2024/6/7
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
ごみ処理量について色々調べていたら、各市町村が発表している数字は定義が異なる場合があり大混乱(どれだけ時間がつぶれたか…)。ミスリードを誘う罠がそこら中にあってもう胃が痛くなりました。
統一されたデータをやっと見つけたので、それをもって分析を始めました。
■ 1人あたり1日のごみ量
まずもって、国より県より川西市はごみ排出が元々少ないのです。
この時点で、ごみを減らすための有料化に大義なし。
川西市:822g/人
兵庫県:875g/人
国:880g/人

■ 守口市との比較
人口規模が似ている大阪府守口市と比較します。
守口市は有料化していない市(指定袋ですらない)ですが、1日1人あたりのごみ排出量(g)は川西市よりもずっと少ないです。ノウハウは少し聞きました。川西市は、有料化うんぬんの前に守口市を勉強するべきです。
参照元データ:環境省 廃棄物処理技術情報

■ 京都市を利用した
ごみ減量のミーティングでは、京都市のごみ減量グラフをみせて、有料化の効果について力説していました。守口市のことにはもちろん触れません(なんでやねん)。
参照:ごみ減量ミーティング資料

京都市自身もすごいでしょ!と自慢していますね。ミーティング資料では、全体量データだけしか見せておらず、傍聴していて違和感を覚えました。
また、他のスライドでは川西市民はゴミ減量に意識が足りないみたいなこと書いています。
本当でしょうか?検証します。

詳細を調べてみたところ、次のような結果でした(令和4年)。

【言葉の定義】

■ 京都市との比較
【家庭ごみ量の比較】
生活系を比べると結構な差(70%)があります。一方、家庭系を比べます少し縮まります(75%)。そして全体ごみ量を比較すると(92%)とそこまで変わりがないのです。
生活系と家庭形のごみ量の差は、どれだけリサイクルを頑張っているかの指標になります。
川西市:602-444=158(26%減)
京都市:442-336=106(24%減)
京都市に負けず劣らずリサイクルを頑張っていますよね。まずそこを認めてあげましょうよ。
【灰溶融炉とカラクリ】
注意しないといけないのは、川西市はごみ処理場に灰溶融炉システムを有しているため、資源化ごみの量が自動的に増加するのです。灰溶融炉は燃焼したゴミ灰を、さらに燃料を使って燃やして金属とスラグ(固形)に分けるシステムで、メタルは再資源化にカウントされます。
燃やすための燃料を食うので、川西市は脱炭素と経済上の理由から灰溶融炉の廃止を決定しています。そうなると家庭系のごみ量は増加する仕組みです。つまり…気を付けないと灰溶融炉がなくなったら見かけ上、市民がさぼっているように捉えられてしまい有料化への大義名分にされるリスクがあるのです。
【大都市との単純比較は危険】
また生活系ごみの数値だけに捉われると危険です。兵庫県と京都府を比較すると、京都はよく頑張っているように見えますが、京都市が京都府に占める人口割合は56%で、京都市の結果が京都府全体へ大きく影響することがわかります。
試しに、京都市を除いて計算してみますと1人あたりのごみ量は川西市とほぼ変わりありません。また、人口の違いも大きく影響します。したがって、京都市との直接比較は多くのミスリードを生み出しかねないのです。
■ こういう記事に飛びつく前に
家庭ごみと事業所ごみの関係性を無視して、全体量のゴミ量として比較している有害記事があります。
参照:全国自治体ごみ少ない(廃棄物削減)ランキング環境省発表
事業所が多い市か否かで評価が変わります。本来は詳細データを調べないと、このランキングだけでここの町の人は意識が高いや低い、市が熱心か否かなど、短絡的な判断に注意しなければなりません。
■ 「ごみ量/人」を左右する因子
母数(人口)が多いと1人あたりが減る傾向にあるなというのが現時点での印象です。
人口分布も非常に影響していると思われます。特に学生や若者が多いと、学校や会社で過ごす時間が長く、食事などのゴミは会社にて発生し、事業所ごみにカウントされます。その人口割合が多いほど、1人あたりの家庭ごみは減ると予想できます。
逆に、過疎地で人口が少なければ1人あたりのごみの量は見かけ上多くなる傾向があります。例えば、大きな事業所があり、そこで多くのゴミが出るとします。しかし、そこの住民が非常に少なければ事業所ごみを含めて人口で割ると1人あたりのごみ量は計算上、多くなるのです。
1人あたりのごみの量というのは分析の仕方が非常に難しい。その人口のバラつきによる影響は、市→県→国と収束していくので、市と国を比べるのは意味合いがありますが、市と市同士を比べる場合、人口があまりに違うところは比較・分析がしにくいのです
■ 様々な誘導因子
有料化はゴミ減量に有効だという論文があります。有料化してごみが減ったら処分費用も減るので、結果的に有益性があるんだという論文です。ごみの量が減った場合はそうでしょうけど、そうじゃなかったら…市民が丸損ですよね。興味ある人はご一読ください。
参照:兵庫県41市町を対象とした生活系可燃ごみの ごみ袋有料化に関する費用便益分析
とりあえず今日はここまで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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