2026/5/22
資格なしは失格。

後継者不足に悩む中小企業にとってM&Aは今や事業承継の重要な手段となっている。しかし市場拡大の裏で悪質な仲介業者によるトラブルが相次ぎ、政府はついにM&A仲介業者向けの資格制度導入へ動き始めた。これは単なる業界改革ではなく日本の中小企業を守るための制度整備である。これまでM&A仲介業には宅建士のような国家資格が存在せず、極端に言えば誰でも「M&Aアドバイザー」を名乗ることができた。中小企業庁は2021年に登録制度を導入したもののトラブルは減らなかった。背景には経営者の高齢化と後継者不足によってM&A需要が急増したことがある。
悪質事例も数多く表面化している。仲介会社が問題の多い買い手企業を把握しながら案件を成立させた疑いが報じられ、介護事業者側が損害賠償訴訟を起こしたケースもあった。また、買収後に会社資産を抜き取り、経営を放置する悪質な買い手の問題も深刻化している。さらに大手仲介会社で売上計上を巡る不祥事まで発覚し、成約至上主義への批判が強まった。M&A仲介は成功報酬型が多く成立させれば利益になるという構造を持つ。そのため、本来なら慎重に検討すべき案件でも契約成立を優先してしまう危険性がある。M&Aは単なる企業売買ではない。従業員の雇用や地域経済、長年築いた信用まで左右する重大な決断である。
こうした事態を受け、政府は「中小M&A資格試験(仮称)」の創設を検討している。2026年度以降の導入が想定され、財務、法務、企業価値評価、職業倫理などを問う内容になる見込みだ。一定の知識と倫理観を制度的に確認しようという狙いがある。もっとも、資格制度だけで問題が解決するわけではない。仲介会社が売り手と買い手双方から報酬を受け取る両手取引の構造には利益相反の問題が残る。制度が形だけになれば意味は薄い。必要なのは、企業を単なる商品として扱わず地域社会の資産として未来へ引き継ぐ責任感である。今後、事業承継型M&Aはさらに増える。だからこそ、仲介業者の質をどう担保するかは日本経済全体の信頼に関わる問題である。
#M&A仲介資格制度 #中小M&A資格試験 #悪質仲介業者
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>坂本 雅彦 (サカモト マサヒコ)>M&A仲介資格制度を創設し悪質業者の根絶へ