2026/7/27
昨日、寝屋川市・広瀬慶輔市長の特別講座を受講しました。学ぶべき点が非常に多く、和光市政に持ち帰りたい視点を書き留めておきます。
寝屋川市とは、昨年10月に文教厚生常任委員会の行政視察で訪れて以来のご縁です。視察の主目的は「いじめゼロへの新アプローチ」。市長部局に常設した「監察課」が、いじめを人権問題として即時停止に動き、被害を受けた子どもを守り切る仕組みで、担当課から詳しくお話を伺いました。今回の講座では、その制度導入を推し進めた市長ご本人の"生の声"を聞くことができ、政策の背景にある信念に触れられたのは大きな収穫でした。
視察の帰り、市役所から駅へ向かう途中、駅前の市の施設「寝屋川市サービスゲート」に立ち寄りました。文教厚生常任委員会の所管ではありませんが、思わず足が止まりました。従来は市役所に行かなければならなかった手続きの多くが、ここで完結します。市の施設とは思えない、まるでホテルのようなおしゃれな空間で、ホテルのコンシェルジュのような職員が来庁者を案内していたのが印象的でした。
公共施設はしばしば「ハコモノ」と揶揄されます。しかし寝屋川市は、単に"ハコ"を建てるのではなく、施設に"メディア"としての役割を持たせています。その徹底ぶりは、施設の入札でも、デザインの段階から市長自らがコンセプトを伝え、時には床材の指定にまでこだわるほどだそうです。市の公共施設は、施工業者が変わっても統一したデザインコンセプトで貫かれているのです。
まさに「デザインの魂は細部に宿る」。大学でデザインを学んだ私にとっても、深く共感するお話でした。こうした作り込みが、開館3か月で10万人を集めた「こども図書館+plus」の成功の背景にもあるのだなと思います。
これらすべての根底にあるのが、「私は経営者なので」という市長の経営者としての視点です。そしてこの経営感覚は、市長個人にとどまりません。「寝屋川版MBA」と呼ばれる管理職養成課程を通じて、幹部職員にまで経営的な思考が徹底されているのです。
さらに感心したのは、"攻め"と"守り"の両立でした。新しいおしゃれな施設を生み出す一方で、役割を終えた公共施設は思い切って廃止し、その削減量を「ダウンサイジングストック」として市民に公開・見える化しています。人口減少のもとで将来の改修・更新費をどう抑えるか——耳あたりの良い話だけでなく、痛みを伴う施設の統廃合まで正面から市民に示す姿勢は、和光市でも学ぶべきだと感じました。
そして象徴的なのが、市長ら特別職の給料を市民評価と連動させる、全国初の「市民評価連動型給料」です。肯定的評価が上回れば満額、否定的評価が上回ればその割合で最大3割まで減額する仕組みで、市長だけでなく副市長・教育長も対象。直近の市民意識調査では約9割が「評価する」と回答し、満額が支給されることになりました。市民満足を、そのまま経営の指標に据えているわけです。
民間企業であれば、売上に応じて利益が確定し、その利益を社員に分配するのが当たり前の話です。零細企業で赤字ならば、経営者の給料はゼロということも珍しくありません。一方で市政運営には利益や赤字といった概念がなく、大きな問題さえ起こさず任期を全うすれば、市長はそれなりの報酬と退職金を任期ごとに得られます。だからこそ、市民満足という"成果"を報酬に直結させる寝屋川市の仕組みは、公共の世界に経営責任を持ち込む画期的な試みだと感じました。
現場を視て、今回その哲学を伺う——。一貫していたのは、「市民満足の向上を最優先する」という揺るぎない姿勢でした。和光市にも、こうした市民本位で経営感覚を備えた市政運営を根づかせていきたい。改めてそう強く感じた一日でした。



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