2025/3/4
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
同僚議員より一般質問にて色覚異常が取り扱われていました。質疑内容は最後にまとめています。
今日はせっかくなので色覚異常について詳しくなりましょう。
■ 色覚異常の生理
かつては色盲や色弱と呼ばれ、近年では差別的との指摘から「色覚異常」と呼ばれています(そんなに差別的に感じないけどなぁ)。なんと国内に300万人いるそうです。
その原因は、眼の網膜(もうまく)という部分の異常が原因です。

なんと網膜は10層もの組織から成り、その中で”色”を感知する役目は、視細胞(杆体と錐体)になります。
杆体(rod)は棒状➡明暗
錐体(cone)とんがりコーンな形➡色
2つの細胞が役割分担しています。

さらに杆体と錐体を拡大すると次のようになります。

皆さん、光の三原色を覚えていますか?
赤・緑・青ですね。
錐体は、この3色でさらに役割が分けられているのです。
L錐体(long):長波長(赤色)
M錐体(middle):中波長(緑色)
S錐体(short):短波長(青色)
LMSの組合わせと、障害の強弱で、色覚異常は以下のように分類されます。

割合からみるに、人間は緑色に弱いのかな。
色盲って言葉がないと強弱がわかりにくくなりますね。色弱という言葉は残しておいてもいいんじゃないか。過剰な配慮で強い障害の順に、1色覚、2色覚、異常3色覚となっており、名前と印象がリンクしなくなっています。
【遺伝性はあるか】
生まれつきの「先天性」と加齢や事故などによる「後天性」に大きく分かれます。
先天性の色覚異常は遺伝性疾患で、X連鎖性遺伝(伴性劣性遺伝)の遺伝形式をとります。
日本人での頻度は、男性(約5%):女性(0.2%)=25:1の明らかな性別差があります。
男女の違いって色々あるんですよ。同じ扱いにしてはいけないのです。
■ 色覚チョーク
色覚異常の友人もいないため、身近な疾患ではありませんでした。たまたま見ているゲーム実況者の方が色弱で、ゲーム中に色の見分けがつきにくくて…という話から、そうなことがあるんやねって思った程度。
治療薬、治療方法がないため、あまり薬局や病院にても触れ合う機会がありませんでした。
特に男は頻度が高く、40人クラスで1~2人いることになります。学校といえば黒板ですね。チョークの色ってなかなか見分けが付きにくいみたいです。そのため「色覚チョーク」ができました。

実際、どんな違いがあるかですが、以下のとおりです。

赤色・緑色の色覚異常がほとんどを占めます。こうしてみますと、普通のチョークだと赤と青、そして黄と緑の見分けは確かに付きにくいですね。
これらのチョークの色は、ユニバーサルカラーともいわれ、日本においても2004年にNPO法人CUDOが設立され、色覚異常に関する啓発・発信を行っています。色覚チョークは、2010年代に発売されています。CUDOは、市街地の案内板などについても、色覚異常の方が判別しやすい色の提案をしている団体です。
■ 色覚異常と事故
このような状況であると、やはり交通事故などの影響が怖いですね。
上記例はあくまで黒板ですから、普段の状況とは少し違うとは思います。しかし、実際に交通事故もあって、色覚異常を理由としたところ「差別を誘発しかねない」と問題になったケースがあります。またこのパターン…。
参照:色覚障害と信号誤認に関係はあるか
スウェーデンでは、色覚異常に関する鉄道事故がありました。ラーゲルルンダ事故と言われています。信号機は正常であったことから、色覚異常が疑われましたが、死亡されてため確認ができませんでした。
そこで鉄道員たちを調査すると、なんと13/226人の割合で色覚異常があったとのこと。この事故がきっかけとなり、色覚に関する研究と理解が進んだそうです。
参照:色覚異常への理解を深めた「列車事故」
結局、色覚異常は程度の問題だと思います。やはり白黒にしか見えない場合は、仕事が制限されるのは当然かなとは思います。程度の幅がかなり広いのではないかと思います。
私も生物の授業や薬学の講義から、目の構造や機能は学んできたつもりでしたが、色の見分け方や各種細胞のことまでは知りませんでした。今回は、視細胞の杆体や錐体など形状的/機能的な違いを知ることができ、非常に面白かったです。そして、想像以上に色覚異常の方が多いことや、男女差があることを知り、同僚議員の一般質問を通じて見識が広がりました。
今回の一般質問では、会派:市民ファーストの加茂議員が質疑をされていました。
1.色覚チョークの導入について
市の学校は色覚チョークを導入していない。電子黒板を未導入の施設は黒板。3校のみ。現在は、白と黄色のみを使用している。
2.色覚検査の実施について
現在は希望性となっている。全員に案内状は送っている。
平成26年4月30日、学校保健安全法施行規則の一部改正に伴う局長通知が全国都道府県や指定都市の教育委員会宛てに出され、健康診断の実施に関わる留意事項として色覚検診に関する指導強化の内容が示されたところです。詳細は省きますが、要約すると概ね以下の2点を推進する内容となっています。(参照:学校保健)
1)保護者に対し先天色覚異常と検査の周知を図り、希望者に検査を行うこと。
2)教職員は色覚に関する正確な知識を持って色覚異常に配慮し、適切に指導を行うこと
3.色覚特性に対する配慮について
保育現場では、視線や態度などから個々に対応している。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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