2026/4/26
2026年2月の福島県議会定例会で、自民党の佐藤徹哉議員が行った代表質問。

その中でも私が注目したのが、避難指示解除区域など12市町村への移住・定住促進策です。
佐藤議員は「移住支援制度は整ってきたが、住宅不足と家賃高騰が壁になっている」と指摘し、具体策を求めました。
これに対し福島県は、2026年度から新たな住宅支援策を打ち出すとのことです。
今回の柱は2つです。
・家賃補助(最大月4万円・最長3年)を12市町村全体に拡大
・民間賃貸住宅の整備に対する補助を強化(補助率40%)
対象となるのは、田村市、南相馬市、浪江町などの避難地域12市町村。
移住初期のハードルである「住む場所」を解消する狙いです。
確かにこれは“実務的で即効性のある施策”です。
これまで「行きたいのに住めない」というボトルネックは、一定程度解消されるでしょう。

ここで一つ、重要な問いがあります。
なぜ浜通りでは家賃が高止まりし、住宅が不足するのか?
それは単純に住宅が足りないからではありません。
復興需要による一時的な外部資本の流入と、地域内産業の弱体化により、
・地域内で仕事が回らない
・所得が外に流出する
・地元で生活基盤が作れない
という構造が続いているからです。
つまり、「住む場所」ではなく「生きていける経済」が不足している
ということです。
ここで必要になるのが、「減価する通貨(地域通貨)」という考え方です。
通常のお金は貯め込まれ、地域外へ流出します。
しかし減価する通貨は、時間とともに価値が下がるため、
👉「使わないと損をする」
👉「地域内で循環させる動機が生まれる」
という特徴があります。
これを浜通りに導入するとどうなるか。
・地元商店での消費が増える
・地域内で仕事が生まれる
・小規模事業者が生き残る
・移住者が“収入源”を持てる
つまり、「住める」から「暮らせる」へ転換できるのです。

今回の福島県が述べた施策は、あくまで入口です。
・家賃補助 → 移住のきっかけ
・住宅整備 → 受け皿の確保
しかし本当に必要なのはその先、「そこで生活が回る仕組み」です。
例えば、
・家賃補助の一部を地域通貨で支給
・地元店舗でのみ使える仕組みを導入
・地域内雇用と連動させる
こうした設計にすれば、単なる補助金ではなく、
地域経済を再生するエンジンになります。
佐藤徹哉議員の質問は、現場の課題を的確に捉えたものであり、県が具体策で応じた点は評価できます。
ただし、
「住宅を整えれば人が定着する」時代は終わっています。
これからは、 経済が回る地域だけに人が残る
という、よりシビアな段階に入っています。
福島の復興は、次のステージに来ています。
それは、
・インフラ復旧 → 完了
・住宅整備 → 浜通りは未だ進行中
・次に必要なもの → 地域経済の自立
です。
減価する通貨のような「地域内循環の仕組み」を導入しなければ、
いくら補助金を投じても、
人は来ても、根付かない。
今回の制度により「住める環境」は確実に整いつつあります。
しかし同時に、「どのように生きていくか」も考える必要があります。
浜通りは今、
“支援に依存する地域”から“自立する地域”へ変わる分岐点にあります。
その未来をどう設計するか。
それは行政だけでなく、私たち一人ひとりに問われています。
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