2025/11/27
| 小森さだゆき|参政党所属/高槻市議会議員
最近、「原付がなくなるらしい」という声が広がっています。長年、通勤や買い物の味方だった50cc原付バイクが消えるとされる背景には、環境基準の強化や制度改正があります。
2025年11月から始まる「第4次二輪車排出ガス規制」は、これまでよりも大幅に厳しい内容です。メーカーは新基準に対応するため再設計や触媒装置が必要になりますが、追加コストを販売価格に転嫁すれば採算が取れないのが現実です。
そのためホンダ・ヤマハ・スズキなどは、50ccガソリン原付の生産終了を決定しています。
すでに登録している原付は継続使用できます。しかし今後、部品供給や整備体制が縮小し、維持コストが上がる時代に入ります。新車が作られない以上「乗れるが、守るのが難しい」状態になります。
政府は50ccに代わる新カテゴリーとして「新基準原付(仮称)」を検討しています。排気量は125cc以下、出力は4.0kW以下という新枠組みで、従来の原付免許でも乗れる方向です。
しかし問題は交通ルールです。125ccに拡大しても、時速30km制限・二段階右折・二人乗り禁止など、従来の規制が維持される見通しで現実とのズレが大きい点が課題です。
こうした制度上の制約を背景に、メーカーは電動化へ舵を切っています。ホンダの「EM1 e:」、ヤマハの「E-Vino」など、ガソリン不要で静かに走るEVスクーターが増えています。
さらに4社共同の「Gachaco(ガチャコ)」により、コンビニや駐車場でバッテリー交換が可能に。これによってEVの課題だった「充電待ち時間」は大幅に短縮されます。
台湾では「Gogoro」が数千か所のステーションを展開し、新車の約4割が電動モデルに。中国では都市部でガソリン原付の登録制限が進み、インドやインドネシアも国家政策としてEV化を推進しています。
ヨーロッパでもガソリン車の乗り入れ規制が強化され、電動スクーターやシェアモビリティが急速に普及しています。原付の電動化は世界的潮流です。
新制度では排気量が125ccでも時速30km制限が維持されます。しかし125ccで30kmは交通の流れと合わない速度です。車との速度差が大きく、安全性にも疑問が残ります。
この矛盾を抱える限り、メーカーはガソリン125ccの新規開発を進めにくい状況です。
原付は消えるのではなく、EVスクーターへ置き換わる過程にあります。小排気量ガソリン車を延命するより、モーター化の方が合理的です。
125ccで30km制限という非現実的な規制が続く限り、メーカーは自然とEVの方向へ進むでしょう。
| 小森さだゆき|参政党所属/高槻市議会議員
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