2026/2/25
兵庫県 川西市議会議員(薬剤師) #長田たくや です。
不妊治療の保険適用には、43歳という年齢制限と回数制限が設けられています。
なぜでしょうか。

■ 不妊治療の保険適応
年齢によって治療回数が決まっています(詳細はこちら)
40歳未満 通算6回まで(1子ごと)
40歳以上43歳未満 通算3回まで(1子ごと)
なぜ年齢が定められているのか。それは、日本産科婦人科学会などのデータに基づき、年齢とともに妊娠率・出生率が顕著に低下することが示されているためとされています。

■ 卵子の凍結保存と提供問題
なぜ年齢によって出産率が低下していくのでしょうか。
主な要因は、卵子の加齢による質の低下とされています。
卵子は年齢とともに染色体異常の頻度が上昇し、流産率も高まります。
老化の詳細な分子メカニズムは、まだまだわかっていません。
参照:不妊症を生物学的・社会学的に探求する
加齢による妊孕力の低下に対する有効な治療法は確立しておらず、若いうちに卵子を凍結することが唯一の対処法とのこと。技術の進歩により可能となったそうです。
【ART】
体外受精治療などの生殖補助医療(assisted reproductive technology, ART)と呼びます。
JISART(日本生殖補助医療標準化機関)では、精子・卵子提供の行っています。
2007年からカウントして、合計 176件(2026年1月31日現在)
そのうち出生児(双胎、第2子含む) 124人。他国に比べるとかなり少ないです。
一方、アメリカでは2021年、米国では卵子提供による体外受精(IVF)によって約1万人の赤ちゃんが誕生したとあります。
参照:数字で見る卵子提供による体外受精
そうなると卵子や精子を売ったりする人出てきそう…と思ったら、やはり問題化していました。
参照:名門大生なら報酬2300万円、米国の「卵子提供ビジネス」の光と影
■ 特異例を一般化すること
45歳以上でも出産できた、という報道を見ると希望を抱く気持ちは理解できます。
しかし、統計上は非常に少数なのです。

2023年のデータで見てみますと、45歳以上となれば極端に少なくなっているのがわかります。
出生数(母の年齢別)
30~34歳:265,109
35~39歳:173,523
40~44歳:46,020
45~49歳:1,645
50歳以上:100

実際の出産数や流産率などを踏まえると、43歳という保険適用の線引きには一定の医学的根拠があると感じます。
一方、自身の凍結卵子を利用する場合は、妊娠成立の可能性は高まり、以下の条件で保険適用が可能です。
・夫婦(または事実婚)
・治療開始時に女性が43歳未満
他人の卵子・精子の場合は保険適用外ですが、医学的適応(早発卵巣不全、無精子症など)があれば実施は可能です。なお、アメリカのようなビジネスとはなっておらず、無償提供が原則となっています。
このあたりは自制が効いているなと感じました。
■ ソフトランディング政策の提案
年齢で区切るという制度設計は、就活や資格試験など様々な分野で見られます。
一方で、少子化が課題であること、生殖という人間の生理現象を扱う分野であることを考えると、もう少し緩やかな制度設計もアリだと思います。
例えば、市が継続している不妊治療に対し、44歳では2回、45歳では1回のみ保険相当分を補助するなど、段階的な支援を設ける施策も良いのではないでしょうか。年齢という明確な基準で切るのではなく、緩やかに終息させる政策です。
いずれにしろ、自然な形に戻していくように促すのも政治にとって大切なことではないでしょうか。
人間も生き物なのですから。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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ホーム>政党・政治家>長田 たくや (ナガタ タクヤ)>不妊の保険治療の線引き。緩やかにしても良いのではないか