2026/9/10

府中市議会議員の渡辺しょうです。
本日9月10日は基地等跡地対策特別委員会が開催されました。
府中基地跡地の留保地に、新しい公園と新総合体育館、そして新設の幹線道路が生まれようとしています。府中のまちの姿を、この先何十年と左右する大きなプロジェクトです。本日の内容をご報告します。
基本計画の検討体制として、新たに附属機関「府中基地跡地新公園検討協議会」が設置され、高野市長から諮問が行われました。委員構成は、公園・スポーツ・平和等に関する学識経験者、スポーツや地元関係団体が推薦した方、公募市民の合計11名です。開催は令和8年度中に4回、令和9年度中に3回の合計7回を予定し、令和9年度中の基本計画策定に向けて検討を進めていきます。第1回は6月26日に開催され、資料は府中市のホームページに掲載されています。
計画づくりは、これまでの「前提条件の整理」から、いよいよ「コンセプトの検討」の段階に入りました。市民アンケートの結果や、防災・環境・交通といった行政課題を整理したうえで、コンセプト案の作成が進められています。委員会でも意見を聴きながら整理を進めていくとのことです。
市民意識調査は、7月から8月にかけて、一般(300件)、小・中学生(744件)、小・中学生等の保護者(1,778件)を対象に実施され、合わせて2,822件もの回答が寄せられました。
「公園整備で重要視する内容」で多かったのは、緑豊かでリフレッシュできること、広々とした空間で自由に過ごせること。「公園に求める機能や場所」では、休息・休憩する場所、自然と触れ合える場所、今までにない新しい遊具、ボールを使って遊ぶ、水遊びをする、が上位に並びました。一方、「懸念点」として挙がったのは、ゴミやマナーの問題、暑さ対策・休憩場所、防犯です。
自由記述では、子どもから高齢者まで幅広い世代が遊び、運動できる場にしてほしい、カフェ・飲食・休憩機能を充実させて長時間過ごせる空間にしてほしい、自然を感じられる公園にしてほしい、暑さ対策として日陰・屋根付きスペースがほしい、誰もが安心して使える清潔なトイレを整備してほしい、といった声が寄せられました。この分析結果は第2回の協議会で取り扱われ、整備の方向性やゾーニングの検討の参考にされます。
質疑では、近くにある「府中の森公園」などとの差別化をどう図るのかという点が議論になりました。カフェなどの売店設置についても、面積等の条件があるため、制度を確認しながら実現可能な範囲で検討していくとの答弁です。
また、これだけの規模の事業を進めるにあたっての組織体制については、総合計画に基づき、課題や改善の必要に応じて、時期を見て検討していくとの説明がありました。
新公園に関する住民説明会は、コンセプト案が固まり次第、年明け(令和9年1〜2月頃)に、自治会など対象を絞って実施する方針とのことです。
新総合体育館については、6月から8月にかけて、府中市スポーツ協会および加盟する21団体との1回目の意見交換が行われました。
寄せられた主な要望は、十分な駐車台数と料金への配慮、用具の搬入動線、競技特性に応じた床材や空調などの環境、倉庫・備品スペース、観客席や控室の確保など。実際に使う方々ならではの、具体的で切実な内容です。今後も定期的に、また必要に応じて進捗報告や要望の聴取を続けていくとのことでした。
事業手法については、今年度に需要予測調査を実施したうえで、施設計画や事業収支を検討し、年末から年度末にかけて民間活力導入可能性調査を実施する予定です。図書館でのPFIの実績を踏まえ、体育館単体ではなく公園全体での導入も視野に入れて検討していくとのこと。委員からは、法務や建設に強い庁内横断的な専門チームの組成が重要ではないかとの意見も出されました。
体育館の検討が先行していますが、公園の基本計画策定と一体的に進めているとの説明でした。
留保地内を通る新設の幹線道路(市道3-478号)については、米軍通信施設跡地等を除いた区域において、財務省との間で無償貸付契約が締結されました。今後、道路の整備にあたり支障となる樹木約4,500本の伐採を進めます。道路にかかる部分は、すべて抜根まで行うことになります。伐採した木は再資源化施設へ搬入される予定で、伐採工事は令和8年度中に完了する見込みです。
協議事項の報告第88号では、この「府中基地跡地留保地道路新設部伐採抜根工事」の契約状況が報告されました。契約金額は1億2,463万円、工期は令和8年7月9日から令和9年3月4日まで、契約の相手方は株式会社玉川造園です。工事場所は浅間町1丁目9番地内。報告は了承されました。
なお、この道路の供用開始は、公園の開業と同じ時期である令和15年を予定しています。
4月に実施された調査では、この地でオオタカの生息が確認されています。府中市は、年に1〜2回招聘している有識者に相談しながら、希少猛禽類の営巣期を避け、騒音にも配慮して工事を進めるとしています。また、希少生物の生息調査の結果に基づき、移植が可能な植物は移植を終えてから伐採に着手する方針です。
敷地内の竹林については、残置の可否や再利用も含めて、今後方針を決定していくとのこと。国の基本方針は現状のまま管理するというものですが、府中市としては老朽建物の解体など適切な管理を要請しており、樹木についても引き続き意見を伝えていくとの答弁でした。
「4,500本を伐採」と聞くと、驚かれる方も多いと思います。ただ、この一帯の樹林は、長い間ほとんど手が入らないまま繁茂した雑林です。私たち会派、市民フォーラムは、この緑を「そのまま手つかずで残す」ことを目的にするのではなく、しっかりと手を入れて管理していくべきだと考えています。手入れの行き届かない雑林は、日が差さず下草も育たないため生きものの多様性がかえって乏しくなり、倒木や枯れ枝の危険、見通しの悪さによる防犯上の不安といった課題も抱えます。伐採した木を再資源化することはもちろん、新しい公園にふさわしい樹種を選んで植え、育て、手入れを続けていく。人が安心して過ごせ、次の世代に引き継げる緑をつくることこそが、この土地に対する責任だと考えています。オオタカをはじめとする希少な生きものへの配慮と両立させながら、計画的な管理を府中市に求めてまいります。
財務省による老朽建物の解体工事については、跡地内の全11棟の解体契約(工期は令和9年2月19日まで)が締結され、準備作業が始まっています。対象となるのは、令和7年5月に改定した「府中基地跡地留保地及び米軍通信施設跡地利用計画」における保全区域内の建物で、工事は令和8年度中に完了する予定です。このうち10棟でアスベストが確認されており、法令を遵守して除去を行うとのこと。歩行者や近隣の方への影響が懸念される美術館通りに隣接する建物の解体にあたっては、パネル養生を実施するなど、周辺への安全に配慮しながら進めるとの説明でした。現時点で市民からの問題の報告は特にないとのことです。解体される建物については、現地で記録を取得し、アーカイブ化することが想定されています。公表の方法は今後の検討課題です。
法務省関連施設(関東医療少年院跡地等)については、令和6〜7年に物件調書が作成された後、民間への売却という処分の方向で動く見込みですが、具体的な新しい情報はありません。国に手続きの進展を働きかけながら動向を注視するとのことで、委員からは美術館の誘致など、地域活性化に資する活用への期待も示されました。また、周辺の夜間の暗さや防犯上の不安についての質問に対しては、財務省による警備巡回と外灯の設置が説明され、市としての見回り強化も求められました。国有地の払下げに際しては、府中市は行政需要調査を基に活用の意向を回答する準備を進めています。
都市整備用地(三井不動産)の開発については、府中市地域まちづくり条例に基づき、令和8年9月7日に開発行為に関する協定が締結されました。今後、東京都による開発許可の手続きが進められます。埋蔵文化財の追加調査が必要となったため工期は令和9年3月末まで延長されましたが、事業者によれば開業時期への影響はないとのこと。商業施設の建築計画については別途協議が進んでいます。
一方で、近隣にお住まいの方から「事業者からの情報提供が少ない」という声が寄せられており、市に対して、事業者へ丁寧な説明と良好な関係づくりを促すよう要請がありました。大きな開発ほど、周辺にお住まいの方への説明が事業の成否を分けます。ここは府中市からしっかり働きかけてほしいところです。
このほか、府中市内の道路整備として、美術館通りの北側歩道について、留保地に面している区間の拡幅工事が進められており、供用開始は令和8年10月頃を目指しているとの報告がありました。医療少年院跡地脇の道路拡幅については、地区計画の中で4mへの拡幅を優先的に整備する方針です。
府中基地跡地留保地及び米軍通信施設跡地利用計画に基づいた土地利用を推進するため、府中市の都市計画マスタープランにあたる「府中市都市計画に関する基本的な方針」の一部を改定する手続が進められています。今後、説明会やパブリック・コメント手続を実施しながら、令和8年度中の一部改定を予定しているとのことです。
まちの将来像を定める最上位の都市計画の方針にも、跡地の姿が書き込まれていくことになります。パブリック・コメントは、どなたでも意見を出せる大切な機会です。実施の際にはぜひご注目ください。
隣接する調布基地跡地についても報告がありました。8月21日には東京都庁で「調布基地跡地関連事業推進協議会関係課長会」が開かれ、東京都、三鷹市、府中市、調布市の課長級職員が出席。調布基地跡地の状況と、留保地の活用による施設整備が議題となりました。
このうち跡地の状況については、令和6年度末の多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画の見直しにより野川水再生センター計画が廃止となったことを受け、東京都の都市整備局がその計画地(26.8ha)の利活用等に関する調査・検討を、下水道局がポンプ所や流域下水道幹線の施設計画、概算費用・工期の検討を、それぞれ委託して進めています。両局の委託調査を踏まえ、土地の利活用の可能性や下水道施設整備の検討にかかる基礎的資料について、関連部署と調整しながら引き続き検討中とのことです。ポンプ所候補地に関連して、府中市側の暫定スポーツ施設への影響を心配する声もありますが、現時点で具体的な話はなく、市として引き続き注視していくとの答弁でした。
留保地の施設整備については、土地利用構想の図面が示されました。天然芝フィールド、人工芝グラウンド、テニスコート、多目的コート、遊具スペースや水遊びスペースなどを備え、平常時はスポーツ・レクリエーションの場として、災害時には一時避難場所や物資集積エリアとして活用し、防災備蓄倉庫も設置する計画です。駐車場は市民利用とFC東京利用の共用。周辺境界から15mの範囲には建築物を配置せず、既存樹木も可能な限り残す方針が示されています(計画段階であり、今後変更の可能性があります)。
調布市は7月に、防災・スポーツ・レクリエーション公園の整備に関する土地利用構想の説明会を開催しています。調布側の開発により森がグラウンド化されることに伴う雨水浸透機能の低下など自然環境への影響については、調布市が自然環境調査を実施し、可能な限り樹木を保全する方針であると説明されました。
「府中基地跡地留保地ニュース」第17号が、9月に発行されます。新公園検討協議会の設置と検討の開始、市民意識調査の結果、財務省による建物解体工事のお知らせ、道路整備の進捗、都市計画マスタープランの一部改定などが掲載されます。
跡地の整備は、完成までに長い時間がかかります。だからこそ、いま何が決まり、何がこれから決まるのかを、そのつどお伝えしていくことが大切だと考えています。ぜひニュースにも目を通していただければ幸いです。
府中基地跡地は、府中に残された最後の大規模なまとまった土地と言われる場所です。ここに何をつくり、どう手を入れていくのか。公園も、体育館も、道路も、完成すれば何十年と使われ続けます。
市民の皆さんの声が、コンセプトが固まる前のいまの段階でこそ生きてきます。今回のアンケートに2,822件もの回答が寄せられたことは、それだけ多くの方がこの土地の未来に関心を寄せている証だと感じました。「こんな公園だったら通いたい」、「体育館にこれがあれば」というご意見があれば、ぜひお聞かせください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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