長田 たくや ブログ

【9月議会】 専決処分/同意/諮問案件って何なの? 【川西市議会の1日目】

2024/8/28

こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
本日から9月議会が始まりました。

初日は、市長の専決処分報告、同意案件、諮問案件があり、これらは当日中に議決されます。その後、期間を置いて一般質問(議員の自由な質問)が行われ、各議案が3つの常任委員会に振り分けられて審議され、その報告を受けて最終日に議決されるという流れです。


■ 同意案件とは
今回の同意案件は、教育委員会の委員の選任でした。これは「地方教育行政の組織及び運営に関する法律(教育委員会法)」で、議会の同意が必要と定められています。本件について問題があれば事前に協議されるため、基本的に「即決事項」としてこの日に議決されます。

第四条2 委員は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化(以下単に「教育」という。)に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する。

■ 諮問案件とは
諮問案件は4件。いずれも人権擁護委員の推薦に関するものでした。「人権擁護委員法」に基づき、市長が推薦し、法務大臣が委嘱する流れになっています。したがって、「推薦でよいか」という相談(諮問)を議会に求め、その日のうちに議決されます。

(委員の推薦及び委嘱)第六条 人権擁護委員は、法務大臣が委嘱する。
3市町村長は、法務大臣に対し、当該市町村の議会の議員の選挙権を有する住民で、人格識見高く、広く社会の実情に通じ、人権擁護について理解のある社会事業家、教育者、報道新聞の業務に携わる者等及び弁護士会その他婦人、労働者、青年等の団体であつて直接間接に人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員の中から、その市町村の議会の意見を聞いて、人権擁護委員の候補者を推薦しなければならない。

■ 専決処分の報告案件
専決処分とは、「地方自治法」で定められた首長の権限です。議会を開くまでに時間がない緊急の予算措置や軽微な内容について、首長が先に処理することを指します。処分後は議会に報告し承認を得ることが義務づけられています。

第百七十九条
普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第百十三条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。ただし、第百六十二条の規定による副知事又は副市町村長の選任の同意及び第二百五十二条の二十の二第四項の規定による第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市の総合区長の選任の同意については、この限りでない。
② 議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。
③ 前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。
④ 前項の場合において、条例の制定若しくは改廃又は予算に関する処置について承認を求める議案が否決されたときは、普通地方公共団体の長は、速やかに、当該処置に関して必要と認める措置を講ずるとともに、その旨を議会に報告しなければならない。

第百八十条
普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができる。
② 前項の規定により専決処分をしたときは、普通地方公共団体の長は、これを議会に報告しなければならない。

今回は4件の専決事項がありました。

1.令和5年度 市債権の権利放棄調書
 借金の取り立てができなかったもの。多くは上水道料金で、計3,162,528円(281人・10社)。

2.令和6年度 川西市一般会計補正予算(第2回)
 物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金 584,390千円の歳入(国より)と歳出の追加。対象は非課税世帯や住民税均等割のみ課税の家庭(年収100万円以下程度)。

3.損害賠償額の決定
 (1) 自動車事故:158,292円(専決日:令和6年7月17日)
 (2) 緑地管理瑕疵(倒木で倉庫損傷):90,000円(専決日:令和6年7月29日)

4.契約事項の変更
 郷土館旧平安邸耐震補強改修工事の契約金額を155,100,000円から160,270,000円へ変更。瓦や下地材の腐朽など想定外の修繕が必要になったため(専決日:令和6年8月14日)。

これらは市条例に基づき「軽易な事項」として専決処分が認められています。

地方自治法(昭和22年法律第67号)第180条第1項の規定により、議会の権限に属する軽易な事項で市長が専決処分することができる事項を次のとおり指定する。

1 法律上、市の義務に属する損害賠償の額を定めることのうち1件100万円以下のもの。ただし、自動車事故に係るものにあつては、自動車損害賠償保障法(昭和30年法律第97号)に規定する保険金額の最高額の範囲内および全国市有物件災害共済会の損害共済委託契約額の範囲内のものとする。

2 議会の議決を得た契約事項で次に掲げる範囲内の変更をすること。
(1) 契約金額 1,000万円以内の変更。ただし、1回に限る。
(2) 工期 完成期日1カ月以内の延長
(3) 部分払の回数 1回の増
3 川西市市営住宅、川西市改良住宅及び川西市再開発住宅の家賃等の請求及び明渡しの請求に係る訴えの提起、和解及び調停に関すること。

今回のケースは、1と2が該当しますね。ただし乱発すると「議会軽視」と批判を受ける可能性もあります。
参照:維新・市長の報酬減額条例、市議会が不承認…専決処分に「議会軽視だ」


それにしても、同意や諮問案件では、「異議なし」と声を出すだけなのですが、いずれも法律にのっとり、それを準じていることを記録として残すため、どうしてもセレモニー的な流れが必要なようです。無意味だ!と切り落とすこともできますが、法治国家である以上、仕方がない部分もあると思います。ですので、これらが破られたりすると大騒ぎになるわけです。
というわけで、ちょっとややこしいお話でした。

同意や諮問案件は「異議なし」と声を出すだけで終わる形式的な場面も多いですが、いずれも法律に則っており、法治国家の仕組みとして必要なセレモニーといえます。法治国家として、「無意味だ!」と切り落とすこともできず、逆にこれらの手続きを無視すれば大問題となるのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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著者

長田 たくや

長田 たくや

選挙 川西市議会議員選挙 (2022/10/16) [当選] 1,680 票
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肩書 参政党の市議会議員で薬剤師でもあります
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