2026/7/11
改正個人情報保護法で病歴も同意なしAI活用?松戸市条例への影響を松戸市議・岡本ゆうこが解説
松戸市議会議員の岡本ゆうこです。
国会でデータ活用の規制を緩和する改正個人情報保護法が可決・成立しました。SNS上では「病歴や犯罪歴などのセンシティブな個人情報が、本人の同意なしにAI開発などに利用されてしまうのではないか」と、大きな不安や反対の声が広がっています。
岡本ゆうこは2023年の法改正による「自治体の個人情報保護条例の廃止・一元化」の当時から、国の一律のルールによって市民のみなさまのプライバシーが脅かされるのではないかと強い危機感を持ち、「要配慮個人情報」や「自己情報コントロール権」の観点から市民が受ける影響をいち早く質問し、松戸市議会で議論を重ねてきました。
今回の法改正は、私たち松戸市、そして市民のみなさまの生活にどのような影響を与えるのか。
これまでの松戸市議会の歩みを踏まえ、議員としての視点から、わかりやすく解説します。
◆前回の法改正(2023年)と今回の法改正の決定的な違い
これまでと何が変わるのかを理解するために、前回の法改正からの「流れ」を整理します。
2023年4月の改正で、全国の独自条例が国の法律に一元化されました。松戸市は、その限界の中で「市民の基本的人権を擁護する」目的を守り抜くという「松戸の誇り」を第1条(目的)に明文化しました。
✅前回(2023年4月全面施行)→ ルールの「一元化」それまでは全国の自治体がそれぞれ独自の「個人情報保護条例」を持っていました。松戸市にも独自の厳しいルールがありましたが、国の方針により原則廃止され、全自治体が国の法律に従う形(施行条例への移行)になりました。
✅今回(2026年成立)→ ルールの「一斉アップデート」
今回は、その国の法律の中身自体が書き換わります。法律が変わるため、松戸市を含むすべての自治体の条例や実務も、同じタイミングで一斉に変更を迫られることになります。
◆今回の改正案における「攻め」と「守り」のポイント
今回の法改正には、主に以下のような項目が含まれています。
【攻めの規制緩和】 同意規律の緩和(AI・統計への活用)AI開発や統計作成といった「個人を特定しない用途」に限り、病歴や犯罪歴、人種、信条などの「要配慮個人情報」を、本人の同意なしに収集・活用できるようになります。
【守りの規制強化】 16歳未満の児童・生徒から情報を取得する際、法定代理人(親権者など)の同意を必須とするなど、こどもの権利を守る規律が明確化されます。
【守りの規制強化】 顔特徴データなどの生体情報規律顔認証データなどを活用する際の事前周知が義務化され、本人の同意なしに第三者へ提供する「オプトアウト制度」の対象から除外されます。
◆国の法律が変わっても、データを渡すかは「松戸市の裁量」
ここで多くの方が「国の法律が変わったなら、松戸市はどうしようもないのではないか」と思われるかもしれません。
しかし、それは違います。
今回の法改正は、自治体に対して「民間企業にデータを一律に提供しなさい」と義務付けるものではありません。これまで「違法(一律禁止)」だったものを、AIや統計目的であれば提供しても「合法(禁止を解除)」にするというルールの変更です。
つまり、民間企業や研究機関から「AI学習のためにデータを提供してほしい」と申請があった際、実際にそれを承認して、市民のみなさまのデータを渡すかどうかは、松戸市(行政)の「裁量(判断)」に委ねられているのです。
だからこそ、行政の判断ひとつで安易にデータが流出しないよう、私たち地方議会がしっかりと目を光らせ、厳しいブレーキをかけなければなりません。
◆松戸市議会での答弁について
「行政の裁量」を巡り、岡本ゆうこの令和8年6月定例会の一般質問の中で、松戸市の個人情報管理における非常に深刻な実態が明らかになりました。
松戸市では、現行の法第69条第2項第3号の目的外利用について、「全庁的にこれまで何件の目的外提供があったのか、その実績を把握していない」「有識者による『松戸市個人情報保護審議会』への報告はしていない」「各担当部レベルの決裁だけで処理している」と答弁したのです。全庁的な一元管理もされず、審議会のチェックもスルーしたまま、担当部の判断だけでデータが扱われているのが、残念ながら今の松戸市の現状です。この管理体制のまま、今回の「本人同意なしのAI開発へのデータ提供」が始まれば、市民のみなさまのセンシティブな情報が、チェック機能の働かないまま民間企業へなし崩し的に流出してしまうリスクが極めて高くなるのではないかと危惧しています。
◆松戸市議会議員として岡本ゆうこが懸念する「3つの論点」
松戸市役所には、市民のみなさまの税、福祉、医療、生活保護受給歴など、極めてセンシティブなデータが集まっています。
今後提出される「松戸市個人情報保護法施行条例の一部を改正する条例案」に対し、岡本ゆうこは特に以下の点に危機感を持って注視してまいります。
① 「松戸市個人情報保護審議会」による厳格なチェックの義務化
企業からデータ提供の申請があった場合、行政だけの判断で機械的に渡させないよう、有識者で構成される「松戸市個人情報保護審議会」への事前諮問(厳しいチェックの手続き)を条例や運用ルールでしっかりと義務付けるべきだと考えています。
② 松戸市独自の「審査基準」の策定
「AI開発目的」と言いつつも、実際には特定の個人が不利益を被るようなアルゴリズム(差別的なAIなど)に使われないか、データの管理体制は万全かなど、松戸市独自の厳しい審査ガイドラインが必要だと考えています。
③ 学校や子育て現場での実務負担と混乱の回避
「16歳未満のこどもの個人情報取得には親の同意を必須とする」というルールは、学校教育のICT化や子育て支援サービスの現場に直結します。現場の教職員や職員が混乱せず、かつ確実にこどもの権利を守れる体制を構築しなければなりません。
◆市民のみなさまの不安に寄り添う議論を
SNSで上がっている多くの反対や不安の声は、極めて真っ当なものです。利便性やデジタル社会の推進ばかりが先行し、個人の尊厳やプライバシーが置き去りにされてはなりません。
2023年の改正でルールの「一元化」が行われ、自治体が独自に「提供を一切禁止する」というような、法律に完全に反する条例を作ることはできなくなりました。
しかし、「法律で認められた選択肢(裁量)の中で、行政がどう慎重に手続きを踏むべきか」を地方議会がコントロールする余地はしっかりと残されています。
◆地方から「個人情報」を守り抜く
国の動向で「個人情報の壁」が揺らいでおりますが、岡本ゆうこはこれまでの議会論戦の経験を活かし、国のルールにただ従うだけでなく、「松戸市民のみなさまの個人情報をどう守り抜くか」という視点を最優先に、徹底的に議論を尽くしてまいります。
進捗については、引き続きこのブログや市政報告でみなさまにお伝えしていきます。
ご意見やご不安な点がございましたら、ぜひお気軽にお寄せください。

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