2024/6/5
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
本日より6月定例議会が始まりました。
さて、今日は咀嚼(そしゃく)についてです。「よく噛んで食べなさい!」と言われた経験、誰しもあると思います。ですが、やれと言われてすぐできるなら、人間はみなスーパーマンですよね。そんな噛むことについてのお話です。
【お話しの流れ】
・咀嚼の今昔
・咀嚼の効果
・市への提案
■ 昔と今の食事
弥生時代の食事は噛む回数が非常に多く、食事時間も長かったようです。平安時代に急に下がっている理由ははっきりしませんが、貴族文化の影響かもしれません。徳川家定の頃には現代人とそれほど変わらないようで、ちょっとほっこりしますね。。
ちなみに家定の好物は「ふかし芋」だったそうで、確かにそれならあまり噛まないかもしれません…いずれにしろ、現代では、戦前と比べて噛む回数も食事時間もおよそ半分になっています。

ちなみに弥生時代の食事例も残っており、庶民用(左)と卑弥呼さま用(右)もあったようです。
(どちらもめっちゃ美味しそうなのだが…)

「魏志倭人伝」には次のような記述があります。
・倭の地は暖かく、冬も夏も生野菜を食べる
・飲食には高坏を用い、手づかみで食べる
・人々は生来、酒が好きである
昔からお酒好きだったのかと思うと、なんだかほっこりします。
■ 噛むことの難しさ
よく噛んだ方が良いのは分かりますし、癖づけは有効でしょうが、意識してもなかなかできるものではありません。
そもそも噛む必要性や噛んで美味しさが増さなければ、わざわざ「よく噛む行動」に至りません。
例えば、玄米と白米では噛む回数が大きく違います。玄米だと自然と噛む回数が増える、つまり必要に迫られて咀嚼するのです。
主食が玄米だと、噛む回数の増やせるということです。

■噛むことの人種差
噛み方にも人種差があります。
パン文化の西欧人は「チョップ型」といって歯でバシバシ噛み切るのに対し、米文化の日本人などアジア人は、すりつぶすように顎を動かします。食べ物と唾液をよく混ぜて栄養をとってきた歴史があり、これが腸の長さの違いに影響している可能性があります。
この点から考えると、あらかじめ細かく刻まれたスムージーは、栄養吸収という意味では日本人にあまり合わないかもしれませんね。
■ 朝食はよく噛むが吉
咀嚼に関する研究があります。朝食と夕食で、「よく噛む」「あまり噛まない」を比較すると、インスリンの分泌に差が出たというのです。噛む回数が多いと、腸が食事に反応してインクレチンが分泌され、膵臓からのインスリン分泌が早まるのです。
さらに興味深いのは、この差が朝食でのみ顕著に出たことです。ただし、忙しい朝は一番噛まないかも知れません…現代人の悩ましい現実ですね。

■ 咀嚼強度と唾液の細菌数
硬いガムと柔らかいガムを噛んだときの比較実験では、硬いガムの方が当然咀嚼力が強くなるのですが、なんと唾液中の細菌数が減少していたのです。また、脳への刺激も強くなることが分かりました。強く咀嚼することは、歯周病予防や唾液分泌に大きく関わり、その結果、口腔内の衛生状態にも好影響を与えるのです。

■ 食育としての咀嚼
「食育(しょくいく)」という言葉は法律にも定められています。
参照:食育基本法
(地方公共団体の責務)
第十条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、食育の推進に関し、国との連携を図りつつ、その地方公共団体の区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
食育基本法では、地方自治体は国と連携しつつ食育推進の責務が持ち、学校関係者や農林漁業者にも協力の努力義務が明記されています。
咀嚼については直接触れられていませんが、私は咀嚼も食育の一部だと考えます。
■ 川西市での取り組み
川西市では学校給食で食育として咀嚼推進を行っています。もち麦や黒米を混ぜたごはんを提供したり、11月8日の「いい歯の日」に合わせた咀嚼推進の特別メニューを出したりしています(ちなみに1月18日はないようです…なんでや)。
■ 分付き米を提案
玄米は咀嚼回数を増やし、栄養価も高いのですが、消化が悪く風味が苦手な子どもも多いと思います。そこで、精米歩合を調整した「分づき米」が有効だと考えます。七分づき米なら普通に炊けて食べやすく、栄養価も高く、少しは噛む回数の改善に寄与できると考えられます。
市側に提案しましたが、購入しているお米が分付きの設定もなく難しいと却下されてしまいました。市側も、少しは食育に興味を持っていただきたいなと感じました。
【玄米にするならば】
玄米や分づき米を給食に取り入れる場合、残留農薬への配慮が必要だと思います。減農薬や有機栽培米、自然農法米の使用が望ましいでしょう。
千葉県いすみ市では学校給食を有機米化し、さらに「残食が減った」というデータを発表しました。残食が減れば食品ロス削減にもつながります。

咀嚼は健康や栄養吸収だけでなく、口腔環境や生活習慣病予防にも関わります。
家庭でも玄米や麦を混ぜたごはんを取り入れるなど、日常の中で自然に噛む回数を増やす工夫が有効です。
ちなみに我が家では玄米や麦入りごはんをよく食べますが、納豆ごはんのときはつい噛むのを忘れがちです(汗)。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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