運用を目指すことも検討できますが、現状、基金を日々の支払いのための繰替運用の財源として活用しており、長期的な運用に回すことができない状況でございます。
日銀や政府は2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現を掲げていますが、建設資材の価格上昇率に目を向けると、2016年から2026年までの10年間で、2015年基準から年平均約4%も上昇しています。
こうした傾向が今後も続くと想定した場合、20年後の20億円は実質的に約12.5億円の価値しかなくなり、約7.5億円分目減りとなってしまいます。今後も同様のペースで積立を続けるだけでは、基金の実質的な価値はどんどん目減りしていく一方です。
7.5億円もの目減りをただ指をくわえて見ているわけにはいきません。庁舎建設基金は、20年間は基本的には動かさない性質のものであり、少しでも目減り額を抑えるためには、利率の高い運用が必要不可欠と考えます。
再質問いたします。市ではインフレ局面においては基金の実質的な価値が目減りしていくという認識を持ちながらも、基金総額に余剰がないために、庁舎建設基金をより高い利率で運用するという選択ができないことについて、市はどのように考えているのか見解を伺います。
基金の実質的な価値を維持するために、より高い利率で運用することは重要ではありますが、基金からの繰替運用により日々の円滑な支払いのために現金を確保することは、安定的な財政運営を図るうえで必要不可欠なものであることから、本市の財政状況を総合的に勘案したうえでは、適切な判断であると認識しております。
次の質問に移ります。
(8)市の財政調整基金残高は適正であるのか、市の考えを伺います。
財政調整基金につきましては、年度間の財源調整及び不測の事態への対応を図るための財源であり、現状、様々な行政需要がある中で、十分な基金残高ではないと認識しております。
基金の状況が厳しい中で、現金のやりくりで市として工夫している点などがあれば教えてください。
また、長期保有を考えている基金の運用や不測の事態が起こったときに機動的に行政運営を継続させるためには、現在よりも財政調整基金の積み増しが必要であると考えますが、市の見解を伺います。
現金のやりくりにあたりましては、補助金の概算交付や市債の借入時期の前倒しなど、必要に応じて対応しているところでございます。
また、財政調整基金は不測の事態への対応として機能すべきものであり、震災や風水害などの災害への備え、更には昨今の不安定な社会経済情勢を踏まえますと、財政調整基金の積み増しができることは理想的であると認識しております。
補助金の概算交付など対応していらっしゃるということが分かりました。
概算交付ですと、最後に精算が必要となり事務的に大変であると思いますが、そうした職員の皆様の努力によって資金繰りがうまくいっている部分もあると思いますので、この場を借りて職員の皆様のご尽力に感謝申し上げます。引き続き大変であると思いますが、継続して頂きたいと思います。
本日の質疑を通じて、稲城市の基金運用と財政状況の厳しい状況が良く分かりました。
例えば、各基金の本来の目的と運用実態の乖離です。
多くの特定目的の基金が、本来の事業財源として活用されるのではなく、日々の円滑な支払いのための「繰替運用」、庁内における資金繰りのために回されている現状であるということが分かりました。
本来、こうした年度間の財源調整や一時的な資金不足、不測の事態への対応は「財政調整基金」が担うべき役割のはずです。それにもかかわらず、特定目的を持つ他の各基金が、実質的に財政調整基金の代替として機能してしまっているような現在の状況は、望ましい状況ではないのではないかと思います。
他にも、インフレリスクへの対応と財政調整基金の重要性についてです。
建設資材価格の高騰など、物価上昇が続く昨今において、庁舎建設基金などの実質的な価値が目減りしていくことは明白です。市側もそのリスクを認識しながら、日々の支払いのための現金を確保しなければならないがゆえに、目減りを防ぐための有利な長期運用に踏み切れないという苦しい状況にあります。
もし、本市に「安定した十分な財政調整基金」があれば、災害への備えや不測の事態への対応力向上につながるのはもとより、日々の資金繰りに余裕が生まれ、庁舎建設基金を長期的な視野で有利に、かつ、より多くの金額を運用することが可能となり、市民の貴重な財産の目減りを防ぐことができます。そうした意味でも、本市の財政の砦である財政調整基金の積み増しは、不測の事態への備えという本来の目的に加え、他の基金を守り育てるためにも、必要であると思います。
そのためには、財源を生み出すための事業見直しの決断が重要になってくると思います。財政調整基金の積み増しに向けた原資を好景気や人口増加による税収増だけでは、刻一刻と進む目減りに対処できないと思います。だからこそ、市におかれましては、現在行っているすべての事業について、今一度しっかりと見直していくべきだと思います。
時代の変化とともに一定の役割を終えた事業については、勇気を持って廃止する、あるいは別の事業と統合し効率化を図るなど、徹底して支出を見直す「スクラップ・アンド・ビルド」の姿勢が不可欠です。
市民からお預かりした大切な税金と将来への蓄えを、インフレという波から守り抜き、将来の世代へ持続可能な行政サービスを引き継いでいくために。既存事業の抜本的な見直しと、財政調整基金の確実な積み増しに向けた力強い決断と実行を期待して、私の一般質問を終わります。
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ホーム>政党・政治家>中島 健介 (ナカジマ ケンスケ)>令和8年第2回定例会 一般質問 議事録(要旨)