2025/4/27
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
日曜日は、雑談日。四国に世界初の乗り物DMVがあるのをご存知でしょうか。
DMV(Dual Mode Vehicle)とは、バスと鉄道を併せ持った乗り物で、阿佐海岸鉄道が運営しています(リンク)。
阿佐海岸鉄道は、徳島県・高知県が出資している第3セクターになります(これがミソ)。

DMVの駆動は、後輪タイヤがレールを押しており、車輪はレールをつかんでいるだけです。エンジンは前なのでFRですね。
まず四国の鉄道網をご覧ください。DMVは→で示すところ、徳島県と高知県をまたぐように走ります。

見ていただければわかるように、室戸岬あたりが微妙につながっていないんですよね…
実は鉄道で四国を1周することはできません。
DMVは、以下のような鉄道ルートとバスルートを走ります。おお~!室戸岬まで行けるじゃんか!と思いきや、土日祝の1日1往復という鬼仕様。

では、DMVについて少しお話ししましょう。↓の画像がDMVです。じーっと見ていますと、普通のバスに”鼻”が後付けされているように見えませんか?

そう実は、トヨタ・コースターの改造車両なのです。

良く見たら、ヘッドライトが流用されていますね。DMVを見たときに感じたのが「ヘッドライトへの違和感」です。キャラクター的なものに仕立てる、例えば丸目にする方が絶対に受けると思っていました。でも、なんか変な形のヘッドライトだな~と思っていたら、パーツ流用だったんですね。リアなんてそのままだし、なんならトヨタマークまで(笑)。

デビューは2021年12月。コロナ禍という人災に見舞われた時だったのです。これを機に観光を!と徳島県も力をいれていたようですが、この時は色々厳しかったでしょうね。そして・・・
世界初から4年以上が経過して・・・未だに世界に1つ、あっ・・・(察し)。
そう、人気がない。
バス自体は1000万円くらいですが、DMV改造によって1台あたり1億4千万円もかかっているそうです><。これはおいそれと手を出すのは難しいですね。DMV自体は2008年頃、北海道で実用化を目指し計画され、実験が繰り返されていました。しかし、北海道の列車事故が相次いだことにより、計画は白紙となってしまったのです。それを阿佐海岸鉄道が引き継ぎました。
・運用システムの難しさ
鉄道の運用システムを組み入れるのが難しいそうです。そのため、JR線とも物理的に遮断されています(後述)。運転手さんも免許が別に必要で大変。
・大量輸送ができない
鉄道の最大の利点は大量輸送にあります。しかし、DMVは運転手併せて22名が定員。連結もできません。
・定時運行
鉄道は定時運行が可能ですが、バスモードで事故渋滞にでも巻き込まれたらどうにもなりません。
これらのことから、夢のような技術に見えて、実は弱点が多いことがわかります。
鉄道路線の活用です。
線路を引っぺがしてバス専用の道にしたらいいやん、って考えられそうですが、鉄路の除去には、線路以外にも枕木やバラスト(石)の除去、鉄橋があればそれを道にしなければなりません。また、トンネルの細さが車運転では厳しいなど、鉄路を道路に転用するのはそこまで簡単ではなさそうです。
しかし、ただ廃線するだけではモッタイナイというのもありますよね。そういったとき、DMVならば
・持ってくることができる
・話題性がある
・渋滞がない
こういった利点があります。活用できる路線もあると思います。例えば木次線。もうこんな時刻表の状態です・・・DMVにしてバス統合した方がいいかもしれません。

この鉄道にも乗ったことあるのですが、時間の確認を何度も行いましたね(笑)。間違えると死んじゃう。
途中にはオロチループという名所があったり、観光需要はあるところです。話題性のDMVと観光を兼ねるのは、ありなんじゃないかと。
法律の問題かなと思いきや、そうではありませんでした。線路はつながっているので、乗り入れは非常に便利な要素です。通常の列車間は連携システムが組まれているのですが、それをDMVに組み入れるのは技術的に難しいそうです。
阿佐海岸鉄道は、元々、海部駅⇔甲浦駅間だけの鉄道路線でした。
徳島駅から牟岐駅までは特急むろとが走っており(今はなくなった)、牟岐駅から南への海部駅まで延伸されました。海部駅以南は、第3セクターである阿佐海岸鉄道が延伸することになりましたが、甲浦駅でストップしてしまい、室戸市への鉄道は引かれないままとなりました。
高知県と徳島県をなんとか鉄路で結ぼうとした努力が見られますよね。

延伸をあきらめて、DMVを作ることを発表しました。しかし、海部駅は高架駅であり、DMVをモードチェンジするスペースづくりが難しかったので、1つ先の阿波海南駅までを阿佐海岸鉄道が受け入れ(おそらく買い取り)、JRとの線路を切断してDMVモードチェンジ駅を作りました。

こうやって、なんとかDMVを走らせるに至ったのです。車窓は、海岸鉄道のとおり、海が綺麗ですがトンネルも多い・・・。前方はバスですし、ちょっと見づらいです。
駅名標にこだわりがあって、バスモードの駅はサーフボードを縦に、鉄道モードの時は横になっているというプチこだわりがあります(こういうの好き)。

公共交通で観光するには、ちょっと難しい^^;特に室戸岬は公共交通で行くにはなかなかハードルが高いところです。このあたりはバスの方が充実しており、高速バスも走っています。が、大阪⇔室戸岬の高速バスは、室戸岬への到着時刻が18:20のみ(笑)。そんな時間に岬に降ろされてどうするの?って感じですよね。
行ってしまえば、帰りのバス手段は色々あります。いずれにしろ、しっかり計画を立てないと難しいので、ツアーの方がたぶん楽ちんです。
DMVに乗りに行くまでが遠足となる旅路ですが、旅力をつけるためにも一度行ってみたらいかがでしょうか。むろと廃校水族館などもあり、面白そうなスポットがあります。さらに、奈半利から後免まで行くと、アンパンマンワールドが広がっていますしね。奈半利駅までたどり付ければ、しんたろう号という素晴らしい鉄道にのれます。あれはかなり良いですよ。
DMVは、経済性、効率性だけを考えれば正直失敗でしょう。でも、このような挑戦やロマンは好きです。日本で南国を味わえる四国の南方。新幹線もない不備な地域ですが、ぜひ行ってみてください。でもね…JRでIC使われへんのだけは許してはいけない。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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