2026/1/18
日本国民・鎌倉市民を最優先に考える市政へ!
鎌倉市議会議員の重黒木優平(じゅうくろきゆうへい)です。
「重黒木優平」の政策やプロフィールはこちら。
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https://go2senkyo.com/seijika/180455
▼鎌倉市議会議員 重黒木優平 寝屋川市視察報告
1月16日(金)、他市の議員と合計4名で枚方市の行政視察に行きました。
行って終わりではなく、やはり記録として残す必要性、そして何より鎌倉市に活かす・反映させて行くことが大切です。
(ただの個人の感想も含まれますのでご了承ください)
▼いじめゼロに向けた新アプローチ「寝屋川モデル」について
※寝屋川モデルと呼ばれる「いじめゼロ」に向けたアプローチが全国的に有名で、国や各自治体からも注目されている。
▼視察の目的
寝屋川市では、いじめを教育現場のみで解決すべき問題とせず、子どもの人権侵害に関わる行政課題として捉え、市長部局が直接関与する独自の対策を実施している。本視察は「いじめ対応における教育・行政・司法の役割整理」「市長部局(監察課)が担う行政的アプローチの実態」「条例・補助制度を含めた具体的な制度設計と運用状況」を把握し、本市における今後の施策検討の参考とすることを目的として実施した。
▼寝屋川市の概要およびいじめ認知の状況
寝屋川市は大阪府北河内地域に位置する中核市であり、市立小学校23校(児童数9,917人)、市立中学校12校(生徒数5,007人)を有している。市で認知されたいじめ件数は以下のとおりである。
・令和元年度 172件
・令和2年度 169件
・令和3年度 183件
・令和4年度 337件
・令和5年度 431件
・令和6年度 554件
これらの数値は年々増加しているが、寝屋川市では、いじめを積極的に拾い上げ、早期に行政が把握する体制を構築した結果として説明を受けた。
▼監察課設置による行政的アプローチ
寝屋川市では、令和元年10月に市長部局・危機管理部内に監察課を設置し、市独自のいじめ対策を開始した。監察課は「いじめを人権問題として捉える」「学校・教育委員会とは異なる立場で関与する」「事態の長期化を防ぎ、早期収拾を図る」ことを役割としており、教育的指導とは別ルートでの対応を可能としている。
▼教育的アプローチと行政的アプローチの並走
寝屋川市の特徴は、いじめ対応において、教育的アプローチと行政的アプローチを並走させている点にある。どちらか一方のみを強化しても課題は解消されず、2つのルートを併存させることが重要であるとの考え方が示されている。
・教育的アプローチ
主体→学校・教育委員会、目的→人間関係の再構築、特徴→時間をかけた指導・関係修復
・行政的アプローチ
主体→市役所(監察課)、目的→いじめの即時停止・事態の早期収拾、特徴→短期間での判断、是正勧告、第三者的視点
▼いじめ対応における三権分立的整理
いじめ問題を以下の3つの側面から整理している。①教育的アプローチ(教育の問題)、②行政的アプローチ(人権問題)、③法的アプローチ(法的責任の問題)
この整理により、教育だけでは解決が困難な事案、教職員対応に課題がある事案、法的支援が必要な事案について、それぞれの役割を明確にして対応している。
▼被害児童等支援に関する補助制度
いじめ被害を受けた児童・生徒等を対象に以下の補助制度を実施している。
弁護士相談・委任に要する費用(30万円)、転校に伴う制服・体操服等の購入費(15万円)、通学に係る交通費、被害を受けた物品の買い替え費用(1万円)。これらは条例および要綱に基づき運用され、被害者側の経済的負担軽減を図る制度として位置づけられている。
▼いじめ情報の収集と早期発見
いじめの情報収集として、市立全小中学校の児童・生徒を対象に、毎月1回、いじめ通報促進チラシを配布している。相談手段としては、手紙、メール、フリーダイヤル、市公式アプリ、LINEなど複数の方法が用意されており、令和6年度には監察課に186件の相談が寄せられ、そのうち63件がチラシによる相談であった。
▼条例による位置づけ
「子どもたちをいじめから守るための条例」を制定し、いじめを人権侵害と明確に位置づけ
市長の調査権限、勧告内容、保護者・地域住民の責務、等を規定している。
条例により、行政が主体的に関与する根拠が明確化されている点は、本モデルの大きな特徴である。(いじめの定義→条例の第2条で規定、国の定義より広い範囲に)
▼視察を通じて得られた所見と鎌倉市
いわゆる「寝屋川モデル」は、「いじめをゼロにすること」を理念として掲げる一方で、現実的にはいじめを早期に把握し、速やかに介入し、被害児童生徒を支えることを重視した制度であると受け止めた。いじめ認知件数の増加についても、見過ごさず、学校のみで抱え込ませず、行政が関与する体制が構築された結果、潜在化していた事案が表面化しているものと捉えられており、同市においては必ずしも否定的に評価していないとの説明があった。
同市では、危機管理部監察課が本事業に関与しており、その業務は監察課単独の取組にとどまらず、複数の関連施策と連動して実施されている。
監察課単独では約806万円の予算規模となっており、これには補助金約70万円、印刷費等(特に印刷関連費用が大きい)を含め、さらに会計年度任用職員の人件費等を含めると、決算額は約980万円規模に達しているとの説明を受けた。
このことから、制度の維持には一定の財政的・人的負担を継続的に伴うことが確認できた。
情報共有や事案の取り扱いに関しては、意図的な情報の隠蔽は行っていないとの明確な説明があり、学校・教育委員会・関係部署間での共有を重視している点が強調された。一方で、教職員の業務負担については、電話対応や経過報告等の事務的負担が増加していることは事実であり、現場の負荷が高まっているとの認識も示された。
被害者支援に関しては、転校を選択せざるを得ない場合の転校費用補助について、被害児童生徒に限らず、必要に応じて加害児童生徒側にも対応しているとの説明があった。一方で、加害児童生徒への心理的ケア等については、同市としては被害者側の支援を最優先とする考え方を採っており、加害者へのケアを主目的とした取組は行っていないとのことであった。
また、本事業の導入理由については、いじめ問題が特段深刻化していたことへの直接的対応というよりも、子育て世帯を誘引するための子育て政策の一環として位置づけられているとの説明があり、同市の人口政策・子育て施策と一体的に展開されている点は特徴的である。
以上を踏まえると、寝屋川市の取組は、いじめを学校内部の問題にとどめることなく、行政が責任主体として関与する仕組みを制度として明確化した点に大きな意義がある一方、職員負担や財政規模、人材育成を含む体制整備を前提とした「覚悟ある運用」が不可欠であることも明らかとなった。
本市において今後いじめ対策を検討するにあたっては、
・教育と行政の役割分担の整理
・行政が関与する根拠や判断基準の明確化
・被害児童生徒支援の具体化と継続性の確保
・財政的・人的負担を含めた持続可能性の検証
といった観点から、寝屋川モデルの考え方を参考にしつつ、本市の実情に即した制度設計を慎重に検討していく余地があると考える。
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