2024/7/15
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
先日、市役所内で議員に向けた手話サポーター養成講座(市民講座)が行われました。
受講して疑問に感じたことを調べましたので、今日は3つにカテゴリでお話しします。
・聞きなれない”ろう”とは?
・難聴の種類と手話を禁止した歴史
・ドライバーが知っておくべきこと

参照:川西市手話言語条例
■「ろう者」と「ろうあ者」
”聾(ろう)”は「耳が聞こえない状態」、”聾啞(ろうあ)”は、「話せない状態」を意味します。あまりピンとこないですよね。
【ろう者】
耳と龍で表現され、龍は音の大きさを示し、それらを感じない様を表現しているのだとか。中国読みだと”ろん”、それが”ろう”に変化したと言われています。
英語だと"deaf(デフ)"になります。Deafは差別表現でなく、Deafはコミニティを、deafは全体的な意味を表現するようです。
【ろうあ者】
啞は口偏に、音を意味する亞(ア)で声が出ない、失語状態を指します。言語障害の英語は、”dumb”と習った記憶がありますが、こちらは”愚か”という意味でも使われる事が多いため使うのを避けましょう。Speech ImpairmentやNon-verbalと言う表現が良さそうです。
【使い分け】
聴覚障害者は包括的な意味であり、”ろう者”は手話などを使う文化やコミュニティに属する人たちの呼び方と考えれば良いと思います。一方、”あ者”は差別的表現らしいので、口がきけない人は、発語障害や言語障害という表現が良いかと思います。
なお、聴覚言語障害の協会名は、”ろうあ協会”となっています。よって”ろうあ”自体は差別表現ではありません。
■難聴には2種類
伝音難聴:補聴器が有効
感音難聴:補聴器では不十分

感音難聴を克服するのが「人工内耳」です。ただ、講師の方がおっしゃるにはトレーニングが必要だそうです。

■手話禁止の歴史
日本では明治期より私塾の”ろう学校”が整備され始めました。ろう教育が進んでいたヨーロッパでは、1880年に国際聴覚障害教育会議(ミラノ会議)が開催されます。
そこで手話を禁止し、口の動きで読み取る口話法が採用されました。当時の多くの教育者が、健常人と同じようにコミュニケーションを取ることがろう者にとって最適であると考えたのです。加えて、ろう者の親も我が子が周りと同じようにコミュニケーションが取れるようになればと、口話法を支持したのです。
そこから日本でもじわじわと口話法が浸透し、日本のろう学校でも採用され、これまでの使用していた手話が禁止されるようになったのです。

■歴史:もう少し詳しく
クイズ!世界で初めての”ろう学校”はどこでしょうか?
正解は―――フランスのパリでした。当時の哲学者は、ろう者たちを”原始状態”とみなし、同時に、教育することで”文明化”する対象として興味をもっていたそうです。大航海時代に多数の言語が発見され、普遍的言語の探索に関心が持たれた中、”みぶり言葉”がそれにあたるのでは?と、ろう者たちが使用していた手話が着目されました。
思想家ド=レペーは、1791年に手話を用いたろう者教育を開始して、成果をあげたとされます。一方、ドイツでは同時期に口語法が発展し、ヨーロッパ内で対立することになります。
参照:フランスのろう教育と現状
参照:我が国における聴覚障害者の言語教育の歴史
■歴史:日本の出遅れと工夫
日本では、世界に約110年遅れてできた学校が、京都盲唖院(現:京都府立盲学校)でした。
そこでは、口語法と手話法のどちらも使われていましたが、ミラノ会議の結果を受けて、口話法にもトライしたがなかなか上手くいきませんでした。大正末期、海外視察を終えた小西信八の提案によって、これまで私塾であったろう学校が公教育化されました。
1920年にA.K.ライシャワーが来日し、日本聾話学校を設立しました。宣教師である彼は自分の娘がろう者であり、口話教育によって障害が取り除かれたことをきっかけに、日本人も同じように救いたいと考えたそうです。高名な西川吉之助が口話研究所を1919年に開設、更に、名古屋校では橋村徳一が、鋭意口話教育を推進するなどして、日本でも口話法への方向性が決まったのです。
■歴史:うまくいかなかった
手話を禁止し、口話法を採用するも試行錯誤が続いていたようです。
日本のコロナ禍にも似ていて”検証・総括”せず、方針変換をするのが本当に下手だと感じます。ルールを守るためには、手話への差別的対応や暴力を辞さなかったのです。ヨーロッパのように26字の英単語と、五十音もある日本語では口話法自体が難しいなどの評価もあり、最終的には補助的な役割として対応手話が再評価されていきます。当時も今も、外国こそが先進的という発想が強かったのではないでしょうか。
参照文献:ろう教育における手話と書記日本語の問題
■対応手話と日本手話
対応手話:日本人が話す言葉に対応して手話化
日本手話;手話独特の構文や言葉で、ろう者たちが自然に会得しやすい
健常者とのコミュニケーションには対応手話を、ろう者同士には日本手話を使うといった使い分けができます。最近の手話研究や理解増進が進んでいる要因に、2006年に国連総会で採択された「障害者権利条約」が大きいとされています。2014年1月に日本も批准し(141番目)、同年障害者差別解消法が成立しました。現在では、公的機関で障害者への合理的な配慮が法的義務となりました。
参考文献:手話で教育―失われた時の復刻を展望する―
■聴覚障害マークをご存知ですか
1960年代から聴覚障害への運転免許獲得運動が起こり、1973年に免許取得が可能となりました。
2017年には、聞こえの度合いによって規制緩和されました。

補聴器を使用して10メートルの距離で90デジベルの警音器の音が聞こえる人は、ほぼ制限なしに取得できます。
聞こえない方は、車種等が制限されます。

なお、マークを掲示しなければ違反となり、罰金となります。
■マークの意味を知ってる?
聴覚に難があるドライバーが運転していることを、周りのドライバーが「知っていなければ」意味がありません。聴覚障害マーク自体、教習所で習った記憶がありません。そこで、交通安全協会に問い合わせてみたのですが、一応、警察から提供されているビデオにチラっとは映るっているが試験はしていないとのこと。
免許更新時の教育所管は、都道府県別だそうです。その日、県警の管轄に電話が通じなかったので、後日あらためて確認しようと思います。双方のストレスとなるため、免許更新講習にてしっかり教えるべきだと思います。
手話サポーター講習から、あらためて手話の歴史を色々調べて勉強になりました。ぜひ手話サポーター講習にも参加してみてください。
手話表現にも、男性表現、女性表現というものがあるようで、近年それらが排除されているそうです。このような過剰な配慮、ポリコレは、本来の生物学的な違いや特徴をゼロにしてしまう危険な風潮だと思いました。
政治に参加しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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