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【討論全文】令和8年度東京都補正予算に反対しました

2026/6/29

はじめに

2026年6月24日(水)に開催された令和8年第二回定例会 最終日において、地域政党 自由を守る会として補正予算等議案に反対を表明し、その理由を討論で述べさせて頂きました。

納税者である都民の皆さま、一人一人に現在の東京都の現状や実態について知って頂きたく、討論の模様を動画と文字にしてお伝えさせて頂きます。

補正予算は賛成多数で可決されてしまいましたが、我々の討論をご確認頂き、是非忌憚ないご意見お寄せ頂けますと幸いです。

以下、討論全文となります▼

私、さんのへあやは、地域政党自由を守る会を代表し、知事提出第123号議案、第126号議案及び第148号議案に反対、その他の知事提出議案に賛成、議員提出議案第11号及び第12号に反対の立場から討論します。

先ず、知事提出第123号議案、令和8年度 東京都一般会計補正予算第一号についてです。
本補正予算は「中東情勢による原材料・エネルギー価格の高騰への緊急対策」と銘打たれています。しかし、委員会質疑を通じて明らかになったのは、国際危機の深刻化に便乗し、従来の環境政策や長期投資を滑り込ませた、まさに「火事場泥棒」とも言うべき実態であります。

現在進行形のコスト高騰に喘ぎ、今日の電気代、今日の燃料費、明日の資金繰りに苦しんでいるのが都民や中小企業の切実な現状です。にもかかわらず、今回の新規事業の多くは、最長3年間の債務負担行為を伴う中長期の技術開発投資です。
特にスタートアップ戦略推進本部所管の「資源・エネルギー等レジリエンス強化事業」は、総額13億円もの予算枠をあらかじめ固定化する長期プロジェクトでありながら、当局は「本事業は構造転換の加速が担当であり、足元の不安払拭事業ではない」と答弁しました。では、何のための補正予算であり、何のための緊急対策なのでしょうか。
都民の不安を払拭しない緊急対策など、断じて容認できません。

我が会派は、「令和8年度中に石油消費を何キロリットル削減し、電気代や物流費を具体的に何円下げるのか」という、当然の費用対効果を問うてまいりましたが、当局答弁は「中長期的な構造転換を目指す」といった抽象論ばかりで、足元の危機を、いつ、どれだけ、どう軽減するのかという実利の数字は、最後まで示されませんでした。

本補正予算の構造を、数字で見てもその本質は明らかです。
総額542億円のうち、「エネルギー構造の転換等に向けた先駆的施策」が173億円。
その中でも、ZEV、すなわち電気自動車等の普及促進事業に83億円、再エネ・蓄エネ設備導入促進に22億円、省エネ設備導入支援に36億円と、「脱炭素化に向けた取組の強化」だけで実に123億円です。

そして、その財源には「ゼロエミッション東京推進基金」から141億円が繰り入れられています。中東情勢を理由に編成された緊急予算でありながら、その財源の出どころは、もともと環境政策のための基金。これは「中東情勢対策に名を借りた、ゼロエミ予算の使い回し」ではないでしょうか。

制度設計にも重大な問題があります。新規補助事業の採択や審査基準は、いずれも「今後、募集要項等で定める」とされています。先に予算、後から基準を設けるこの設計で、公金の使途を本当にチェックできるのでしょうか。
さらに、既存の中小企業制度融資においては、信用保証協会の代位弁済、すなわち焦げ付き実績が、令和2年度の83億円から令和6年度には581億円へと約7倍に急増しています。

にもかかわらず、本補正の経営安定融資の要件を緩和し、こ売り上げ減少の数値要件を撤廃し、保証料補助の対象も「小規模事業者」から「全事業者」へ拡大することとしています。
苦しい事業者を支えることは必要です。しかし、経営悪化の客観的指標であった数値要件を撤廃し、出口も責任も曖昧なまま門戸だけを一気に開けば、これは支援ではなく、採算の取れない低効率な投資のばらまきを招きかねません。

そして、予算配分の不公平も看過できません。高額な車両を購入できる特定事業者や富裕層に利益が集中する電気自動車補助は、令和5年度の執行率が46.4%と半分以下に低迷しているにもかかわらず、価格上昇を理由に上限額をEVで100万円から130万円へ、PHEVで85万円から115万円へと、一気に30万円も引き上げています。その額、合計83億円。

一方で、台風被害や原油高の荒波で崖っぷちに立たされている島しょ地域の漁業者が直面する「島しょ漁業資材高騰緊急対策事業」は、わずか0.4億円。ZEV普及促進事業の、実に200分の1です。

八丈島の伝統食品「くさや」の現場では、真空パック用の袋などが3割も高騰し、伝統食文化の断絶、事業者のリアルな撤退危機に直面しています。さらに「持続可能な東京農業支援事業」に至っては、わずか3百万円、つまり0.03億円。これはZEV普及促進事業の、なんと約2,800分の1です。
電気自動車を買える人には厚く、島しょの漁業者や農業者には薄い。
これが本当に、中東情勢の影響を受ける都民への公平な緊急対策と言えるのでしょうか。

また、エネルギー安全保障の観点からも問題があります。
中東情勢への本来の対応は、「石油を悪者にして特定の代替技術へ補助金で誘導すること」ではなく、燃料、調達先、供給インフラを確保し、危機時にも都民生活と中小企業の事業継続を守ることであります。
電気自動車についても、石油の中東依存を減らす名目で、電池や重要鉱物の特定国への依存度を高めるのであれば、安全保障上、本末転倒です。

さらに、世界の潮流に背を向けた都政の姿勢にも、強く警鐘を鳴らさなければなりません。本年6月、ロンドンのカーン市長、米フェニックス市のガレゴ市長、豪メルボルン市のリース市長ら、世界40都市の首長が「グローバル・アーバン・データセンター協定」を結びました。AI需要の急増により、世界の主要都市では、データセンターが電力、水、地域社会へ与える負荷を抑えるため、都市としての住民を守るための基準作りが始まっています。

ところが東京都は、先月にはデータセンターの廃熱利用に事業者補助の募集を開始するなど、増え続けるデータセンターを前提とした後追いの対症療法にとどまっています。
ゼロエミッションを掲げるなら、まず守るべきは、都民の生活環境です。
電力も、水も、地域生活も守らず、業者支援だけを積み上げる姿勢は、到底容認できません。
よって、中東情勢に名を借りた、理念先行、効果不明、ゼロエミ焼け太りの本補正予算には、断固反対します。

次に、知事提出第126号議案、東京都都税条例の一部を改正する条例についてです。
本議案は、再生可能エネルギー発電設備に係る固定資産税の特例割合を定めるものです。
一見、技術的な改正に見えますが、特例の適用範囲や割合の設定によって、対象事業者の実質的な税負担を変動させる仕組みです。
物価高に苦しむ都民・事業者の現実を踏まえ、地域政党自由を守る会は、あらゆる増税に反対の立場から、本議案に反対します。

次に、知事提出第148号議案、葛西臨海水族園、仮称、整備等事業契約の変更についてです。本事業は、入札時から不透明さが指摘されてきました。
より低い価格を示した事業者ではなく、約9億円高い事業者が落札者となり、施設整備費約268億円の内訳書は黒塗りのままです。
そして今回、総額約187億円もの増額議案が提出されました。元の施設整備費に対し、実に約7割もの大増額です。包括契約であるはずなのに、物価高などを理由にここまでの増額を認めるのは、異常と言わざるを得ません。
特に看過できないのは、増額分の約187億円のうち、約64億円が「鳥インフルエンザ対策等の追加対応」とされている点です。
葛西臨海水族園は、世界最大級のペンギン展示場を有し、多くのペンギンを飼育する施設です。鳥インフルエンザ対策は、後から気づいて足すものではなく、当初から組み込まれているべき、施設整備の基礎中の基礎です。
それが今になって64億円もの追加対応を要するというのであれば、当初の設計・契約そのものが、生き物を扱う水族園としての基本的な備えを欠いていたと認めるに等しいのではないでしょうか。
上田都議が指摘したとおり、予算オーバーを把握しながら十分に公表せず、地下の掘削や樹木の伐採などの工事を進め、後戻りできない段階で巨額の追加負担を求める。このような後出しの予算膨張を、都議会が追認してよいはずがありません。
工期遅延の真の原因、予算膨張の理由、そして誰が責任を取るのか。これらについて納得できる説明はありませんでした。よって、本契約変更には断固反対します。

次に、議員提出議案第11号及び第12号についてです。
修学旅行費や教材費等の保護者負担軽減を求める趣旨については、私も3人の子どもを持つ母親として一定の理解をいたします。しかし、すでに都内の基礎自治体では、それぞれの地域の実情や財政状況を踏まえ、独自に無償化や補助拡充に取り組む動きが進んでいます。基礎自治体が住民との対話を重ね、地域に応じた制度設計を行うことは地方自治の本旨です。都が一律の制度として上書きすることで、自治体の創意工夫や合意形成を阻害しかねないことから、趣旨は理解しつつも、反対します。

最後に、本定例会の議事運営について申し上げます。本定例会においても、理事者による答弁漏れ、知事による答弁拒否が散見されました。

小池知事は2018年オリンピック憲章条例制定にあたって「首都東京として、オリンピック憲章にうたわれます、「いかなる種類の差別もあってはならない」という、人権尊重の理念を実現していく」と宣言されているにもかかわらずこれは明らかな議員差別と言わざるを得ません。

繰り返される差別的対応に際して、公平公明な取り払いを求め、私は会派を代表して議事進行を求めましたが、議長はこれに対応されませんでした。

これは、我が会派だけの問題ではありません。少数会派だから、無所属だから、意に沿わないから、答弁しなくてもよい。そのような空気を議会が許せば、次に軽んじられるのは、ここにいる一人ひとりの議員と、有権者である都民です。

二元代表制の元、都民に代わって問い、行政をただし、必要であれば権力に歯止めをかけるための制度です。
その議会で、知事が耳の痛い質問を避け、議長が議事進行を取り上げないのであれば、議会は自らの存在意義を失います。

私たち第22期東京都議会議員の任期が始まって、まもなく1年となります。
一年前の昨日6月23日、私たちはそれぞれの選挙区で、都民から議席を託されました。
私も、都内最多得票という重い負託をいただき、この議場に立っています。

今の都議会を、私たちは胸を張って有権者に説明できるでしょうか。
その現実を、地元の皆様に堂々と語れるでしょうか。
ましてや、子どもたちに「これが民主主義の議会の姿だ」と恥じる事なく説明できるでしょうか。
私はできません。

考えが違っても、会派が違っても、守らなければならない一線があります。
それは、議員の質問権であり、都民の知る権利であり、議会制民主主義そのものです。

私たち地域政党自由を守る会は、これらを軽んじ、否定する様な議会の悪しき慣習一つ一つと真正面から向き合い、これを正していく決意です。

権力に屈せず、忖度せず、地域住民と地域最優先で、是々非々の立場で都政に臨むことを改めて誓い、本定例会に提案されたすべての各議案に対する討論を終わります。

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選挙 東京都議会議員選挙 (2025/06/22) [当選] 51,787 票
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肩書 元江東区議会議員/店舗経営者
党派・会派 無所属
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