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種田 昌克 ブログ

「14歳が二度あるか」

2026/7/3

ラジオを聴いていて、思わず聞き入ってしまう手紙に出会いました。
差出人は、スポーツ庁長官の河合純一さんです。
河合さんは、パラリンピック競泳の金メダリストであり、現在はスポーツ庁長官を務めておられます。しかも、かつては母校である舞阪中学校の教壇に立った中学校教師でもありました。
その河合さんが、かつての教え子たちに向けて書かれた手紙の題材が、「14歳が二度あるか」という言葉でした。
舞阪中学校の正門近くにあるという石碑の言葉。
「14歳が二度あるか」。
この言葉は、ただ中学生に向けた励ましの言葉ではありません。私たち大人にも深く刺さる言葉です。14歳は一度しかない。しかし同時に、50代の今日も、60代の今日も、人生のどの一日も二度とは戻ってこない。そう考えると、今という時間の大切さを改めて感じます。
河合さんは手紙の中で、教師をしながら水泳のトレーニングを続け、パラリンピックで金メダルにこだわった理由を、こう語っていました。
「夢を叶えるということは、決して簡単なことではない」
そして、それを「言葉だけでなく、私自身の背中で」伝えたかったのだと。
この部分に、私は特に心を打たれました。
子どもたちに夢を語ることはできます。努力の大切さを話すこともできます。しかし、自分自身が挑戦し続ける姿を見せることは、簡単ではありません。教師として、生徒に向き合いながら、自らも世界の頂点を目指して努力を続ける。その姿そのものが、何よりの授業だったのだと思います。
また、卒業式の後の最後のホームルームについて触れた部分も印象的でした。河合さんは、自分の目には生徒たちの姿は見えていなかったと書いています。しかし、教室の静けさ、緊張感、そして生徒たちとの信頼関係を、肌で、心で感じていたのだと思います。
手紙の中には、こんな言葉もありました。
「人と人とが信頼によって繋がっていくこと」
教育とは、結局ここに尽きるのかもしれません。知識を教えるだけではなく、信頼をつくること。大人が本気で向き合い、子どもたちもまた本気で応えようとする。その関係の中で、子どもたちは自分の未来を考えるようになるのだと思います。
河合さんは、かつての教え子たちに向けて、14歳の頃に描いた夢や目標が今の現実と違っていてもいい、と語りかけています。
「大切なのは、今からでも」
この言葉にも救われます。
14歳は二度ありません。しかし、人生はそこで終わるわけではありません。夢が変わってもいい。目標が変わってもいい。立ち止まる時期があってもいい。大切なのは、今の自分が、また一歩を踏み出せるかどうかです。
私自身も、この手紙を聴きながら、子どもたちに何を伝えられる大人でありたいのかを考えました。立派なことを言うだけでなく、自分自身が挑戦しているか。失敗を恐れず、前を向いているか。地域の子どもたちに、背中で何かを伝えられているか。
「14歳が二度あるか」。
これは、中学生だけに向けられた言葉ではありません。
私たち一人ひとりに向けられた言葉でもあります。
今日という日は二度ありません。
だからこそ、子どもたちにも、大人にも、今を大切にしながら、自分らしい夢や目標に向かって歩んでほしい。
河合純一さんの手紙は、そんな当たり前で、しかし忘れがちなことを、静かに、力強く教えてくれるものでした。

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