2026/5/28
千葉県が新たな地震被害想定を公表しました。
今回の想定で特に注目されているのが、「房総半島東方沖の地震(Mw8.5)」という新たな巨大地震想定です。
これまで千葉県の防災と言えば、首都直下地震や東京湾岸の液状化対策が中心でした。しかし今回の資料を見ると、県の防災の重心が大きく変わりつつあることを感じます。
特に衝撃的なのは外房地域の津波想定です。
いすみ市12.8m、銚子市12.5m、一宮町12.1m、御宿町11.5m。巨大津波が短時間で押し寄せる想定となっています。
一方で、君津市の最大津波水位は2.0m、到達時間は約140分とされています。数字だけを見ると、「君津市は比較的安全」と感じるかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか。
君津市には、日本製鉄をはじめとした臨海工業地帯、港湾、物流機能、幹線道路が集積しています。つまり、首都圏全体を支えるインフラ機能が集中している地域です。
もし外房地域が巨大津波被害を受けた場合、比較的被害の少ない内房側、特に君津・木更津地域は、広域支援基地としての役割を担う可能性があります。自衛隊、DMAT、救援物資、応援自治体。そうした支援の集積地になるかもしれません。
つまり君津市は、「被災地」でありながら、同時に「支援拠点」にもなる可能性があります。
しかも君津市は広大で、海沿いの工業地帯だけではなく、中山間地域もあります。久留里、松丘、亀山清和方面では、高齢化や独居化が進んでいます。道路が寸断されれば、孤立集落が発生する可能性も高くなります。
国道127号、410号、465号、房総スカイライン。こうした道路網が止まれば、南房総支援どころか、君津市自身の機能維持も難しくなります。
これは能登半島地震でも大きな問題となりましたが、直接地震で亡くならなくても、その後の避難生活や医療不足、介護崩壊、体調悪化によって命を落とすケースにもつながります。高齢化が進む地域では、この“災害関連死”への備えが極めて重要になります。
また、資料では耐震化や感震ブレーカー設置によって、被害が大幅に減少すると試算されています。結局、防災とは「特別なこと」ではなく、日頃の備えの積み重ねなのだと思います。
そして今回重要なのは、千葉県自身も、この被害想定を「公表して終わり」にはしないと明記していることです。
資料では、県として
・地域防災計画への反映
・地震防災戦略の改定
・津波避難計画策定指針の改定
・ハザードマップへの反映
などを進めるとしています。
君津市も単なる一自治体ではなく、房総半島全体を支える重要な役割を担う地域になる可能性があります。
そして同時に、私たち市民一人ひとりにできることもあります。
家具固定や感震ブレーカーの設置、飲料水や非常食の備蓄、家族との避難場所確認、ハザードマップの確認。こうした“小さな備え”が命を守ります。
特に津波は、「まだ大丈夫」が最も危険です。今回の想定でも、迅速な避難によって死者数が大幅に減少することが示されています。
行政だけでは限界があります。地域で助け合うこと、自分自身で備えること、その積み重ねが被害を大きく変えます。
災害は、いつか来ます。
しかし、その被害をどこまで減らせるかは、平時の準備にかかっています。
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