2026/7/29
芦屋市から、特定健診の受診を呼びかける案内が届きました。
今回の案内は、行政広報としてかなり工夫されていると感じます。
「同世代の多くの方は、もう『今年の安心』を手に入れています」という言葉で受診を促すほか、「0円」「約1時間」といった情報を大きく示し、受診に対する心理的なハードルを下げています。行動経済学で言われるナッジ理論的なアプローチでつくられており、なんとしても受診率を高めたいという思いが感じられるいい案内だと思います。
その上で、さらに多くの人に案内を見てもらい、実際の受診につなげるために、まだ改善できる点があると思いました。
現在の案内でも、イラストやピクトグラムが使われており、視覚的に分かりやすくなっています。ただ、ピクトグラムはとても分かりやすい一方、たくさんの郵便物の中から目を引いて感情に訴えてくるほどの訴求効果は弱いと思います。
いっそ、漫画にしてしまうというのはどうかと思います。漫画には、目を引くだけでなく、ストーリーを伝えられるという強みがあります。
例えば、仕事が忙しくて「今年は健診を受けなくてもいいか」と考えていた人が、後になって病気が見つかり「もっと早く見つけられていたら、仕事も続けられていたかもしれない」と後悔するようなストーリー。
もちろん、健診を受ければ病気を防げるということではありません。重要なのは、病気を早期に発見できる可能性を高めることです。健診のために一日時間を取ることと、病気の発見が遅れ、長期間仕事ができなくなることのどちらが大きな負担になるのか。
こうした内容は、文章やピクトグラムだけで説明するよりも漫画の登場人物を通じて伝えたほうが、自分事と感じてもらいやすくなります。情報を分かりやすく伝えるだけでなく、自分事として受け止めてもらうためには、ストーリー性も必要ではないでしょうか。
特定健診の対象者の中には、市の特定健診ではなく、勤務先の健診や人間ドックを受診している人もいます。僕自身も、毎年人間ドックを受診しています。
芦屋市では、その検査結果を提出することで「みなし健診」として活用できる制度があります。
しかし、今回送付された個別勧奨のはがきには、その案内が記載されていません。勤務先の健診や人間ドックを受診した人に、市への連絡を呼びかける一文を加えるだけでも、制度の利用促進につながるのではないでしょうか。
特定健診の受診率は、国からの交付金などにも関係します。実際には健診を受けているにもかかわらず、市が把握できていない人は少なくないはず。こうした層を取りこぼさないことも、受診率向上のためには重要です。
現在の案内は、はがきで送付されています。
はがきは、封筒に比べれば印刷や発送にかかる費用を抑えられます。また、開封しなくても内容が目に入るという利点もあります。
しかし、実際の生活場面を考えると、はがきには別の課題があります。
芦屋市は集合住宅に住んでいる人も多いです。集合住宅のポストには、たくさんのチラシやダイレクトメールが投函されます。また、近年は共働き世帯が非常に増えています。朝に家を出てから、夕方や夜まで一度も郵便受けを確認しない家庭も珍しくありません。
帰宅後、たくさんたまった郵便物をまとめて整理することになります。その際、はがき形式の案内だと、民間事業者から届いたダイレクトメールに紛れてしまいます。そうなると、内容が確認されることなく、他の広告物と一緒に捨てられてしまう可能性があります。
一方、封筒の場合はどうでしょうか。もしかしたら重要な通知かもしれないため、中身を確認するために開封する人が多いのではないでしょうか。少なくとも、はがきよりは内容に目を通してもらえる可能性は高いように思います。
加えて、芦屋市からの封筒であれば重要な通知である可能性は高く、開封して中身に目を通す可能性はさらに高くなります。
もちろん、封筒にすれば、封筒代や印刷費、封入作業などのコストは増えます。
しかし、はがきも無料ではありません。案内のデザイン制作費、印刷費、郵送費など、相応の費用をかけて送付しています。
見られないまま捨てられてしまえば、制作や郵送にかけた費用は受診勧奨という目的を果たせないまま無駄になります。広報や個別勧奨は、まず見てもらってこそ意味があります。封筒にすることで案内を見てもらえる割合が高まり、その先の受診率向上につながるのであれば、追加のコストをかけることも大いに検討する余地があると考えます。
市民のみなさんの声が市政をより良くするヒントになります。今回のテーマに限らず、市政全般についてのご意見をお聞かせください。匿名で投稿できますので、ぜひこちらのフォームからお寄せください。
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>大原 ゆうき (オオハラ ユウキ)>芦屋市の特定健診案内はよくできている。でも、もっと受診率を高める方法がある