2026/3/13
新年度予算では、プラスチック分別収集の導入に向けた調査費が予算計上されています。総括質問における答弁を聞く限り、分別方法や収集方法などはまだ具体的には決まっておらず、今後検討していく段階という状況のようです。
プラスチック分別は環境施策として広く進められているものですが、制度設計にあたってはいくつか整理しておくべき論点があります。
プラスチックには大きく分けて二つの種類があります。
一つは、食品トレーや包装フィルムなどの容器包装プラスチック。もう一つは、バケツやハンガー、おもちゃなどの製品プラスチックです。
容器包装プラスチックは素材が比較的限定されており、再資源化の仕組みもある程度整っています。一方で、製品プラスチックは素材が多様でかつ複合素材も多く、リサイクルが難しいものも少なくありません。
また製品プラスチックは、回収や選別などに多くのコストとエネルギーをかけた結果、最終的には焼却されるごみを一度延命しているだけという側面もあります。
そのため「プラ分別」と言っても製品プラスチックまで一気に分別の対象とすることにどれほどの効果があるのかについては分析が必要だろうと思います。
プラスチックは重量は軽いですが、かさばります。
特に製品プラスチックはバケツやハンガーなど、多様な形状をしたものが含まれています。そう簡単に圧縮できないものが多いというのも特徴です。
そのため、運搬や収集後の保管場所については、「ごみのかさ」が問題になります。収集車の積載効率やストックヤードの確保など、運用面の課題も考えておく必要があります。
分別制度を設けても、市民の分別が完全に徹底されるとは限りません。それは現状の分別制度を見ても明らかです。
例えば雑がみなどの紙類は、分別日が設けられています。しかし実際にはその多くは燃やすごみの中に混ざっています。迅速性が求められる収集現場では都度袋を開けて確認することはできないため、袋の外から見て明らかな場合を除いては、そのまま収集されることになります。
制度を考える際には、実際の運用も踏まえた現実的な想定も必要だろうと思います。
芦屋市では、将来的に神戸市との広域処理が予定されています。
この点から「神戸市と同じ分別にする必要があるのではないか」という意見が聞かれます。しかし、実際には必ずしもそうとは限らないと思います。
その理由は、分別という制度を導入していたとしても、完全なる分別はできないからです。また、プラスチックは燃やしたとしても致命的な問題はありません。むしろ、燃料を入れるようなものなので燃焼効率を上げる効果があります。
焼却施設では、有害ガスを出す金属などの不適物以外であれば、混ざっていたとしても燃やすことができます。芦屋市でも、金属類は当然燃やさないごみとして分けています。よって、神戸において「燃やせない」芦屋市の可燃ごみはありません。
神戸市と芦屋市は異なる行政区です。「神戸に合わせないといけないじゃないか」という議論に引きずられることなく、芦屋市としての方針を決める必要があるだろうと思います。
プラスチック分別は重要な環境施策の一つですが、分別すること自体が目的ではありません。
リサイクルにも多大なコストとエネルギーが必要となります。そのため、必ずしも環境負荷が小さいとは限りません。多くの場合、最終的には焼却処理されることになるため、燃やすまでのサイクルを一段階延命しているだけという側面もあります。
リサイクルに要するコストと一段階延命させることによるメリットとを比較しながら、どこまで分別することが合理的なのかを検討する必要があります。
制度を作ること自体が目的にならないよう、今後の検討を見ていきたいと思います。
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