2026/5/15
連合滋賀議員団会議 徳島県視察研修 2日目②
「神山町役場」
視察研修2日目は、地方創生の先進地として全国的に注目されている徳島県神山町を訪問し、町の取り組みについて話を伺いました。
神山町は人口約4,500人、高齢化率は50%を超えており、町発足当時から人口は4分の1程度まで減少しているとのことでした。
一方で、その厳しい現実から目を背けるのではなく、「どうすれば地域で暮らし続けられるか」という視点で、住民・行政・民間が連携した独自のまちづくりを進めている点が非常に印象的でした。
特に興味深かったのは、神山町が長期の総合計画をあえて作らず、
・自然を守る
・人を育てる
・健康でいる
・豊かに暮らす
という4つの基本方針を軸に、柔軟な行政運営を行っている点です。
また、神山町の地方創生は、行政主導だけで始まったものではなく、1990年代の国際交流活動やアーティスト・イン・レジデンス事業など、住民主体の取り組みが土台になっていることも学びました。
さらに、2004年という早い段階で、町が各家庭まで光ファイバー回線を直接引き込む高速通信網、いわゆるFTTH(Fiber to the Home)整備を進めていたことも大きな特徴です。
民間通信事業者による整備が難しい中、国の補助制度を活用しながら町が基盤整備を進めたことで、現在のサテライトオフィス誘致やデジタル活用の土台が作られたとのことですが、実際に企業が来るきっかけになったところには、アーティスト・イン・レジデンス事業など、過去の取り組みが積み重なり、現在につながっていったとのことでした。
そもそも、当時は「なぜ山の町で光回線なのか」と言われたそうですが、結果としてその判断が現在の神山町を支える重要なインフラになっていることを実感しました。
移住支援についても、行政だけで対応するのではなく、NPO法人グリーンバレーへ委託し、「地域に必要な人材」を意識した受け入れを行っている点が特徴的でした。
空き家を活用したサテライトオフィスやコワーキングスペースには、IT企業や若い起業家が集まり、地域住民との交流も生まれているとのことでした。
また、近年全国的にも注目されている「神山まるごと高専」についても説明を受けました。
全国から生徒が集まり、テクノロジー・デザイン・起業家精神を学ぶ全寮制の学校であり、強い意思を感じるとともに、令和10年開校を目指している滋賀の高専構想においても、多くのヒントがあると感じました。
公共交通についても、人口減少の中で従来型の町営バス維持が難しくなり、「まちのクルマLet's」という新たな仕組みへ移行。
タクシー活用や公共ライドシェアを組み合わせながら、移動手段を維持する取り組みも進められていました。
利用件数は大きく増加している一方、財政負担も課題となっており、持続可能性をどう確保していくかという現実的な悩みについても率直に共有いただきました。
また、特に印象的だったのは、高齢者向けにはタブレットやAmazon Echoを配布し、講習会やサポート窓口を設けながらデジタル活用を進めているとのことで、「デジタルを導入して終わり」ではなく、住民が実際に使い続けられる仕組みづくりまで考えられている点も大変参考になりました。
今回の視察を通じて感じたのは、神山町の取り組みは単なる「成功事例」ではなく、人口減少という厳しい現実の中で、住民・行政・民間が何度も試行錯誤を重ねながら積み上げてきた結果であるということです。
地方創生に“魔法の答え”はありませんが、地域資源を活かし、人と人とのつながりを大切にしながら、未来へ投資を続けていく姿勢には、多くの学びがありました。
滋賀県においても、地域特性に応じた持続可能なまちづくりについて、引き続き考えていきたいと思います。
#滋賀県議会議員 #神山町 #徳島県




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