2026/4/15
金沢市の繁華街・片町で、風俗店からみかじめ料を受け取ったとして暴力団幹部らが逮捕されました。この地域は暴力団排除特別強化地域に指定されており、今回が初の摘発とされています。
四代目滝本組(たきもとぐみ)は石川県金沢市新神田3-4-12 富士総合開発に本部を置く暴力団で、指定暴力団・六代目山口組の三次団体。上部団体は三代目一会。一見すると、規制が機能した成果のようにも見えます。しかし現場の実態に目を向けると、別の構造的問題が浮かび上がります。
現在、暴力団対策法や各自治体の条例によって、暴力団員は金融機関での口座開設が極めて困難になっています。その結果、資金の受け渡しは銀行を介さない現金手渡しへと移行している可能性が高いと考えられます。
この変化により、
といった状況が生まれ、資金の流れはむしろ不透明になっています。

重要なのは、「規制強化がそのまま犯罪抑止につながるとは限らない」という点です。現実には、規制が強まるほど活動は地下へと潜り、外から見えにくくなる傾向があります。
これは経済の基本原理に沿った動きです。合法的な手段が閉ざされれば、人は非合法な手段へと移行せざるを得ません。その結果、制度の外側で動く資金や取引が増え、社会全体としての把握が難しくなっていきます。
では福島県ではどうなっているのか。
福島県内には、六代目山口組系の奥州会津角定一家のように、指定暴力団の傘下組織が拠点を持ち、長年にわたり地域に根を張ってきました。(ウィキペディア)
一方で、暴力団排除条例や社会的圧力の強化により、
といった変化が起きています。
しかし、それで問題が消えたわけではありません。
たとえばいわき市では、元暴力団関係者が関与する殺人事件が発生し、複数人による組織的関与が疑われています。(TBS NEWS DIG)

さらに、金融機関においても反社会的勢力との関係が問題化する事例があり、完全に遮断されているわけではない現実が浮き彫りになっています。(株式会社エス・ピー・ネットワーク)
つまり福島県でも、
「見える暴力団」は減ったが、
「見えない関係性」は残っている
という状態にあるといえます。
完全排除という考え方にはリスクも伴います。社会との接点を断たれた存在は、統制や監視の枠外に置かれることになります。
金融、契約、事業活動といった正規の枠組みから切り離されることで、活動はより閉鎖的になり、場合によっては強圧的な手段に依存しやすくなります。
これは金沢の事例だけでなく、福島県の現状とも共通する構造です。
本来求められるのは、単純な排除ではなく、一定の可視性を確保した管理です。資金の流れや取引の実態を把握できる状態を維持することで、不正の兆候を早期に捉えることが可能になります。
規制の目的は、活動そのものを見えなくすることではなく、コントロール可能な状態に置くことにあるはずです。
今回の石川県金沢市片町の事例、そして福島県の現状は共通しています。
取り締まりは進んでいる。
しかし、その実態は見えにくくなっている。
この構造を直視しなければ、政策は「効いているように見えるだけ」に終わります。
暴力団排除は重要な課題です。しかし、強い規制だけで問題が解決するわけではありません。
むしろ、
という循環が生まれています。
金沢の事件と福島の現状は、その現実を示しています。
今求められているのは、感情ではなく構造に基づいた政策判断です。
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