2026/8/17
山形県米沢市におけるものづくり工業振興施策について視察した。町工場を中心とする大田区と同様に 、歴史あるものづくりの街として発展してきた米沢市の先進的な工業振興施策を調査し 、両自治体間の連携可能性を探るとともに 、大田区の産業振興に資することを目的としている。
米沢市は、上杉鷹山公の殖産興業や山形大学工学部(旧高等工業学校)を源流とし、繊維から電子・機械産業へと発展してきた 。現在、製造品出荷額は県内トップを誇る一方 、事業所・従業員数の減少や1人当たり粗付加価値額の向上が課題となっている 。
八幡原中核工業団地等の完売に伴い 、米沢北IC付近に研究開発型など高付加価値業種を誘致する約19haの新産業団地造成を計画している。この地域は、豪雪地帯であるが、電力は4系統が整備されており、降雪による停電のリスクはない。交通インフラに関しても従業員の出社が一時的に遅延するなどはあるが、大きな問題とはなっていないことを確認した。
2024年4月に山形大学・産総研と連携した融合材料サステナブルプロセス「ブリッジイノベーションラボラトリー」を設立し 、市内企業の共同研究を支援している。また、商工課への産学連携支援員の配置や「米沢地域産業振興センター(仮称)」新設など 、伴走型の支援体制が整えられている 。
米沢市が推進する「第4期工業振興計画」における地域の稼ぐ力向上や 、大学・研究機関を核としたイノベーション創出の取り組みは 、旧羽田旭小跡地等で大田区が進めるものづくりエコシステムの構築において極めて示唆に富む 。
一方で、誘致企業と地元企業の受発注連携や学生の定着には共通の課題も見られる 。今後は、大田区の高度な試作・加工技術と米沢市の研究開発機能や産業基盤を有機的に結びつける広域連携を推進し 、相互の産業力強化に繋げていくことが肝要である 。
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