2021/12/23
江戸川区の同性パートナー制度 (金井たかしの「江戸川区情報」)(筆者金井たかし(高志)のプロフィール)
2021年12月10日の都政新報に、東京都で「同性パートナー制度(同性パートナーシップ制度)」が設けられるという記事が掲載されていました。そこでは、東京都内において、性的少数者(LGBT)らの方々のために「同性パートナー制度」を開始する自治体が増えており、渋谷区と世田谷区での導入を皮切りに、12区市が導入済みであることが報道されています。
「都総務局/来年度に同性パートナー制度/婚姻制度との整合性課題/広域自治体の役割を」(都政新報2021年12月10日)
現在、江戸川区でも「同性パートナー制度」の導入がなされていますので、この機会に、江戸川区の状況について確認してみました。
同性パートナー制度(パートナー制度:同性パートナーシップ制度)とは
まず、同性パートナー制度(パートナー制度:同性パートナーシップ制度)とは、同性カップルを婚姻に相当する関係と公に認める制度です。国や自治体がLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)らの性的少数者の権利を守り、差別を禁止する公的制度を導入する一環として、独自の証明書(パートナーシップ証明書)を発行することで、同性のパートナーシップ関係について、異性間の婚姻と同様に、行政・民間サービスや社会的配慮を受けやすくするものです。同性間の婚姻を認める同性婚制度とは異なり、あくまで婚姻は異性間にだけ認めるという法制度を維持したまま、性的少数者(LGBT)の方々における同性カップルにも異性間の婚姻カップルと同様の権利やサービスを与える仕組みです。
江戸川区における具体的な同性パートナー制度
江戸川区では、性的指向・性同一性(性自認)に係る人権について、江戸川区が行う事業における当事者の不利益をなくす取組の一つとして、性的少数者(LGBT)の方々における同性パートナー関係を事実婚と同様に取り扱うよう事業の一部について見直しを行っています。
解説コメント:「事実婚(じじつこん)」とは、婚姻届を提出していない状態で、夫婦と同様の関係を有し共同生活を送っている状態の方々を指していて、「内縁関係」とも言われるものです。実際に戸籍を入れている状態と同程度に夫婦関係があると認められれば、事実婚でも法律婚と同程度の権利が得られる場合があります。単に一緒に生活しているという同棲は、事実婚とは異なります。
江戸川区では、現在、「江戸川区同性パートナー関係申出書等の取扱いに関する要綱」が平成31年4月1日付けで施行されています。江戸川区では、要件を満たす同性の二人からの同性パートナー関係にあるという申出書を受領し、「同性パートナー関係申出書受領証」(いわゆる「パートナーシップ証明書」)を交付することになっています。
「同性パートナー関係申出書受領証」の取得手続きについては江戸川区の公式サイトで説明がなされています。

同性パートナー制度についてのこれからの課題
現在、130以上の自治体において、条例により性的少数者(LGBT)の方々における同性パートナー制度が導入されているのですが、これには法律的根拠がない状況です。同性パートナー制度における一番の検討課題は、婚姻制度との整合性をどのようにとるかということです。現行制度では、婚姻に伴って、戸籍や住民基本台帳の内容が変更されるものですが、同性パートナー制度では、そのような変更はなされないものとなっています。同性パートナー制度がより実効性のあるものとなるためには、国の法律が必要となるものです。今後の同性パートナー制度に関する国の法律の制定などに期待しなければなりません。
なお、「公益社団法人Marriage For All Japan - 結婚の自由をすべての人に」のサイトにおいて、全国における同性パートナーシップ制度が説明されています。(筆者金井たかし(高志)のプロフィール)
代表 弁護士 金井高志(金井たかし)
(江戸川区在住 弁護士 武蔵野大学[江東区]法学部・大学院教授)
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https://twitter.com/kanai_jsc (江戸川区に関する情報を発信しています。)
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