2026/8/3
つくば市【東京都港区 みなとタバコルール 構造から考える】8月3日~禁止だけでは解決しない路上喫煙対策~
つくば市議会議員の ひぐち ゆうだい です。
本日は東京都港区へ行政視察に伺い、「みなとタバコルール」と喫煙所整備について学ばせていただきました。
私は行政視察に行く際、「○○市ではこのような制度を導入しています。」という結果だけを見るのではなく、「なぜ、その制度が必要になったのか。」「どのような課題があり、現在の制度にたどり着いたのか。」
という”構造”を考えることを大切にしています。
港区は人口約27万人と、つくば市とほぼ同じ人口規模ですが、昼間人口は100万人を超える日本有数のビジネス街です。そのため、路上喫煙や受動喫煙対策は長年の行政課題となり、平成15年から「みなとタバコルール」をスタートさせ、条例改正を重ねながら現在の制度へと発展してきました。
今回の視察で最も印象に残ったのは、
「路上喫煙を減らしたいなら、喫煙所を整備しなければならない。」という考え方です。反対に整備することで喫煙を助長すると言う考え方もあるので、一見すると矛盾しているように聞こえますが、その理由は非常に理にかなっていました。
喫煙所が不足すると、歩きたばこや路上喫煙、ポイ捨てが増え、結果として受動喫煙や生活環境の悪化につながる。つまり、喫煙所を整備することは、喫煙者のためだけではなく、吸わない人の生活環境を守るためでもある。という発想です。
港区では現在116か所の指定喫煙所を整備し、民間事業者への補助制度も充実しています。屋内・屋外を問わず、設置費は最大1,000万円、維持管理費も年間最大150万円を助成し、都市開発と連携しながら喫煙環境の整備を進めています。
しかし、整備すれば終わりではありません。
喫煙所には清掃費や電気代、設備の維持管理費がかかるほか、路上喫煙防止のために2人1組・27班体制で巡回指導を実施しています。その結果、「みなとタバコルール」関連事業には年間約6億3千万円もの予算が計上されており、制度を維持するためには継続的な財政負担も必要になります。
さらに、喫煙所を設置すれば近隣住民から苦情が寄せられ、撤去すれば路上喫煙が増える可能性があるなど、行政は常に相反する意見の間で難しい判断を迫られているようでした。
今回の視察を通して改めて感じたのは、
行政の仕事は、「禁止すること」でも「認めること」でもなく、多様な立場の人が少しでも安心して暮らせる仕組みをつくることだということです。
港区とつくば市では、街の規模や人の流れ、抱える課題が異なります。そのため、そのまま制度を導入することはできません。
しかし、
・民間事業者との連携による整備手法
・都市開発と一体となった喫煙所整備
・受動喫煙防止と喫煙環境確保の両立
・制度導入後の維持管理まで見据えた運営
など、つくば市でも参考にできる考え方は数多くありました。
行政視察は、他自治体の制度をそのまま真似するために行くものではありません。
「なぜ、その制度になったのか。」
その背景や構造を理解し、つくば市に合った形で活かしていくことこそが、本当の行政視察の価値だと私は考えます。今回学んだことをしっかり持ち帰り、今後の議会活動や政策提案に活かしてまいります。



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