長田 たくや ブログ

SNS規制法 は本当に突然だったのか 【閣議決定で強行!?】

2025/3/14

こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
東日本大震災の黙とう中に、SNS規制法を閣議決定しやがった!という文字を目にしたので、ほんまかいな?と調べてみました。
参照:SNS規制なのか? 政府が「情プラ法」4月施行を閣議決定 “第三者”による削除要請が物議

結論から言いますと
・大きな部分は閣議決定以前に決まっていた
・発布されたガイドライン(3/11)がちょっと怪しいかも…
と言った感じでしょうか。

私が整理した情報ですが、異論や訂正があるならばご連絡願いますm_ _m
順を追ってみていきましょう。


■ 「プロバイダ責任制限法」の成立と改正
2001年11月30日、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(通称:プロバイダ責任制限法)が成立し、2002年5月27日に施行されました。

1990年後半からインターネットが普及し、匿名による誹謗中傷、著作権侵害、プライバシー侵害が多発しました。投稿者に責任があるのか、それともプロバイダー側に責任があるのか…また、プロバイダー側にとっても、”被害者の救済”と”表現の自由の侵害”の間で板挟みになっていました。そこで、本法律が策定され、以下のことが決まりました。

・プロバイダーが一定の条件を満たせば、損害賠償責任を回避可能
・被害者が裁判を通じて発信者情報を開示請求できる制度を整備

■ 第1次改正
本法律は、いくつかのマイナーチェンジを経て、2021年(令和3年)4月28日に大きく改正することになり、第1次改正と呼びます。

・情報開示スピードの向上
開示に至る裁判の回数が2→1回となりました。

・SNSへの対応
SNSが主流となったことを受け、事業者に対してログイン情報の開示請求が可能であると明文化されました。

これらの「プロバイダ責任制限法」の改正にて、情報開示の迅速化や、刑法改正による侮辱罪の重罰化が制定されました。一定の被害の回復や抑制がなされましたが、被害者が最も求めている「早急な投稿の削除」が、現行法下では難しかったそうです。

■ 第2次改正
問題点を踏まえて2024年(令和6年)5月10日、さらなる改正となります。ここでの法律名が「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」(通称:情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法))に変わりました。
参照:イノベンティア・リーガル・アップデート

アクティブユーザーが多く、影響力が大きいと指定された大規模プラットフォーム事業者(SNS業者)は、投稿の削除対応の迅速化、その運用状況の透明化に関して、具体的措置を行う義務を負うことになりました。
改正内容について簡単に記します。

【改正の内容】
・総務大臣による事業者の指定(改正法20条)
月間平均アクティブユーザー数が1000万を超える事業者が指定。

・国内の代表者・住所等の届出(改正法21条)
指定された業者の総務大臣に氏名・住所等を届け出をする。外国企業も、日本代表を決めて提出。

・被害者からの申出の受付方法の公表(改正法22条)
被害申告の方法が分かりにくいプラットフォームをなくすため。

・被害申出があった投稿の調査(改正法23条)
被害者のため、事業者は早急に対処すること。

・調査専門員の選任(改正法24条)
指定業者は、適正な調査となるよう、日本の法や文化がわかる専門家を用意すること。

★申出に対する通知(改正法25条)
投稿削除の申出があった場合に、申出を受けた日から14日以内の総務省令で定める期間以内※に、申出者に対し、削除or保留の理由を通知しなければならない。
この時点で、「1週間」とすることが予定されていました。

・投稿削除やアカウント停止の基準の公表(改正法26条)
どのような投稿が削除されるのかが利用者に事前に公表すること。

・発信者に対する通知等の措置(改正法27条)
投稿の削除またはアカウント停止の事実と理由を、発信者に対して通知してもらうこと。

・措置の実施状況の公表(改正法28条)
削除した回数などのデータを公表すること。

・勧告、罰則等の新設
事業者に罰則がありませんでしたが、法人に1億円以下の罰金を課すことができるようになった。

これらが第2次改正の内容を簡単に書きました。この改正法はパブリックコメントを経ており、令和7年春以降に施行予定を待つだけの状態となっていました。

■ 閣議決定は何を決めたの?
・「7日以内の対処」を決定しました。
前述の★印の箇所、ふわっとしていた「事業者の対処が14日以内」を、7日以内と決定したことです。法文では、”14日以内の総務省令で定める期間”と、少し幅を持った法律となりました。

引用:総務省の資料 第25条とあるけど、たぶん26条の間違いだと思う

・施行日を指定
施行を令和7年4月1日としました。想定よりも早いとされています。情プラ法の最後に以下のような附則がありました。つまり、この施行日も元々、政令で決められる法律の立て付けとなっていました。

附則 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

・ガイドラインの発布
こちらがガイドラインです(リンク)総務省にてアップロードされています。これが波紋を呼んでいるのかなと思います。

■ ガイドラインの問題箇所
SNS規制だ!と指摘される問題の箇所は、おそらくこちらです。

ここで、第三者が削除依頼や情報開示に関与ができるという点です。

総務省は「被害者救済の観点から、被侵害者以外の者による削除申し出であっても、権利侵害情報について迅速に対応されることが望ましいという趣旨で記載されているもの」と説明しているとのこと。(参照記事

自由の侵害にならないから安心してね!となっているが、どうなのだろうか。マスメディアの味方である総務省ですし…信頼するのは難しいですよね。


■ 安保騒動と同じ?
2015年の安保法案や、2017年の共謀罪の時にも映画関係者が、「好きに映画が撮れなくなるぅ~>m<」とか話題になってましたよね。あれも「話し合っただけ、計画しただけで取り締まられる」を拡大解釈したアレな人たちがワイワイしていました。しかし、成立しても普通に映画撮れているし、自由な発言を謳歌しているように感じます。

もちろん、今回のガイドラインに対する懸念はあるけども、実際はどうなのでしょうか。今回の法律改正も、ガイドラインの1点を除けば、他は特に問題に感じませんでした。恣意的に使用されれば恐ろしいことですし、注意もしなければなりませんが、少し冷静に見ることも必要かもと感じました。

■ SNSを狙い撃ちするな
SNSをはじめ、言論は基本的に自由であるべきです。この規制を強めるならば、先んじてマスメディアに規制をかけるべきです。特に間違った情報、ミスリードを誘う情報を発信してしまった場合は、同じ規模、ボリューム感で謝罪・説明すること。これ定めるだけでいいのですが。SNSだけを厳罰化するから批判も強くなると思います。テレビ・新聞の人権侵害を許すな!

自浄作用が一応機能しているネット言論と、自浄作用が1mgもなく、ポリコレに勤しむ既存メディア。どちらが問題であるかは明らかです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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参考)
総務省(今回の改訂に関する資料一覧)
特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(古い方)
特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(新しい方)

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著者

長田 たくや

長田 たくや

選挙 川西市議会議員選挙 (2022/10/16) [当選] 1,680 票
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肩書 参政党の市議会議員で薬剤師でもあります
党派・会派 参政党

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