2025/2/15
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
今日は薬のお話です。
いきなりクイズです! \デデン/
左右の構造式で、違いを見つけてください。

■ 1つの違いで大きな違い
正解: 赤丸の位置。左は –Cl(塩素) が「ある」、右は「ない」。

名前がよく似た「○○ゾラム」同士ですが、どちらも「ベンゾジアゼピン系(BZR)」と呼ばれるお薬です。この-Clひとつの違いで性質も用途までもが変化します。

■ 性質の違い
両者とも脳内のGABA(ギャバ)受容体に作用しますが、その受容体にはいくつかの種類があり、それぞれ結合のしやすさが異なります。その結果、次のような違いが現れます。
トリアゾラム(ハルシオン®):
吸収が速く、効果が短い➡入眠向けの睡眠薬
アルプラゾラム(コンスタン®、ソラナックス®):
吸収はゆっくり、体内に長くとどまる➡抗不安薬(リラックス)
■ さらに不思議なお話
下図をご覧ください。左右の構造式で違いはどこでしょうか?

正解:N—Nに挟まれた線が1本(=メチル基 –CH₃)あるか、否か。
アルプラゾラムから–CH₃を外したのがエスタゾラムです。ほぼ同じに見えますが…

えー…アルプラゾラムから棒1本がなくなっただけでまた睡眠薬に。しかも、体内にすごく長く残る薬となっています。
エスタゾラム(ユーロジン®):
長時間作用する➡中途覚醒向きの睡眠薬
アルプラゾラムに(–CH₃ を付けて –Cl も付けると)トリアゾラム(超短時間型)になる。
たった2箇所の違いで、体内に残る時間が約8倍変わることも。
■ 最後の不思議な話
上部にNが3つ並ぶトリアゾール基を持つ代表的なベンゾジアゼピン系を3つ。

トリアゾラムと比べますと、となり2つは、S(硫黄)が入った5角形があるのが特徴(チエノトリアゾロジアゼピン系)です。そして、Br(臭素:ブロム)があるのが特徴なので、ブロチゾラムと言います。”ブロ”がついている医薬品には、たいてい-Br基が含まれています。レンドルミン®はかなり汎用されている有名な睡眠薬です。
そして、そのとなりがエチゾラムです。こちらはBrの代わりに折れ線で表現されていますが、-CH3がくっついています。これがあの有名なデパス®です。
では同じく性質を比べてみましょう。
ブロチゾラム(レンドルミン®):
S(硫黄)を含む五員環となります。さらにBr(臭素)を持つのが特徴。だから「ブロチ」という名前に。➡汎用される中間型の睡眠薬
エチゾラム(デパス®):
ブロチゾラムのBrの代わりに–CH₃がつきます。抗不安・筋弛緩・睡眠など用途が広く使い勝手が良く効果が強い反面、依存性が社会問題になっています。近年は処方日数が制限されています(昔は「1日6錠×90日=540錠」なんて処方もザラでした…)。

このような”小さな違いで大きな差が出ることもある”のが医薬品なのです。
おもしろい。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、依存性・ふらつき/転倒が問題となります。改善した薬(マイスリー®)も開発されましたが(それでも転倒はする)、ベンゾジアゼピン系じゃないと眠れないよ!と根強い需要があります。
わたしは眠れなくて体を壊すくらいだったら睡眠薬に頼ってもいいと思います。ただし、それに依存するのダメ。薬は利用し活用するべきであって、しんどい時だけ利用するスタイルがベストかなと思います。
なるべく体を動かし疲労感の中で眠れるように、昼寝をしないなど工夫することがが大切です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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