長田 たくや ブログ

DEIの理想と現実 【数値目標が良くないのでは?】

2025/8/7

こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
アメリカのトランプ大統領がDEI政策を改めました。「過激で無駄な」政府DEIプログラムを終了するとしたのです。


今日は、DEIに関するニュースを紹介しながら私の考えをお伝えします。
参照:Ending Radical And Wasteful Government DEI Programs And Preferencing


■ DEIとは
ダイバーシティ(Diversity, 多様性):
性別、年齢、人種、宗教、性的指向、障がい、価値観など、様々な違いを持つ人材を認め、受け入れる。
エクイティ(Equity, 公平性):
多様な人材の個性や状況に応じて、公平に機会や資源を得られるようにする。例えば、障がいを持つ従業員には、特別なツールやサポートを提供。
インクルージョン(Inclusion, 包括性):
多様な人材が、それぞれの個性や能力を発揮し、組織の一員として尊重され、活躍できるような環境を作る。 

このように、理念としては素晴らしいものです。
しかし、これに「数的目標」が加わると、理念から外れ、結果主義的な施策へと変質し、『分断と偏見を生み出す制度』となっているのではないかと考えます。加えて、DEIという名の下に、一部では、過激な思想運動が“多様性”の名の下に特定の価値観や集団を排斥するという、逆説的な現象も起きています。

■ 起源
DEIの起源は、1960年代の「公民権運動」と「アファーマティブ・アクション(積極的格差是正措置)」にあります。

大統領令11246号は、1965年、リンドン・B・ジョンソン大統領によって署名されました。連邦政府の雇用における差別禁止慣行と、アファーマティブ・アクションを規定していました。「人種、信条、肌の色、または国籍に関わらず、応募者が雇用され、従業員が雇用期間中に適切に扱われることを確保するための積極的措置を講じる」ことを義務付けたのです。

この大統領令は2025年1月21日にトランプ政権によって撤回されました。
同日に発行されたのが大統領令14173「違法な差別を終わらせ、実力主義の機会を回復する」なのです。
参照:Executive Order 14173

■ DEIを加速したもの
ハーバード大学の報告によれば、以下のように述べられています。
”近年の社会正義運動(ブラック・ライブズ・マター、#MeToo、ウィメンズ・マーチ、ストップ・アジア系アメリカ人ヘイトなど)は、社会のあらゆる側面における多様性、公平性、包摂性(DEI)の必要性を浮き彫りにしています。
職場も例外ではありません。2020年5月から9月の間に、DEI関連の求人件数は123%増加しました”
参照:Approaching Diversity, Equity, and Inclusion Through a Future-Oriented Lens

■ DEIは本当に称賛されているの?
DEIについて調べてみると、あるわあるわの”称賛の嵐”。
一方、トランプ大統領が撤回したことについては「時代を逆行している。」「差別が助長される」という論調ばかりです。

もし真に普遍的に称賛される制度であれば、このような混乱は生じなかったでしょう。

(1)シンシナティ警察の事例
オハイオ州シンシナティの警察署長テレサ・テートゲ氏が「人種に基づく割り当て制度」を用いて昇進や配置を決定し、白人警官を不利に扱ったとして訴訟が起きました。

2023年、望ましい配置ポストのうち、少数民族の中尉が79%、女性中尉が89%を占める一方で、白人男性中尉はわずか44%だったと報告。
参照:Cincinnati using ‘race-based quota system’: suit (New York Post)

(2)IBMの人種的逆差別訴訟
元従業員が「DEI目標達成のために不当に解雇された」としてIBMを訴え、連邦判事が「差別的意図の可能性あり」と判断。
参照:IBM settles discrimination claim from White male worker, judge says (HR Dive)

(3)アファーマティブ・アクション違憲判決(2023)
ハーバード大学とノースカロライナ大学に対して、長年採用されてきた黒人やヒスパニック系など人種的マイノリティーを優遇するような入試は憲法違反と最高裁が判断した。 
➡全米の大学に影響した。
参照:ロイター通信2023年6月30日

(4)投資ファンドが動向
DEIに注力する企業(例:Best Buy)は、一部の投資ファンドから忌避されている。
ベスト・バイは、時価総額200億ドルの企業であり、「新規の有給ポストの3分の1はBIPOC※で埋める」という明文化された方針がある。すべての人に悪影響を及ぼしている。
※BIPOC:Black(黒人)、Indigenous(先住民)、People of Color(有色人種)
参照:A new investment fund is saying ‘no’ to DEI-focused companies(New York Post)

(5)逆差別訴訟が容易に
最高裁は「異性愛者(ノーマル)であることを理由に職を失った」と訴えた女性を支持。
➡ 「逆差別」の訴訟提起がしやすくなった。
参照:Supreme Court sides with Ohio woman in making it easier to claim ‘reverse’ workplace discrimination (PBS news)

(6)DEI研修が敵対心を助長
Rutgers大学などの研究では、DEIによる研修がかえって偏見や敵意を助長する可能性を示唆。
参照:Study suggests DEI may escalate workplace hostility and racial bias

■ 日本はどうだ?
日本は幸いにも「クオータ制(一定割合の割当制度)の義務」というヤバイことにはなっていません。しかし、やりたい雰囲気をプンプンと出していますね。

(1)男女共同参画局による検討
諸外国のクオータ制導入状況を調査し、日本の今後の施策に活かす方針。

参照:男女共同参画

(2)女性版骨太の方針2023
こんな骨太の方針もあるんですね…。そこにクオータ制につながるかねない数値目標がありました。
プライム市場上場企業を対象に、「2025年に女性役員1名以上、2030年までに女性役員比率30%以上」と数値目標を設定。
※2022年4月に東証の株式市場の再編で運用が開始された3つの市場のうちの1つで、東証の上位の株式市場のこと。
参照:女性活躍・男女共同参画の重点方針2023 

■ 公平とは何か?
DEIをどう感じますか?理念としては立派だと思います。
しかし、現実には制度に数値目標をつけたことにより「逆差別」「形式主義」、そして「社会的分断」を生んでいるのではないでしょうか。

本来は、属性にかかわらず「実力」「適性」に基づいて評価される社会こそが、真に多様で公正な社会だと考えます。確かに、具体的なハンディキャップのある方――たとえば障害者雇用などについては、一定の制度的支援や法的拘束力も必要だとは思います。


アメリカは今、健全な常識と公正な社会原理を取り戻そうとしているのだと私は考えます。
日本は、どうする?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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著者

長田 たくや

長田 たくや

選挙 川西市議会議員選挙 (2022/10/16) [当選] 1,680 票
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肩書 参政党の市議会議員で薬剤師でもあります
党派・会派 参政党

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