2024/10/14
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
ご存知でしょうか。大阪府柏原市には「亀の瀬地すべり歴史資料室」という、名前からしてとても興味深い施設があります。
夏のあっつい日に、亀の瀬地すべり対策インフラツーリズムに参加してきました。
参照:亀の瀬地すべり歴史資料室(公式)
■ 亀の瀬
亀の瀬は大阪と奈良の境にあり、山々に挟まれた地形で、中央を「大和川」が流れています。奈良の山々から流れ込んだ水がすべて大和川に集まり、一気に大阪へと流れ下るため、鋭い谷のような地形をつくり、流れも急になります。
その結果、大規模な地すべりが繰り返し発生してきました。

地図で見れば、まさに要衝であり、”古代のシルクロード関西版”とも言えますね。たとえるなら、銀河英雄伝説の「イゼルローン回廊」のような場所でしょうか。
しかし、同時に地すべりが起こりやすい場所でもありました。もしここで地すべりが起これば、大和川が土砂でせき止められてダムのようになり、決壊すれば大阪一帯が水浸しになってしまうのです。
そのため「二度と地すべりを起こさない」という目標のもと、大規模な対策工事が行われてきました。
■ 地すべりの歴史
この地では、約4万年前から地すべりが起こっていたとされています。『万葉集』では「畏坂(かしこのさか)」、『日本書紀』では「懼坂(かしこのざか)」と呼ばれ、当時の人々からも恐れられていました。
明治以降の記録では、明治36年、昭和6年(最大規模)、昭和42年に地すべりが発生しています。しかも、ここは大阪と奈良を結ぶ交通の要衝でもあったため、人や物資の往来に大きな支障をきたしました。
ちなみに「地すべり」と「崖崩れ」は定義が異なります。地すべりは地面そのものが大きくずれる現象で、崖崩れは地面がバラバラに崩れ落ちる現象です。

人の往来を便利にするため、亀の瀬トンネルが築かれ鉄道が敷かれていました。しかし、そこが地滑りによって壊されてしまったのです。

■ 地すべり対策
対策工事では、原因となる地下水を逃がすための排水トンネルを張り巡らせ、地盤を固定するため無数の杭を打ち込みました。まるで悪の秘密要塞のような雰囲気ですよね。
自然現象に立ち向かうには、これほどまでの労力と技術が必要なのですね…。

■ ツアーの様子
参加したインフラツーリズム、なんと「無料」なのです。
まず、歴史資料室でボランティアの方から説明を受けます。施設は国の所有ですが、ツアーなどは市が運営を担っているとのこと。「ツアー代取らないの?」と尋ねてみたところ、「維持費はかかるが、行政なので営利目的では動けないんです」との回答でした。
右上の写真にある円柱の上に立っているのが私です。これが実際に地中に打ち込まれている杭の一部で、本来は埋め込まれて見えませんが、見学用に上部だけ残されているのです。めちゃくちゃデカイですよね。

説明の後、排水トンネルを見学しました。外は猛暑でしたが、中はひんやり涼しく、水が常に流れていて、山の保水力に驚かされます。

工事中には、地すべりで埋もれてしまった古いトンネルが発見されました。この存在自体が知られていなかったそうです。そこにツアーの目玉でもあるプロジェクションマッピングを設置しており、設置・維持費は約4000万円(正確な金額は失念)とか。国の事業ということで、かなりの予算が投じられていますね。

プロジェクションマッピングは想像以上のクオリティで、無料で見られるのは少しもったいないくらいでした。個人的には、せめて地元のブドウ農家さんを呼んで販売イベントでもすればよいのに、と思いました。亀の瀬周辺はブドウ栽培が盛んで、名産品となっています。

私もシャインマスカットをいただきました。とっても美味しかったです。
ぜひツアーに申し込んで見学してみください。施設そのものは予約なしでも入れますが、排水トンネルの見学はツアーに参加しないと入れませんので注意が必要です。
参照:亀の瀬地すべり歴史資料室(公式)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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