2026/7/15
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
近年、日本でも労働力不足を背景に移民受け入れの議論が加速しています。しかし、先行して多くの移民を受け入れてきた欧州諸国では、その経済的・社会的影響に関する極めて精緻な検証が進んでいます。
今回は、2023年にオランダで発表され、大きな議論を呼んでいる報告書「国境なき福祉国家(Borderless Welfare State)」の内容をご紹介し、日本の未来について考えたいと思います。
この報告書は、アムステルダム大学のヤン・ファン・デ・ビーク博士を中心とする研究チームが、オランダ統計局(CBS)の膨大な個票データを分析して作成したものです。
最大の特徴は、移民が一生の間に支払う税金と、受け取る社会保障や教育などの行政コストを差し引いた「純寄与額」を算出している点にあります。いわば、移民受け入れが国家財政にとってプラスなのかマイナスなのかを、冷徹な数字で示したものです。
報告書では、移民の出身地や移住の目的によって、財政への影響が劇的に異なることが示されました。以下の表は、1人あたりの生涯における財政寄与額をまとめたものです。
| 移民のカテゴリー | 1人あたりの生涯純寄与額(推計) |
|---|---|
| 欧米圏からの移民(平均) | 約2万5000ユーロのプラス |
| 非欧米圏からの移民(平均) | 約27万5000ユーロのマイナス |
| 労働目的の移民 | 約12万5000ユーロのプラス |
| 難民(アサイラム) | 約47万5000ユーロのマイナス |
特に衝撃的なのは、非欧米圏からの移民や難民の受け入れにおいて、多額の公的資金が必要となっている実態です。これは、低賃金労働による納税額の低さや、言語・文化の壁による高い失業率、社会保障への依存度が背景にあると分析されています。
この報告書が導き出した結論は、極めて厳しいものです。それは、「現在の寛容な福祉国家制度の維持と、現在の移民政策の継続は両立しない」という事実です。
もし現在のペースで非欧米圏からの移民を受け入れ続ければ、教育、医療、年金といったオランダが誇る社会保障制度そのものが財政的に破綻する恐れがあると警告しています。
もちろん、この報告書には「財政面のみに特化しており、経済成長全体への影響を無視している」といった批判や、特定の政治的意図を懸念する声もあります。しかし、公的統計に基づいたこのデータは、単なる感情論を超えた重みを持っています。
私たち日本人も、このオランダの事例を「他山の石」としなければなりません。「人手不足だから」という短期的な視点だけで移民を受け入れるのではなく、長期的に国家の財政や社会の形がどう変わるのか、冷徹な議論が必要です。
国家の持続可能性を守るために、今、何を選択すべきなのか。皆様と共に真剣に考えてまいりたいと思います。
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
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