2025/7/21
参政党は、2022年の参議院選挙で初議席を獲得して以来、急速に注目を集めている日本の新興政党です。2025年参議院選挙ではさらなる支持拡大が見られ、その背景には独自の政策や戦略があります。しかし、同党の主張には議論を呼ぶ内容も多く、特に発達障害やLGBTに関する発言が批判を浴びています。
参政党は、2019年に設立された比較的新しい政党で、神谷宗幣代表を中心に「日本人ファースト」「国益重視」をスローガンに掲げています。保守的な政策を基盤に、外国人受け入れの制限、消費税廃止、積極財政、子育て支援、医療や福祉の見直しなどを公約に掲げ、若者や無党派層を中心に支持を集めています。2022年の参院選で初の議席を獲得後、2023年の衆院選や2024年の地方選挙でも議席を増やし、全国的な存在感を強めています。
参政党の政策は、医療、福祉、ジェンダー平等、外国人受け入れなど多岐にわたりますが、一部の主張は事実誤認や差別的とされる発言で批判を浴びています。

参政党は「終末期の延命治療の医療費を全額自己負担化」を公約に掲げ、延命治療が国の医療費を押し上げる要因と主張。神谷代表は街頭演説で「高齢者を無理やり生かす必要があるのか」と発言しました。
しかし、医療経済学の専門家である二木立・日本福祉大名誉教授は、死亡前1カ月の医療費は全体の3%程度にすぎず、医療費全体を押し上げる要因ではないと指摘。
厚生労働省もこの主張を否定しており、事実に基づかないとして批判されています。
神谷氏が編著した「参政党Q&Aブック 基礎編」(2022年)では、「発達障害は存在しない」「子供の個性にすぎない」と記述。
比例代表候補の松田学氏も同様に「発達障害は存在しない」と発言し、医療利権を批判しましたが、SNSでの批判を受け2023年7月に謝罪し発言を撤回。
党は書籍を「選挙時のバタバタで作った」「絶版」と釈明するも、個別の記述については明確な訂正を避けています。
発達障害は医学的に認められ、厚労省の2022年調査では国内で約87万人が診断されたと推計されます。発達障害者支援法(2004年)や承認された治療薬も存在する中、当事者団体「発達障害当事者協会」は「存在否定は誤情報であり、障害者雇用の機会喪失や差別につながる」と強く反発。
神谷氏は「LGBTなんかいらない」「性は男と女しかない」と繰り返し発言し、7月14日の松山市演説でも「ジェンダーフリーはいらない」と主張。LGBT理解増進法の廃止を公約に掲げ、「性的少数者が差別される存在として強調されることで社会が分断される」としています。
これに対し、一般社団法人「fair」の松岡宗嗣代表は「差別そのもの」と批判。当事者が経験するいじめ、就職差別、医療現場での不平等を無視する発言だと指摘します。厚労省調査では、LGBT当事者の8割以上が職場でカミングアウトしていない現状があり、党の主張は当事者の存在否定や社会からの排除に繋がると懸念されています。
延命「いらない」、障害「存在しない」 参政党の主張が否定するもの

毎日新聞の質問に対し、参政党事務局は発達障害に関する記述を「神谷氏の個人見解」とし、「一部不適切だった」と釈明。LGBT発言については「法律で理解を定める必要はないという立場。差別的意図はない」と回答しましたが、差別に当たらない理由は示しませんでした。
以下の要因が挙げられます。
参政党は、独自の政策とSNSを駆使した戦略で支持を広げていますが、発達障害やLGBT、終末期医療に関する主張は事実誤認や差別的と批判されています。一方で、それだからこそ支持するという有権者もいるわけで、それはそれで民意を反映していると言えるでしょう。
おそらく参政党の主張というのは、日本共産党・れいわ新選組・社会民主党、あるいは立憲民主党の左派からは嫌われるものです。しかしこうした批判をする政党は「多様性」を尊重するのに、参政党のような国家観をもつ政治思想に対しては認めません。ここには大いなる矛盾があると思います。
興味深いことに、参政党の過激な主張そのものが一部有権者の支持を集めています。「政治的に正しくない」発言が、既存政党への不満や「本音を言う政治家」への期待に応える形となり、民意の一端を反映していると言えるのではないでしょうか。
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