2026/4/25
「航空宇宙自衛隊」への改称を含む防衛省設置法の改正に際して、安全保障委員会にて討論しました。
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私は、本法律案に賛成の立場から、討論を行います。
本法律案において、72年の歴史をもつ航空自衛隊が、航空宇宙自衛隊に改称されます。
名称は、隊員にとって、そして国民の部隊に対する理解にとって、重いものです。
この改革が魂の宿るものとするためには、隊員と国民の正しい理解を深めるための知的基盤が不可欠です。
宇宙安全保障構想や宇宙領域防衛指針など上位文書は整備されました。
他方、自衛隊の名称変更にふさわしいドクトリン、教育体系、そして国民に対する説明は、なお十分とは言えません。
看板や装備品のみで、真の改革はなりません。運用思想、人材育成、そして国民の理解により、改革に初めて魂が宿ります。
航空宇宙自衛隊への改編の構想を安倍総理が語ってから7年経ち、いまだに宇宙に関する戦略やドクトリンが整備されていないのは、この知的基盤の重要性を軽視していると、指摘せざるを得ません。
今国会の議論でも、標語が先に走り、定義や運用、説明が後から追い掛ける危うさが見えました。
「国産化を目指す」と言いながら、国産の定義すらない。
「世界一無人アセットを駆使する」と言いながら、同盟国の失敗の轍を踏むような調達をする。
「スタートアップ支援に力を入れる」と言いながら、懸念国との関係が疑われる企業に投資する。
「自衛隊の名誉を重んずる」と言いながら、隊員からしたらどうでもいい、趣旨不明の階級の国際標準化なるものを推し進める。
「自衛隊に光を当てる」と言いながら、自民党党大会において政治的中立を超えた私的利用を行う。
広報であれば時にバエることを追求するものかもしれませんが、隊員と国民に対する説明は同じであってはなりません。
この防衛省の、政権の現状において求められるのは、地に足のついた言葉、誠実な言葉、精神の宿る言葉です。標語だけでなく、定義、指針を確かにし、政治が責任を負う姿勢を持たなければなりません。
今回の航空宇宙自衛隊への改称が、精神の宿る改革になることを強く願います。
そのために、航空宇宙自衛隊の名にふさわしい運用思想と教育体系を整備することを、強く求めます。
具体的には、
宇宙ドクトリンなど、航空宇宙自衛隊がいかにあるべきかを示し、宇宙領域における作戦の原則、組織運営や部隊運用において準拠すべき事項と考え方、隊員が日々の任務を遂行する上での心構えなどを定める指針を整えること。
そのドクトリンを、航空宇宙自衛隊の全ての自衛官、事務官、技官及び教官に広く共有すること。
ドクトリンの運用に当たっては、盲目的になることなく、柔軟性と創造性を併せ持つようにするとともに、思考の固定化を避けるためにドクトリンを不断に見直し、常に将来の情勢を冷徹に見通し、戦史と現場の教訓に学びつつ変化に適合していく姿勢を持つこと。
そして、これらを支える、防衛大学校や防衛研究所を含む知的基盤の担い手を強化し、自衛官の教養の涵養や、研究発表を支えること。
これらの施策を通じ、隊員を真に重んじ、本来の任務に精励できる環境を、根拠を持って整えていく新たな組織文化が醸成されることを心から願って、私からの航空自衛隊に対する餞の言葉に代えて、賛成討論といたします。

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