2026/7/11
2027年3月31日までに400冊読む修行🏋️♀️
現在 340/400冊
題名 『シギント 最強のインテリジェンス』
所感「本書によれば、NSAは注文されたルーターなどを配送の途中でいったん確保して、マルウェアを仕込んでから発注者に届けるという配送経路への介入の手法を使っています。実際にシリアの通信会社の中枢ルーターにこの方法で侵入し、その国の電話通信まで盗み放題にしたそうです。だから機器の調達先選びは安全保障そのものだと感じました。」
📘本の概要📘
本書は、日本が世界の主要国の中で、大規模で独立した国家シギント機関を持たない数少ない国であることを指摘しています。国家シギント機関というのは、国の安全のために電話やインターネットの通信をこっそり集めて分析する政府の専門組織のことです。アメリカのNSAとイギリスのGCHQがその代表格です。NSAは1952年に発足しました。GCHQの職員は約7000人、カナダのCSEは約3000人、オーストラリアのASDは約2500人います。日本にも防衛省の情報本部や内閣情報調査室はありますが、規模や権限、法的な後ろ盾でNSAには遠くおよばないというのが本書の見立てです。
日本には不正アクセス禁止法という法律があり、政府職員が外国のコンピュータに入り込むことも違法だと解釈されているそうです。だから、外国からハッキング(コンピュータに勝手に入り込んで情報を取る行為)をされても、日本の政府は相手を突き止めるだけの力すら持っていません。アメリカでは、2014年に映画会社のソニー・ピクチャーズが北朝鮮からコンピュータへの攻撃を受けた事件があり、FBIが1カ月足らずで北朝鮮の犯行だと断定しました。この断定には、NSAが持つ膨大なデータの蓄積が役立ったとされています。日本の会社が同じ被害に遭ったとき、そこまで追跡できる仕組みは今の日本にはないと本書は述べています。
そこで本書では、日本にも本格的な国家シギント機関を作るべきだと提案されています。要点は4つです。まず、トップの人事は防衛大臣ではなく首相が直接任命すること。次に、職員は自衛隊や他省庁と切り離した独立の人事にし、専門家として育てること。3つ目に、予算は内閣情報官が一括で立てて内閣官房にまとめて計上すること。4つ目に、任務の指示と情報の配布の権限も内閣情報官が持つこと。この4つが揃わないと、名前だけの組織になってしまうと指摘されています。
サイバーの世界の守りも、シギント機関の情報の蓄積があってはじめて成り立つと本書は主張しています。相手のハッカー集団の道具や技術を事前に調べ、攻撃が来る前に手を打つのが、アメリカやイギリスの現状だそうです。NSAは2011年時点で、世界の28のハッカー集団について合計794個の対抗手段を用意していました。実際に2010年、統合参謀本部議長ら高官4人を狙ったなりすましメール攻撃を、この仕組みで防いだそうです。政府の中枢に本物の専門家集団を置き、予算と権限を首相と内閣官房に集めていくべきだと本書は結論づけています。
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【ルール】
①本の読み返しOK(カウントは2回まで)
②挫折禁止の為、宣言と公開
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