2026/7/7
お元気ですか?荒川区議の大月です。

■歴史は「血と汗」で語られる
日本経済新聞大気小機では「歴史を忘れた消費減税の危うさ」を改めて消費税の歴史を通観していました。1979年、大平正芳首相の一般消費税構想。自民党は衆議院選挙で大敗し、翌年、政権の渦中、大平氏は急逝されます。1987年、中曽根康弘首相は「大型間接税はとらない」と公約しながら売上税を提案、公約違反として退陣に追い込まれました。竹下登政権下、与野党の妥協の末に消費税法が成立すると、直後の参院選で自民党は大敗。細川護熙政権では国民福祉税構想が頓挫し、退陣遠因となります。2012年、民主党の消費税率引き上げ関連法案成立後の衆院選では、民主党が壊滅的敗北を喫しました。
消費税の歴史は、選挙での落選や党勢衰退という「血」と、丁寧な根回しや国民への説明という「汗」の、まさに結晶です。この歴史を顧みずに「二年間だけ減税、その後は元に戻す」と決めるのは、あまりに軽率ではないでしょうか。
■2年で本当に戻るのか
私が何より懸念するのは、2年後に本当に税率を元に戻せるのかという点です。私のPOS担当時代の経験では、税率の変更には一年がかりのシステム改修と、現場教育の徹底が必要でした。税率を「戻す」際にも同じ負荷がかかります。一度下げた税率を再び上げる政治的な決断は、選挙への影響を考えると、容易ではありません。
また、高市政権が掲げる食料品税率ゼロ%の議論についても、システム担当者の視点から見過ごすことができません。消費税のシステムは税率区分を基に計算処理を行うため、税率区分の変更やゼロ税率導入には、大規模なプログラム改修が発生します。つまり、税率がゼロでなければ、算数上割る(÷)ことはできます。しかし、ゼロで割ると無限大になります。少なくとも、税率変更のテストをするだけでなく、税率の割り算がないか、全PGを洗い直す必要があります。だから1年かかるのです。
報道によれば、高市首相はかつて「なぜ一年もかかるのか理解できない。できない理由ではなく、できる方法について知恵を絞ってもらう」と述べたとも伝えられています。ただ、事業者などへのヒアリングでは物価引き下げ効果への疑問や、システム改編のコスト・手間といった問題が浮かび上がっています。国民の理解と現場の納得なくして、制度変更は成功しません。
■歴史に学び、現場にも耳を傾ける
消費税は、良い悪い別にして、永年にわたる政治家たちの血と汗の上に成り立った税制です。財政ポピュリズムに流されることなく、先人が積み上げてきた合意形成のプロセスを丁寧に踏むこと。そして何より、制度を日々動かす現場の人々の声に耳を傾けること。
1989年の春、レジの前で汗水流したあの日の私が、今の私に問いかけています。「あのときの重みを、忘れないで」と。
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ホーム>政党・政治家>大月 たけひろ (オオツキ タケヒロ)>【新聞CK:日経】歴史を忘れた消費減税の危うさ