2024/4/14
こんにちは。30歳の目黒区議会議員、かいでん和弘です。
いよいよ、目黒区長選挙が始まりました。投票日は1週間後の4月21日(日)、「日曜日は忙しくて…」という方は、15日(月)から毎日、期日前投票ができます。
でも、「だれに投票していいのか分からない」という方もいらっしゃることと思います。そこで、本ブログでは、【無所属中立派目黒区議】の私かいでんが、議員としての目線から各候補の政策を見比べ、所感を書いていきます。
記事内の記述は当然私の主観だらけですが、私は今回、どの陣営の応援にも入っていませんし、正直私自身もまだ誰に投票しようか悩んでいる最中ですので、特定の候補を勝たせる意図はなく、あくまで中立的な立場で書くつもりです。
また、私は現在、区議会で「めぐろの未来をつくる会」の幹事長を務めており、同会派には伊藤ゆう候補を応援している都民ファーストの会、国民民主党所属の議員もおります。しかし、私たちの会派は結成時に「区長選については個々の議員の判断に任せる」という約束を交わしておりますので、今回私は中立の立場を貫くこととした次第です。
さて、前回4年前の区長選挙は、区民の3人に2人が棄権するという残念な結果でした。
一方、今回の区長選は20年務めた現職に対して、新人4人が挑む構図。区長選に5人が立候補するのは、記録が始まった1975年以降で最多となる激戦です。ぜひより多くの方に区長選挙に関心を持っていただくため、また、皆さんが投票したい候補を見つけられるために、私も微力ながらお手伝いができればと考えています。
以降、各候補の政策とそれに対する感想を、ポスターの番号順にピックアップしていきます。
目黒区議1期→都議4期(47歳)
都民ファーストの会、国民民主党推薦
4期務めた都議会議員を辞職しての挑戦です。113項目からなる「まちづくり提案政策集」を配布しており、今回出馬される5候補の中では一番、どのようなことをしたいのかという事が明確に示されています。(なおどうでもいいことですが、「放課後児童の居場所づくり」が2回書いてあるので実質112の政策です。)
特に、「都立高校を活用した避難訓練」など、これまで全然うまくいっていなかった区と都との連携を公約にあげているところは期待したいほか、伊藤候補がこれまでキャッチコピーとしてきた「塾のない社会」に対応した、放課後教室「スタディアシスト」の公立中全校での実施等の政策には特色を感じます。
一方、少々気がかりな部分もあります。
例えば、昨年12月のビラの裏面を見てみると、“停電で、体育館は凍える寒さかもしれません。”という一文とともに、“公共施設への太陽光パネル設置を”と主張されている記述がありました(113の政策にも含まれていますね)。
しかし、目黒区では数年前、全ての小・中学校の体育館に発電・蓄電装置の付いたガス式のエアコンが導入されています。これにより、災害時に停電した場合でも、ガスさえ通っていれば体育館のエアコンは作動します。
また、太陽光パネルを学校の屋上に設置することについても、目黒区が行っていないのには理由があります。現在は新しく校舎を建てた3校(碑小、東山小、中央中)にのみ設置されているのですが、それ以外のほとんどの校舎は旧耐震基準で設計され、その後耐震補強を行った建物となっています。
耐震補強を行った時点では太陽光パネルの設置を見込んでいなかったため、災害時に役立つような一定の大きさのパネルを入れるとなると、構造計算をし直したり、耐震補強を再度行ったりなど、相当の費用が必要になるのです。学校の残りの耐用年数を考えると、必要性があるかどうかは難しいところですよね。
さらに、今後学校の建て替えが各校で始まっていきますが、工事中はどうしても校庭の確保が困難となることがよそうされます。このときに既存校舎の屋上を運動スペースとして使うこともできるのではないかと想定しており、こういったことから区は慎重な姿勢を取っています。
政治経験のある候補者4人の中では一番目黒区政から離れている期間が長いため、どうしても目黒区の現状について隅まで熟知されているわけではありません(仕方のないことです)。ですから、区長になった後に、目黒区特有の事情を汲んで柔軟に方向転換を図るのか、それとも区長としてご自身の政策実現へ強行突破するのか、手腕が問われると思っています。
また、113の政策のなかには東京都の行うべき政策も含まれます。具体的には以下の3点。
もちろん、都議としての経験や人脈を活かし、区長になったら今以上に進むよう調整できるというのなら全く反対はありません。しかし “促進”と言う言葉では分からないのですが、例えば、本来都の行うべき仕事である警察署の建て替えに区の税金を投入するという意味ならば、必要性は悩ましいです。
さらに、「多胎児移動支援(タクシー代1万円配布)」という政策もあがっていますが、目黒区ではすでに、多胎児家庭支援事業「さくらんぼ・めぐろ(多胎児面接)」として、24,000円分のタクシーにも使える商品券をすでにお渡ししています。これに加えてというコト……?
最後に、今回は伊藤ゆう候補と西崎つばさ候補、2人の現職都議会議員が立候補しています。これにより、目黒区選出の都議会議員は3人中2人が欠ける状態となったため、この区長選が終わった後の5~6月に、都議会議員補欠選挙が開催されることが確定しました。
同じようなケースが以前大田区で発生した際に問題になったのが、「都議を辞職して区長選に出馬、落選した方が、その後の都議補欠選挙に出ること」の是非。「自分が辞職したことによって本来やらなくても良かったはずの選挙を多額の税金をかけて行うことになったのに、そこにまた辞職した本人が舞い戻ろうと立候補するのはどうなのか?」と政治界隈では論争になりました(結局大田区の方は都議に再当選しています)。
この点、伊藤ゆう候補は「もし区長選に落選した場合でも都議補選には立候補しない」と明言されており、まさに退路を断っての挑戦となる反面、西崎候補は落選した際の態度を明確にしておらず、政治界隈ではおそらく都議補選に再挑戦するのではないかと予想されています。
ここは、同じ都議でも判断が異なったポイントです。
目黒区議2期→都議2期→現・目黒区長(5期20年)(69歳)
前回は自民党・公明党推薦、今回は推薦無し
5期20年務めた現職区長が6期目の出馬。これを区長最後の任期にすると公言しています。
私が小学6年生の時に、青木区長が少年野球チームの会合にいらっしゃって挨拶をしていたことを思い出しますが、そのくらい長く区長の座に座っていると、やはりどうしても「多選」が批判の的になります(私も長期政権による区政の停滞は強く感じます)。
そうした批判に対応するため、青木候補は今回の選挙公約で、「① 3年で辞職・不出馬とすることで区議選と区長選を同日選挙とする」ことと、「② 身を切る改革として退職金を全額カットする」ことを掲げています。まずはこの2点について補足しますね。
最初に①について。現在は、区議選の1年後に区長選があるために、それぞれで選挙の準備(投票会場設営やポスター掲示用ベニヤ板の設置、選挙啓発など)を行わねばならず、経費が倍掛かっている状況です。これを同日選挙にできれば、だいたい8,000万円ほどの経費節減が図れ、さらに投票率の向上も見込めます。
そしてそのためには、区長が就任3年目の区議選前のタイミングで辞職をし、その後区議選と同時に行われる区長選に自身が再度立候補しないという判断をする必要があります。(3年でやめても、またして立候補したら、任期は4年ではなく1年になり、結局元のタイミングでもう一度選挙となってしまいます。以前明石市長が暴言問題の責任をとるということでやりましたね。)
それだけ聞けば、すごく良い公約に感じるかもしれません。しかし、実は青木区長、20年前の一期目の出馬の時にも同じく「3年で辞職します」ということと、さらに「区長多選禁止条例の制定」を掲げて当選していたんです。しかし、結局この2つはその後相次いで撤回することとなりました(1期目の途中で区長をやめた場合、再度出馬したら結局元通りの任期になってしまうという制度を分かっていなかったそうです。業界では常識だと思うのですが……)。
そのため、こういう過去の経緯を知っている人間からすれば、「何をいまさら……」という思いです。ただ、今からでもやった方が良いのもまた事実。
さらに②の退職金カットについて、あくまでカットするのは次期に当選した場合の退職金のみ。今期の退職金2,000万円はカットするつもりはないとのことです。これは、先日の議会で主に維新の議員から「今期もカットすればいいじゃないか」と追及されていました。
そのほかの政策も見てみましょう。以前のブログで私は、「青木区長には、青木区長だからこそ実現できたと言える独自色のある政策がない」と批判しましたが、驚いたことに、今回の政策の中には、区長の独自と呼べる政策が4つ入っていました。順にみていきます。
・電動自転車のバッテリー交換費用の補助
(かいでん注)条件が書かれていないのでよくわかりませんが、葛飾区や千葉県松戸市では子育て家庭の負担軽減のために電動自転車等の購入費を補助する制度があり、おそらくこれに類する政策なのではないかと思います。
なお青木候補の公式HPでは、“補助制度の創設”としか書かれていません。これは誤植?というかHPに誤植が多すぎて……
・イヌ・ネコの生命に関わる傷病の治療費助成
(かいでん注)これは非常に疑問です。ペットの命を軽んじるわけではありませんが、イヌ・ネコの寿命は人間よりも短く、飼い主は、病気やけがをする可能性や最後は看取ることになる可能性も込みで「飼う」という決断をしているわけで、そこに税金を投入するのが果たして許されるのかは慎重に吟味しないといけないなと思います(イヌとネコ以外の動物はどこまで含めるのかなど、線引きも謎です)。
というか目黒区ではペット防災が全然進まず、このままでは多くのペットたちが避難所の外で雨ざらしになってしまうという状況なのに、そちらを何年も放置しながら区長選挙のタイミングでこの政策を打ち出したことには、なおさら疑問を感じます。
・若者の活躍を支援する「若者未来応援プロジェクト」の実施
(かいでん注)これは全く詳細不明です。若者政策を第一に掲げる私としては、詳細が分かり次第徹底的に吟味したいです。
・区民の皆さんのスキルを地域で生かす「めぐろの達人バンク」の創設
(かいでん注)文化、芸術、スポーツなど様々な分野の一芸に秀でた人材を区が登録し、それを学びたい区民がいたときに、イベント講師などという形で派遣するといった取り組みです。様々な自治体で行われている良い実践だと思います。
また、HP上のマニフェストのなかには「区内全域の路上喫煙、歩行喫煙の禁止」とありますが、青木区長は、前回4年前の区長選直後の2020年の議会で、“今後、区内全域を全面禁煙とする方向性を持った検討を行ってまいりたい”(令和2年第2回定例会(6月18日)より)と発言しています。
そしてこれ以降全く音沙汰がないまま早4年、「他の区長ならもっとスピード感もって決断できるのではないか」と正直思います。さらに言えば、歩きたばこはすでに区内全域で禁止されています。分かっていてあえて書いているのでしょうかね……
青木候補が再任すれば、これまで通り大成功も無ければ大失敗もない、そんな区政運営が続くことでしょう。
青木区長のリーダーシップについては過去ブログで議論していますので、ご参照ください。
また、ポスターには、「23区トップクラス 住み続けたい調査 YES! 95.6%」との記載がありますが、これは特に意味がないので、気にしなくて大丈夫です。理由はこちら。
ちなみに区長にも実績が無いわけではもちろんありません。4年前の区長選の際の分析ブログでは、財政再建などの実績を検証しています。
目黒区議3期(61歳)
自由民主党推薦
3期務めた区議を辞しての挑戦です。区議補欠選挙に後継候補も立てているので、事実上退路を断って立候補しています。
ご自身も保護犬と生活されており、議会でもペットの話題には人一倍熱い思いをお持ちの印象です(超個人的な感想)。ペット関連の政策を重視されている方には、今回青木候補が「治療費助成」という飛び道具(?)を打ち出してきましたが、個人的には河野候補をオススメしたいところです。
政策的にも、区議3期からそのまま立候補していることもあって、区政の現状に即した堅実な政策が並んでいるように思います。個人的には、「区民・こども提案の政策実現」という政策の具体策が知りたいところですね。これまで私が提案してきたこども議会などのようなことも考えているのでしょうか。
一方で、気がかりなのは自民党推薦という点。これまでの目黒区政は、自民党推薦の青木区長と、区議会第一会派の自民党目黒区議団が概ね協調姿勢を取りながら動いてきました。もちろん自民党の区議の皆さんが、区長の方針を全肯定するなどということはなく、議会では時に厳しい指摘を投げかけるような一定の緊張関係にはありましたが、それでも役所から提出される議案には自民党発案の政策も多分に取り入れられ、最終的には自民党もそのすべてに賛成するという表裏一体の関係で区政を担ってきました。
そういった意味では、現在の青木区政の延長線上に近いところでのアップデートにならないかどうか。区議会には河野候補よりも当選回数が多い自民党議員の先輩もいるなかで「どこまで首長としてのプレゼンスを発揮できるのか」、「どのくらい区政を変えられるのか」判断しがたく、現在の区政からの大転換を望む方にオススメして良いものかは悩ましいです。
ただ私も区議としてご一緒した5年間で、河野議員が、青木区長の事なかれ的な区政運営に対してフラストレーションを募らせている姿を議場の内外で何度も見てきました(笑)ので、やはり青木区長とは一線を画した区政運営を期待して良いのではないかと思っています。
なお、河野候補については、区議時代に議場で質問している様子が映像で残っています。青木区長の台本丸読みの答弁も併せてどうぞ。(もちろん都議会議員の2候補の映像も都議会HPにありますが、さすがにそこまでは追いきれず、気になった方は各自検索してみてください……)
会社員(41歳)
5人の中で唯一、政治経験の無いなかで立候補されています。個人のウェブサイトやSNSによる発信も無いので、細かい政策も現時点ではわかりません。ただ、ポスターには「住民税減税」と大きな文字で書いてあるので、おそらくメイン政策であろう住民税の話を書きたいと思います。
住民税についてたまに、「目黒区は近隣に比べて高いよね」と言われることがありますが、それは誤解です。
国の法律である地方税法の中では「標準税率」というものが定められています。これは、地方団体が課税する場合に通常、基準とするべき税率のことで、目黒区を含め東京都内ではどの区市町村もすべてこの標準税率通りの基準で課税されています。したがって、所得や扶養など同じ条件の方であれば、都内どこの自治体でも住民税は同額になります(目黒区だけが高いという状況にはない)。下の中野区の記事が参考になります。
(参考)中野区HP「中野区は他の区より住民税が高いのですか?」
また、なかには独自で独自の税金を徴収している自治体もあります(例えば神奈川県では水源保全を目的とした税金がプラスされています)が、目黒区はそうした独自の超過課税も行っていません。
そのような国の基準が前提にはありますが、とはいえあくまで国の標準税率は“標準”であって“強制”ではないことから、区独自で条例を定めるなどすれば、減税も可能です。
しかし、目黒区の財政状況は決して今後余裕があるわけではありません。今年2月に公表された『目黒区中期経営指針』の中では今後の区の財政見通しがシミュレートされていますが、今後、学校などの施設建て替えが一斉に必要となることから、区の貯金(各種の基金)は減り、借金(特別区債)が増えると予想されています。
目黒区HP『目黒区中期経営指針』P14より
また、名古屋市では10年以上前から市民税の5%減税を行っていますが、これは河村たかし市長が地域政党を立ち上げ、その党所属の市議が第一党になったことでようやく実現したものであり、きちんと区の財政資料を吟味し、また条例を可決させるための多数派工作などの戦略を練ったうえで主張されるならば何も問題ありませんが、一時の人気取りのために打ち出したのであれば、実現可能性は低いです。
ですから、あまり「住民税減税」を当てにせず、他の政策に共感できるかどうかでご判断いただいたほうがいいかもしれません。
目黒区議2期→都議1期(40歳)
立憲民主党推薦
推薦は立憲民主党のみですが、共産党や社民党、生活者ネットなどが支持を表明しています。
政策的には、「子どもの事故予防地方議員連盟」の副会長を務めていることもあって、「学校、地域、家庭など、あらゆる場所で子どもの事故を防ぐプロジェクトに取組みます。」という項目があるのが特徴的ですね(実は私も同連盟の会員だったりします)。
ただ、HPに上がっている政策を見る限り、「誰もが自分らしさを追求できる社会を実現する」といった抽象的なワードが並んでいます。西崎候補のスタンスはわかったとしても、区長就任後、具体的にどういった政策に落とし込んでいくのかが不明です。この「目黒区・子育て丸抱え体制」とかも一体何だろう……
とここまで書いたところで、西崎候補へインタビューした記事を発見しました。
めぐろ区民ジャーナル「目黒区長選挙2024 候補者ロングインタビュー 西崎つばさ 氏」
この記事によれば、どうやら「目黒区・子育て丸抱え体制」とは、和光市の「子育て支援ケアマネジャー」を参考に、断片的な子育て支援事業をつなぎ合わせ、子育て家庭の相談や日常的なコミュニケーションまで一貫して、支援員が寄り添い支えていく仕組みのことのようです。
このお考えには私も賛同しますが、もともと目黒区も同じような考えを持っているようですよ。例えば目黒区の今年度予算案の資料には、
目黒区HP「令和6年度目黒区予算編成概要」P13より
子育て世代包括支援センター(母子保健)と子ども家庭支援センター(子育て支援)の一体化をはかることで、 “妊娠期から出産・子育て期にわたり、妊娠・出産・子育てに関する相談に身近な地域で応じる伴走型相談支援等を実施するなど、包括的な支援体制を構築していきます。”といった文言があったりします。ここは現職のままでもある程度は同じ方向に向かっていきそうです。
さてそんななか、個人的にどうしても推せない政策が一つあります。
「区民センター建てかえはいったん立ち止まって、区民参加で再検討します。」
これをなぜ推せないのか、経緯からご説明します。
昭和49年に建てられた区民センターは、耐震基準を満たさない箇所が複数あるなど、建て替えが急務となっています。そこで、目黒区の一大プロジェクトとして数年前から、区民センター建て替えの構想を進めていたところです。
来年には設計や建て替えを行う事業者を決定できるか、という大詰めを迎えているのが今の状況ですが、PFIの手法を用いる(区民センターの敷地内にマンションなど民間の建物の建築も認めることによって区の費用負担をおさえられる)ことや、比較的新しい(昭和62年築)美術館を取り壊して区民センターと美術館を一体的な建物にする(私は、むしろ展示の幅が広がり美術館の来訪者も増える可能性があるので、良いことだと思っています。)ことに対して、一部から反対の声もあり、議会への陳情なども提出されていました。
もちろん、反対のご意見があるのは分かります。けれども反対の声がなくなるまでずっと寄り添い続けて、「区民との対話」を続けていては、物事は動きません。世の物事のほとんどは「全員が賛成」などということは起こりえず、どれだけ説明・協議しても反対者は出るもの。それでも物事を前に進めるためには、時として、反対者がいたとしても前に進める決断を下すことが必要で、これぞまさに政治家の役割なはずです。
そういった意味で言えば、これまで目黒区では、区民センターの基本構想や基本計画の策定など、あらゆるポイントごとに区民参加や意見募集を行ってきました。また実際に区民からの意見を採り入れてマンション等の建築物の高さを70mから50mまでに引き下げる等の変更もしています。
(行ってきた区民募集の例)目黒区HP「新たな目黒区民センターの基本計画」P8より
また、建て替え反対の声が区民の大半を占めるかと言えば決してそうではなく、地元では新しく生まれ変わる区民センターへの期待の声もありますし、区議会の中でも反対しているのは共産党、れいわ新選組、生活者ネットの議員だけで、むしろ今回西崎候補が推薦を受けている立憲民主党も、美術館取り壊しに対して賛成の立場でした。
「いったん立ち止まる」の「いったん」が、どのくらいの期間を見込んでいるのかは分かりませんが、区の担当者がこれまで苦労に苦労を重ねて調整し、区民参加や意見募集も当然行いながら、ようやく実施方針、要求水準書案の作成にこぎつけ、事業者とすでに前向きな意見交換も始めたのに、それをいまさら「いったん立ち止まる」とは……
区民センターの建て替えは直近の目黒区政のなかで最大のプロジェクトだからこそ、その中断は区政の大混乱と役所のモチベーション低下を意味します。所管委員会の副委員長として過程の一部始終を見てきた私としては、正直それは避けたい思いがあります。
もちろん区民センター建て替えに反対の方は、西崎候補を推していいと思いますし、私も、仮に半数以上の民意がそれを望んでいたならば、受け入れる他ないと思っています。ただ、区民センター建て替えを否定的に思っていない方には、ぜひこの区民センターに関する一文が私や区役所にとって「簡単に読み飛ばしていいものではない」ということを分かっていただきたかったのです。
最後に、私の混迷を極めたブログを最後までお読みいただいたうえで、「だれも投票する人がいないから、白票を投じようかな?」と思ったアナタへ、以下の記事をお送りいたします。
残り6日間の区長選、私も悩みに悩みたいと思います。一緒に考えていただき、ありがとうございました。
《区政の最新情報はこちらから!》
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