2025/10/9
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
国会議員が政府に正式質問を行う「質問主意書」。
今回取り上げるのは、参政党の松田学議員が提出した「中国海警船の接続水域長期巡航」に関するものです。
領海と公海の狭間で、いま何が起きているのか――。
国際法の基礎から政府答弁まで、ポイントを整理しました。
■ 接続水域とは
19世紀初頭、公海自由の原則により、国家の主権が及ぶ海域は自国の沿岸から3海里(1,852m x 3=約5.56km)までとするのが慣習でした。これは「大砲が届く範囲」とも言われています。
当時、アメリカが禁酒法(1920年)の取締りを強化するため、12海里までを“取締り管轄水域”(のちの接続水域)として拡幅しました。その後、海上油田開発などの必要性から12海里を領海とする流れが生まれました。
当時、海の自由な航行を阻害されると考えたイギリスや、隣国との摩擦を懸念した日本は反対していましたが、1982年に国連海洋法条約(UNCLOS)で「領海12海里」「接続水域12海里」「EEZ200海里」が国際基準となりました。

イギリスも日本も現実的対応として条約に加盟し、制度を整えました。日本は1996年に批准し、1997年に「排他的経済水域法」を施行しています。批准するのに14年かかったのは、国内法整備に時間を要したためです。
質問者:参議院議員 松田学
提出日:2025年8月4日
我が国の領土保全を脅かす中国海警船舶の接続水域長期巡航への対応に関する質問主意書
■ 背景
尖閣諸島周辺の接続水域で、中国海警船4隻の航行が確認され、246日連続(2025年7月22日報道)。2012年の国有化以降で最長となり、中国側の実効支配主張が一段強まったと認識。
なお、令和7年10月9日時点で324日連続です。

海保は悪天候でも常時対応しているが、中国海警は海軍艦改修型・大口径機関砲搭載の重武装・大型化で能力優越。今後、巡航の恒常化など更なるエスカレートが懸念。

■ 建造費の高騰
よって、関係省庁横断での安定化・領土保全の抜本策が必要。特に海保の大型巡視船整備が物価高で滞らないよう早急な対処を求める。
大型巡視船の建造費が高騰。報道では1隻あたり最高188億円。政府は2022年の「海上保安能力強化に関する方針」に基づき、総トン数1,000トン超の大型巡視船の拡充を進めているが、コスト上昇で計画影響の懸念。

■ 提出している質問
■ 1.接続水域の対応
政府は、中国海警局などの船舶が日本の接続水域を航行した時点で、中国政府に申し入れを行っている。
海上保安庁は、常時巡視船を配備して領海警備に当たり、中国海警船には相手を上回る巡視船で対応している(2024年6月4日衆院環境委員会答弁による)。

政府機関の連携や体制整備の「具体的内容」は、今後の対応に支障を来すおそれがあるため非公表。
ただし、政府としては関係省庁が緊密に連携し、警戒監視を徹底しつつ、冷静かつ毅然と領土・領海・領空を守る方針を示した。
■ 2.巡視船建造費の高騰
政府は、建造費の高騰を踏まえ必要な予算措置を行っており、整備計画に支障はないと認識。
「海上保安能力強化に関する方針」(2022年12月16日決定)に基づき、巡視船の増強および代替整備を着実に進めるとしている。
接続水域に入ること自体は国際法違反でもなく、日本としては現状では何もできないのが実状です(ただし、国内法を脅かす行為があれば別)。しかし、相手は機関砲を備えた「軍艦」なのですから、明らかに挑発行為であることは間違いないわけです。
こうした現実が、国際社会における今の日本の姿です。
一層高い国防意識を持たなければなりませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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