2025/8/29
金井たかし(高志)の「江戸川区情報」江戸川区議会議員・弁護士・行政書士
ルンビニー学園幼稚園卒・江戸川区立下鎌田小学校・瑞江第三中学校卒・都立両国高校卒(金井たかし(高志)のその後の経歴プロフィールを見る)[「たかし」は「高い志(こころざし)」と書く「高志」です。]
2025年8月26日付読売新聞などのマスメディアで報道されていますが、愛知県豊明市で、余暇時間のスマホ使用につき1日あたり2時間以内を目安にすることなどを規定する全市民を対象としたスマホ使用条例案が市議会に提出されました。
現在、この条例案について、豊明市の市民以外からも賛成・反対の意見があがっています。そこで、この条例案について少し考えてみたいと思います。

まず、条例案の正式名称は「豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例」です(条例の全文がITメディア「“スマホ1日2時間条例案”が「余計なお世話」と物議 豊明市は「理念条例」と説明も残る疑問」に掲載されています)。
この条例案の目的は、スマホの過剰使用が睡眠時間などの身体面、精神面、生活面への悪影響を引き起こさないよう対策を推進することとされています。
このような目的で子どもたちの健全な成長や、市民の健康増進、家庭でのコミュニケーションを促すといった理念は理解できます。しかし、なぜこのような課題を地方自治体が条例で規制する必要があるかが問題となります。
まず、条例を制定するには、その地域特有の問題を解決する必要性、すなわち「立法事実」がなくてはなりません。
しかし、豊明市が提示しているのは、全国的な傾向としてのスマホ問題であり、豊明市特有の深刻な問題ではありません。市は、不登校や子育てなどの支援にあたる中で、課金ゲームやオンラインゲームの利用から抜け出せなかったり、保護者が乳幼児に長時間スマホを使わせたりする事例が少なくない、ということがあると説明し、これらが立法事実であるとしているようです。
しかし、豊明市でこれらの問題が、国や他の自治体と比較して突出しているという具体的なデータは示されていません。そのような意味で、この条例案の内容は、地方自治体が制定する条例に適するものではないと考えられます。

他方、この条例案は市民への義務付けや罰則がない「理念条例」であることを考えると、このような条例の制定で、市としてスマホ等の適正使用をすべての年齢層の市民に呼びかけ、各家庭でスマホの過剰使用の問題が考えてもらうきっかけにするということであり、その目的を考えると、条例制定の意義がないとはいえないと思います。
また、この条例案は愛知県豊明市の市民を対象とするものですが、今回の条例案の市議会への提出で全国的にスマホの過剰問題が議論されるきっかけとなっていて、国も現在子どもの安全なネット利用について検討していることから、この条例案が国レベルでのネットの過剰使用の制限・適正利用に向けた議論をさらに進めるきっかけになると思います。
以上のようなことを考えると、今回の豊明市のスマホ使用条例の制定の方向性は問題視するものではないと考えます。この条例案をきっかけにSNS事業者などを巻き込んだSNSを含むネットの過剰利用問題の議論が進めばよいと思います。
なお『「スマホ利用は1日2時間以内」 愛知・豊明市の全国初の条例案に賛否の声』 とい動画があり、この動画は、条例案に賛成・反対両方の意見や、市長の発案理由に触れているため、今回の条例案の背景情報を得るのに役立ちます。(筆者金井たかし(高志)のプロフィールを見る)
金井たかし(高志) 江戸川区議会議員・弁護士・行政書士・武蔵野大学法学研究所客員研究員(元 武蔵野大学法学部・大学院教授 元LINE(株)監査役 [高い志(こころざし)で、また、豊富な弁護士経験で、江戸川区政に貢献)]
LINE公式アカウント 
FACEBOOK (江戸川区の行政の情報を発信しています) Twitter (金井たかしの活動に関する情報を日々発信しています

この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>金井 たかし (カナイ タカシ)>スマホ使用条例は必要か?愛知県豊明市の条例案の議論