2024/3/24
最近テレビで注目を集めている千葉県いすみ市は、学校給食に有機米を取り入れ、提供する野菜も地元の有機野菜などを使い、給食費も無償で提供しています。
房総半島南部に位置するいすみ市の人口は、令和6年2月1日時点で35,221人です。
他の自治体同様人口は減少傾向にあり、2012年に環境保全型農業によるまちづくりを宣言したことで、テレビ番組で有機給食や有機農業について取り上げられるたびに移住相談が増加し、2014年には168件だった移住相談が、2021年には741件まで増えたようです。
特に子育て世代や有機農業に関心のある層からの相談が増加中です。
2017年10月に学校給食をすべて有機米として、2022年10月に学校給食を無償化。
地産地消によるまちの活性化、環境負荷の軽減、地域のブランド化にもつながっているのです。
宝島社発行の『田舎暮らしの本』2024年版 人気ランキングで総合1位を獲得しています。
一方、学校給食の現状ですが、2018年に学校給食のパンから除草剤「ラウンドアップ」の成分である「グリホサート」が検出されたと農民連食品分析センターが公表しました。グリホサートとは、一部研究機関において発がん性があるとされている成分です。
ちなみに、欧州連合で一部規制されたネオニコ系農薬は脳神経系に悪影響を及ぼす可能性があると言われていますが、日本では普通に使われています。怖い気がします。
どちらにせよ、安全性が定かでないものを子ども達の口に入れるわけにはいかないということで、「学校給食をオーガニックにしよう」という動きが全国で一気に広がり、岐阜県でも民間団体による活動が始まっています。給食ネットワーク岐阜という団体による「岐阜県の給食をオーガニックにするための請願署名」14,000筆を超える署名が2022年5月、県知事宛に提出されました。
ちょうどそのころ、国会では「みどりの食料システム法案」が参議院で可決し、2050年までに有機農業面積を25%に拡大すると掲げた、「みどりの食料システム戦略」が策定されました。
その中に、市町村を単位として有機農業の地域内流通を作り出す「オーガニックビレッジ」事業があり、全国の自治体に募集をかけ、令和4年10月時点で全国54地区、令和5年93地区が取り組むみ始めました。岐阜県内では現在、白川町のみとなっています。
千葉県いすみ市や、大阪府泉大津市など、いくつかの自治体はすでに独自に推進しており、とくに手を挙げていないようですが、いすみ市においては国の2050年の25%という目標を超えて、有機農業面積がすでに35%であるというから驚きです。
自治体によってその取り組みに大きな差が出始めているという現状です。
ちなみに、大垣市の学校給食のパンは岐阜県学校給食会から提供されており、その原料はアメリカ・カナダ産と国内産を混ぜ合わせたものと聞いています。果たして、その安全性は担保されるのか気になるところです。私のように人生終わりに近づいた大人と違い、子ども達が口にするものの重要性を鑑み、学校給食を安全で安心なものにすることはおとなに課せられた役割ではないでしょうか。
いすみ市が学校給食をすべて有機米にするまで5年かかったそうです。人口がもっと多い市においてはさらに時間を要するでしょう。
みどりの食料システム戦略において、国は有機農業面積を2050年には25%までにすると目標を掲げ、岐阜県においては有機農業面積を2020年に97haだったものを2030年には190haにする目標を掲げています。25%まではまだまだではありますが、指標として数値目標を置くことは何においても実現のために重要なことでしょう。
農林水産省は、有機農業面積の目標値のほか、2050年までに化学農薬使用量を2018年10月から2019年9月を基準として50%低減させるという数値も明確にしています。2030年には10%低減目標です。
有機農業面積目標も、化学農薬使用量においても、しっかりと自治体独自に数値目標をたて、着々と進めていく必要があります。
そして、それらの成果物をまずは学校給食に支給し、こどもたちのからだと未来を育んでいくこと。その実現こそ、おとなの使命です。
(大垣市議会令和6年3月 一般質問より)
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>からさわ りえ (カラサワ リエ)>オーガニック学校給食は実現する?