2025/5/25
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
今回は、医薬品として使われるビタミンD製剤についてお話しします。
新型コロナやmRNAワクチン接種後の慢性疲労や神経症状に、ビタミンD補充が有効との報告があります。ビタミンDは「骨」に関連し、カルシウムの吸収促進で知られますが、感染症や免疫、メンタルにも関与することが分かってきています。
参照:COVID-19 ワクチン接種後発症の筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群
5種類あり、1つは塗り薬です。これらの違いをみていきます。
アルファカルシドール(アルファロール®、ワンアルファ®)
カルシトリオール(ロカルトロール®)
エルデカルシトール(エディロール®)
コレカルシフェロール配合薬(デノタスチュアブル®)
マキサカルシトール(オキサロール®)
(ビタミンという言葉の定義)
体内で十分に合成できず、食事などからの摂取が必要不可欠な栄養素。かつて、さまざまな栄養素がビタミンと名付けられ、A〜K、さらにはL〜Uなどの名称も検討されていましたが、研究が進みビタミンの定義から外れた物質も出てきました。
例えばビタミンB3は、アミノ酸から作られるので「ナイアシン」、ビタミンHは「ビオチン」となりました。一方、ビタミンDも、実は体内で合成できるのですが、必要量が不足することも多いためビタミンDという名前が維持されています。
必要なのが、皮膚と光(紫外線)です。皮膚の中には、7-デヒドロコレステロールという成分があります。まずこれに紫外線が当たることで反応が生じます。

環状構造がパカっと割れると、以下のような反応が自然と進み、ビタミンD(正確にはビタミンD3:コレカルシフェロール)となります。巷で売られているビタミンDサプリメントはだいたいこれです。成分表にはコレカルシフェロールと書かれています。

ビタミンD3が機能するには、さらに体内で処理が必要です。
まずは、肝臓で25番目の炭素原子に-OH(水酸基)がくっつきます。
さらに腎臓にて、1番目の炭素原子に水酸基がくっつきます。
このプロセスを経て機能が発揮される「活性型ビタミンD」となるのです。

さて、冒頭にあげた医薬品との関係性を見てみましょう。

サプリや医薬品のビタミンD製剤は、紫外線による工程をすっ飛ばしていることがわかります。
デノタスチュアブル
機能を発揮する前段階のビタミンD3です。肝臓や腎臓で処理される分、急激に増えて困るようなことは起こりにくいとされています。そのため、サプリメントもコレカルシフェロールが採用されています。
アルファカルシドール
メジャーで古い薬。腎臓でくっつく予定の水酸基がすでに付けられた状態となっています。つまり、服用して腸管から吸収されて、初めに肝臓を通過するのですが、そこで機能を発揮できる活性型ビタミンDに変化できます。
カルシトリオール
活性型ビタミンを直接服用しちゃおうというのがカルシトリオールです。肝機能が弱い人に向きます。直接作用するため、全身性の副作用(高カルシウム血症)に注意が必要です。
エルデカルシトール
活性型ビタミンDを改造して、さらに活性の強さを得たのがエルデカルシトールです。骨粗しょう症による骨折の抑制効果が高いとされています。

ビタミンDは、カルシウムの吸収をアシストします。エルデカルシトールは強力ですが、カルシウム吸収が過剰となり高カルシウム血症のリスクも高まります。ただし、カルシウム剤やサプリを併用しなければ大きな問題にはなりません。
マキサカルシトール
さて、塗り薬や注射薬であるオキサロール®(飲み薬はない)も人工型です。ここまでの医薬品は、骨粗しょう症などに使用されますが、こちらは乾癬という皮膚病や副甲状腺機能亢進症など、処方頻度としては低くなる疾患に対して使用されます。
構造式を見ますと、酸素原子(O)が入っているのがわかります。この酸素原子の導入により、皮膚における局所的な作用を強める一方、全身性の吸収や副作用(特に高カルシウム血症)を抑える設計となっています。
キノコなどに含まれる植物性のビタミンDは、エルゴステロールと呼ばれ、ビタミンD2と称されます。
下図参照:生化学 脂溶性ビタミン
動物性のビタミンDは、7-デヒドロコレステロールでビタミンD3と呼ばれます。これらは構造が少し違うものの、紫外線を浴びた後、肝臓や腎臓で同じ位置に水酸基(-OH)がくっつきます。構造はやや異なりますが、同じようにビタミンDとしての機能を持ちます。
したがって、菜食主義者であってもビタミンDを摂取することは可能です。

いかがでしたでしょうか。ビタミンDは研究が進み、まだ解明途上の部分も多いですが、今回は医薬品との関連を中心に紹介しました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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