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江戸に学び、減価する通貨を使う●郡山市のごみ問題は格段に変えられる

2026/4/30

【郡山市のごみ問題に変化】“最下位脱出”は前進か、それともスタートラインか

福島県郡山市のごみ排出量に、ひとつの変化がありました。

2024年度、市民1人1日あたりの一般廃棄物排出量は1074グラム。
全国62の中核市の中で“ワースト2位”。

――ワースト1位から、ワースト2位に。しかし、これはまあひとつの「改善」です。

これまで4年連続で最下位だった郡山市が、ついにその座を脱したので、市長は自慢げに記者会見をしていました。

椎根健雄市長は「市民の協力に感謝する」と述べました。
確かに、前年度から28グラム減少。特に家庭ごみが20グラム減ったことは、市民一人ひとりの意識の変化を示しています。

分別の徹底、生ごみの水切り、出前授業――
こうした地道な取り組みが、確実に数字を動かした。

これは一応、評価すべき成果です。


しかし、現実はまだ厳しい

ここで立ち止まってはいけません。

中核市の平均は861グラム。
郡山市との差は、213グラム

これは決して小さな差ではありません。
むしろ、「まだ4分の1も多い」という現実です。

最も少ない自治体は東京都八王子市の691グラム。
郡山市との差は、実に約380グラム。

つまり――
「最下位を脱出した」という事実と、
「依然として全国トップクラスの多さ」という現実は、同時に存在しているのです。


問われるのは“次の一手”

ここで重要なのは、「どう減らすか」です。

現在の郡山市は、ごみ処理の有料化に否定的。
あくまで市民の努力による減量を優先しています。

一方で、会津若松市はごみ処理の有料化に踏み切りました。

この違いは、政策判断の違いであり、哲学の違いでもあります。

どちらが正しいのか――
単純な答えはありません。


実はまだ眠っている“減量の余地”

例えば、庭の草。

除草した草をそのまま捨てるのではなく、乾燥させるだけで5割以上減量できると言われています。

つまり――
まだ「やり方次第」で減らせる余地は大きい。

問題は、「知っているかどうか」ではなく、
「行動に移せるかどうか」です。


ごみ問題は“経済”そのもの

ここを見誤ってはいけません。

ごみとは、単なる“不要物”ではない。
それは、地域経済の“裏側”です。

・無駄な消費が多ければ、ごみは増える
・地域内で循環しない経済は、廃棄物を増やす
・使い捨て文化は、コストと環境負荷を押し上げる

つまり、ごみ問題とは―― 暮らし方の問題であり、経済構造の問題なのです。


最下位脱出の本当の意味

今回の結果は、「ゴール」ではありません。

むしろ――

👉 “ようやくスタートラインに立った”

というのが現実ではないでしょうか。

市民の努力は確かに成果を生みました。
しかし、その努力に頼り続けるだけで、本当に限界を突破できるのか。

ここから先は、

・制度
・経済
・教育
・地域の仕組み

これらをどう組み合わせるかが問われます。では次にどうするかを考えてみましょう。


【江戸に学べ】郡山市のごみ問題は“仕組み”で変えられる

私はここで、あえて過去に目を向けたいと思います。
それが、江戸時代です。

江戸は“ごみゼロ社会”だったのか?

よく言われます。
「江戸は循環型社会だった」と。

確かにその通りです。

・紙は何度も再利用
・衣服は繕い続けて使い切る
・灰や尿までも資源として売買
・壊れた道具は修理して再利用

つまり――
“捨てる”という発想がほとんど存在しなかった社会です。

しかし、ここで重要なのは精神論ではありません。

江戸の人々が「環境に優しかったから」ではない。

 “捨てたら損をする経済構造だった”

これが本質です。


郡山市との決定的な違い

現代の郡山市はどうでしょうか。

・捨てても困らない
・新品の方が安い
・修理より買い替えが合理的
・ごみ処理コストは見えにくい

つまり、

 “捨てた方が得をする社会”

になってしまっている。

ここに、問題の核心があります。

着物は植物から
イネは全てを生活に利用
行灯の油は植物から

有料化か?意識改革か?――その先へ

郡山市は現在、ごみ処理有料化に慎重です。
一方、会津若松市は有料化に踏み切りました。

この議論はよく「負担か善意か」という対立になります。

しかし、江戸の視点で見ると本質は違います。

行動が変わる仕組みがあるかどうかです。

江戸では、

・修理業が成立する市場
・資源として売れる仕組み
・地域内で完結する循環

があったからこそ、自然にごみが減った。

井戸水はくり返し使用

もちろん、江戸時代とは配慮すべき衛生問題は格段に違います。現代人がやるべきは、現代に合わせた循環型社会です。


郡山市に必要なのは「第二の江戸モデル」

では、現代の郡山市で何ができるのか。

ヒントは明確です。

① ごみを“資源化”する地域経済

生ごみ → 堆肥 → 地元農業
剪定枝 → バイオマス → エネルギー

「捨てるもの」を「回すもの」に変える。

 

② 修理・再利用ビジネスの再構築

江戸には“直し屋”がいました。

現代でも、
・家電修理
・家具再生
・古物市場

これを地域経済として成立させることができるはずです。

 

③ 見えないコストを“見える化”する

ごみ処理は税金で処理されるため、痛みを感じにくい。

だからこそ、
・排出量の可視化
・地域単位での競争
・インセンティブ設計

が必要です。


市民の努力だけに頼る限界

今回の郡山市の改善は、市民の努力の成果です。
これは間違いありません。

しかし、あえて言います。

 努力には限界がある

江戸は「努力の社会」ではありませんでした。
「仕組みの社会」だったのです。

私が提唱している減価する通貨の経済制度はこの問題を解決できます。

郡山市が今やっている

・分別の徹底
・生ごみの水切り
・市民の意識改革

これらは確かに重要です。

しかし、それだけでは「努力頼み」です。

そこに、

👉 減価する通貨による地域内循環
👉 修理・再利用経済の活性化
👉 ごみを資源として回すインセンティブ

を組み合わせれば、

単なる減量ではなく、構造的な解決に踏み込めます。

ごみ問題は、「モラルの問題」ではありません。 経済の設計の問題です。

だからこそ私は提案します。

減価する通貨という仕組みで、
郡山市を“捨てる社会”から“循環する社会”へ変える。

それが、次の一手です。


ごみ問題は“文明の選択”

ごみを減らすというのは、単なる環境対策ではありません。

それは、 どんな経済で生きるのか どんな社会を選ぶのか という問いです。

江戸の知恵を、懐古として終わらせるのか。
それとも、現代仕様に再設計するのか。

郡山市は今、
“最下位脱出”という小さな一歩を踏み出しました。

次に問われるのは――

 「捨てる社会」から「循環する社会」へ本気で舵を切れるかどうかです。

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著者

おおさか 佳巨

おおさか 佳巨

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郡山市

肩書 土木技術者・元国務大臣秘書
党派・会派 無所属
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